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6、第5王子オスカル
カトリーヌはまた城下町を散歩しようと決めた。
カリーナと会って絵の話を沢山したかった。
それがやはり私が成田綾子という美術を専攻する女子高校生だから。
私はカリーナに会うために、そしてもう一度成田綾子のようになるためにキャンバスを持っていった。
このキャンバスはお祖父様のお下がり。
お祖父様が画家をやっていたのだ。
私ははまた城下町へ向かいました。
街は人混みでいっぱいだった。
以前、カリーナと会った場所に行ってみる事にした。
カリーナは画家として生計を営んでいる。
カリーナの家の家は床屋で、父親は鋏捌きが凄いとの事で大人気だそう。
とはいえ、カリーナ自体もただの平民では無いのです。
母親がアライド男爵家の令嬢なのです。
「あーっ! カトリーヌ!」
後ろを振り返るとやはりカリーナがいた。
ここがカリーナのお店!
「あら、カリーナ」
「カトリーヌ。カトリーヌはキャンバスなんか持って何しているの?」
「私も絵を描こうと思って」
カリーナが驚いている。
「あれ? カトリーヌって絵、描いてたっけ? 学生時代は専ら哲学だったわよね?」
そう。私は絵なんてあまり描いていなかった。
しかし、前世の記憶が戻ると、絵を描かずにはいられなくなった。
「この街の雑踏を絵に描きたくて」
「ふぅーん」
私はキャンバスに向かって絵を描きはじめました。
「へぇ。カトリーヌって随分と絵がうまいのね」
カリーナは目をまんまるにしてこちらを見ている。
「まぁね。お祖父様が画家だつったからその遺伝子かしら?」
間違ってでも転生だなんて言えない。
「凄いなぁ。カトリーヌは勉強ができて、魔法ができるだけじゃないのね。絵も描けるんだね」
「ま……まぁね」
と言って頭を掻いてしまいました。
「でも、カリーナの絵には敵わないよ」
「そうかな? カトリーヌの絵でも十分売れそうだけど?」
思わぬお褒めの言葉に私は照れてしまった。
「街の賑わいがとても良く描けてるわ。例えばこの荷馬車の細かい一つ一つが」
細かい部分まで描くのは私のこだわりです。
何か他の技法を使って細かい部分を省略してしまう人もいました。
「それから、道路の汚れ具合とかも」
それでもやはりカリーナの絵のほうが方が本格的だ。
風景画から人物画まで様々だ。
と、そこへ……。
思わぬ人物が店の前に現れた。
王立学園の同級生で尚且この国の第5王子であるオスカル殿下でした。
「おっ! カリーナとカトリーヌじゃないか。何やっているんだ?」
オスカルはやはりカッコいい。
ロン毛の金髪にエメラルドグリーンの瞳。
そして何より背が高くスラーっとしている。
「オスカル王子。今日はカトリーヌがお店のお手伝いに来てくれたんですよ」
「おお、カトリーヌ。カトリーヌじゃないか。何こんな所で油売っているんだ?」
油を売っている?
「どういうこと……でしょうか?」
「カトリーヌ。アルフレッドはどうしたんだよ。きみはアルフレッドの下にいたんじゃないのか?」
「それが……」
まさかアルフレッドの事を口にするとは思わなかった。
「実はアルフレッドとは婚約破棄しました」
私は素直に告げました。
「それは残念だね。だったらさ、ほら、パーっと行っちゃおうよ」
オスカルは気を使ってくれているのでしょう。
「そう……ね」
「カリーナもいる事だし。あ、そうだ。3人でお茶にでも行かないか?」
「それいいね~」
とカリーナ。
「僕がおごるからお金は気にしなくても良いよ」
甘えて良いのだろうか?
私は学園時代、アルフレッド一筋だったので、オスカル王子の魅力がわかりませんでした。
しかし、こうしてアルフレッドと婚約破棄をしてしまうとオスカル王子の魅力の虜になりそうです。
しかし、私は男爵令嬢。
結婚の相手は本来なら平民が妥当のところ。
だから、王族との結婚なんてありえないのです。
だから、いくら3人で会うとしても、距離を置かなければならないのかもしれません。
「私は平民だけど、オスカル殿下と飲みに行ってよろしいのですか?」
「構わないよ、カリーナ。そんな時だけ身分なんか忘れちまおうぜ。僕たちは王立学園の同級生じゃないか!」
とオスカル殿下。
と、オスカル殿下の動作が一瞬止まりました。
「どうしたんですか?」
私がそう言うとオスカル殿下は
「あれ~カトリーヌって絵を描くんだ~。しかも上手いね」
カトリーヌは思わず絵を隠そうとした。
「そうなんです。カトリーヌは学園時代美術専攻していなかったのに、絵が上手いんですよ」
「なるほど~。能ある鷹は爪を隠すとは良く言ったものだなぁ」
そこまでベタ褒めされると照れてしまう。
「カトリーヌの絵。お買い上げするよ」
「えっ!?」
私は一瞬戸惑ってしまった。
「申し訳ありません。この絵は非売品ですので」
オスカル殿下とて売るわけにはいかない。
私の中ではまだまだ駄作。
久しぶりに絵を描いたから腕が鈍っています。
「非売品と言われると、益々買いたくなるんだね」
と言い、結局根負けしてしまい、絵を売ってしまいました。
「この絵は大切にするぞ、カトリーヌ」
そう言ってオスカル殿下は踵を返しました。
カリーナと会って絵の話を沢山したかった。
それがやはり私が成田綾子という美術を専攻する女子高校生だから。
私はカリーナに会うために、そしてもう一度成田綾子のようになるためにキャンバスを持っていった。
このキャンバスはお祖父様のお下がり。
お祖父様が画家をやっていたのだ。
私ははまた城下町へ向かいました。
街は人混みでいっぱいだった。
以前、カリーナと会った場所に行ってみる事にした。
カリーナは画家として生計を営んでいる。
カリーナの家の家は床屋で、父親は鋏捌きが凄いとの事で大人気だそう。
とはいえ、カリーナ自体もただの平民では無いのです。
母親がアライド男爵家の令嬢なのです。
「あーっ! カトリーヌ!」
後ろを振り返るとやはりカリーナがいた。
ここがカリーナのお店!
「あら、カリーナ」
「カトリーヌ。カトリーヌはキャンバスなんか持って何しているの?」
「私も絵を描こうと思って」
カリーナが驚いている。
「あれ? カトリーヌって絵、描いてたっけ? 学生時代は専ら哲学だったわよね?」
そう。私は絵なんてあまり描いていなかった。
しかし、前世の記憶が戻ると、絵を描かずにはいられなくなった。
「この街の雑踏を絵に描きたくて」
「ふぅーん」
私はキャンバスに向かって絵を描きはじめました。
「へぇ。カトリーヌって随分と絵がうまいのね」
カリーナは目をまんまるにしてこちらを見ている。
「まぁね。お祖父様が画家だつったからその遺伝子かしら?」
間違ってでも転生だなんて言えない。
「凄いなぁ。カトリーヌは勉強ができて、魔法ができるだけじゃないのね。絵も描けるんだね」
「ま……まぁね」
と言って頭を掻いてしまいました。
「でも、カリーナの絵には敵わないよ」
「そうかな? カトリーヌの絵でも十分売れそうだけど?」
思わぬお褒めの言葉に私は照れてしまった。
「街の賑わいがとても良く描けてるわ。例えばこの荷馬車の細かい一つ一つが」
細かい部分まで描くのは私のこだわりです。
何か他の技法を使って細かい部分を省略してしまう人もいました。
「それから、道路の汚れ具合とかも」
それでもやはりカリーナの絵のほうが方が本格的だ。
風景画から人物画まで様々だ。
と、そこへ……。
思わぬ人物が店の前に現れた。
王立学園の同級生で尚且この国の第5王子であるオスカル殿下でした。
「おっ! カリーナとカトリーヌじゃないか。何やっているんだ?」
オスカルはやはりカッコいい。
ロン毛の金髪にエメラルドグリーンの瞳。
そして何より背が高くスラーっとしている。
「オスカル王子。今日はカトリーヌがお店のお手伝いに来てくれたんですよ」
「おお、カトリーヌ。カトリーヌじゃないか。何こんな所で油売っているんだ?」
油を売っている?
「どういうこと……でしょうか?」
「カトリーヌ。アルフレッドはどうしたんだよ。きみはアルフレッドの下にいたんじゃないのか?」
「それが……」
まさかアルフレッドの事を口にするとは思わなかった。
「実はアルフレッドとは婚約破棄しました」
私は素直に告げました。
「それは残念だね。だったらさ、ほら、パーっと行っちゃおうよ」
オスカルは気を使ってくれているのでしょう。
「そう……ね」
「カリーナもいる事だし。あ、そうだ。3人でお茶にでも行かないか?」
「それいいね~」
とカリーナ。
「僕がおごるからお金は気にしなくても良いよ」
甘えて良いのだろうか?
私は学園時代、アルフレッド一筋だったので、オスカル王子の魅力がわかりませんでした。
しかし、こうしてアルフレッドと婚約破棄をしてしまうとオスカル王子の魅力の虜になりそうです。
しかし、私は男爵令嬢。
結婚の相手は本来なら平民が妥当のところ。
だから、王族との結婚なんてありえないのです。
だから、いくら3人で会うとしても、距離を置かなければならないのかもしれません。
「私は平民だけど、オスカル殿下と飲みに行ってよろしいのですか?」
「構わないよ、カリーナ。そんな時だけ身分なんか忘れちまおうぜ。僕たちは王立学園の同級生じゃないか!」
とオスカル殿下。
と、オスカル殿下の動作が一瞬止まりました。
「どうしたんですか?」
私がそう言うとオスカル殿下は
「あれ~カトリーヌって絵を描くんだ~。しかも上手いね」
カトリーヌは思わず絵を隠そうとした。
「そうなんです。カトリーヌは学園時代美術専攻していなかったのに、絵が上手いんですよ」
「なるほど~。能ある鷹は爪を隠すとは良く言ったものだなぁ」
そこまでベタ褒めされると照れてしまう。
「カトリーヌの絵。お買い上げするよ」
「えっ!?」
私は一瞬戸惑ってしまった。
「申し訳ありません。この絵は非売品ですので」
オスカル殿下とて売るわけにはいかない。
私の中ではまだまだ駄作。
久しぶりに絵を描いたから腕が鈍っています。
「非売品と言われると、益々買いたくなるんだね」
と言い、結局根負けしてしまい、絵を売ってしまいました。
「この絵は大切にするぞ、カトリーヌ」
そう言ってオスカル殿下は踵を返しました。
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