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10 オスカル王子と二人きり
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私はオスカル王子殿下と会うことになっています。
今日は生憎の雨。
私はお気に入りのピンクの傘を持ってきました。
前回はオスカル王子殿下のおごりでしたが、今回は私がきちんと自分の分は支払わないと。
高そうなお店だったのでお金(ソト)を多めに持ってきました。
そして、広場のライオンの像の前で会う約束をしていた。
まさか今日も厄介事に巻き込まれていなければ良いけれど……。
前回の事で少し気になっていました。
ふと、見上げるとネイビーの傘を持った長身の人が目の前に現れた。
傘で顔が見えないけれど、私は即オスカル王子殿下だとわかりました。
「カトリーヌ!」
やはりオスカル王子殿下でした。
「オスカル王子殿下!」
「カトリーヌ、会いたかった」
「私もです」
カリーナには申し訳無いな、と思いながら私はオスカル王子殿下との二人きりのひとときを楽しむ事にしました。
「さあ、この前のお店に行くよ」
「はい♪」
『はい』の言葉の後に音符マークがつく位ウキウキしていました。
「オスカル王子殿下」
「何だい?」
「今回はきちんと私がお代支払います」
するとオスカル王子殿下は
「いいんだ。これは僕からの好意なんだ。それに、聞きたい話があるから呼び出しただけだ」
と譲らない。
「いえ、それでも……」
オスカルが遮った。
「いや、いいんだ。僕がカトリーヌを呼び出した張本人。おごるのは当然だよ」
私は釈然としないまま途方に暮れました。
「いや。いいんだ。きみは男爵令嬢だ。ここは王族の僕に任せておきなさい」
確かにあのお店は男爵のような下級貴族の行くお店には思えない。
しかし、だからといってご馳走になるのはあまりにも……。
「私は自分で支払うために、お金(ソト)を沢山持ってきたんです」
しかし、オスカルは首を依然縦に振ろうとしません。
「それだけお金(ソト)を沢山持ってきたのか。そうだな。精々帰りに追い剥ぎに合わない事だな」
「違いますって!」
「残念だけど、僕に支払わせて頂くよ。だって、あそこのレストランの支配人は母方の親戚だからね」
私は何も言えなくなってしまいました。
親戚の付き合いというなら、私が割って入っていくスペースは無いのだから。
「僕を立ててくれる?」
そこまで言われてしまえば、私が折れるしかないわ。
「はい、わかりました」
そう言うとオスカル王子殿下に笑顔が戻ってきました。
チャリーン。
お店に着きました。
店の名前は
『フラミンゴ』でした。
なるほど!
私は前回来た時は「豪華なお店だな」と思っていて、店の名前など気にする余裕がありませんでした。
今日初めてお店の名前を知りました。
すると、メイドが厨房の中からやってきた。
「オスカル・アレクサンダー・フランソワです」
「オスカル王子殿下がお見えですよ。お連れ様1人!」
とメイドが厨房の中に向かって言った。
「では、こちらへどうぞ」
今度は窓側の2人席だった。
「ではメニュー表をどうぞ」
私はメイドからメニュー表を受け取りました。
前回はランプステーキたのんんだ頼んんだだっけ?
今回は……………………。
どうしようかな?
悩むなぁ。
高校時代、よくファミレスで頼んでいたロースステーキにしようかな?
「決まったわ!」
「どれにするの?」
「ロースステーキ!」
「じゃあ決まりだね!」
と言ってオスカルはメイドを呼んだ。
「僕がしんしんのステーキで彼女がロースステーキです。以上です」
メイドは復唱した。
そして厨房の中へと入っていった。
「で、話したい事って何なのですか?」
「それはね……1つ目。クライン公爵夫人、ルイーズってきみの従姉妹だったよね?」
「そうですが……」
「クライン公爵家。聞いた話によると、クライン公爵家に借金があるって本当か?」
全然知らなかった。
「借金……ですか?」
「僕の推測だとアルフレッドの事だ。カジノでも行って借金作ったんだろう、と?」
カジノ?
「心当たり無いかい?」
カジノかぁ。
そう言えば、理由も無く家を留守にする事が多かった記憶があります。
私はてっきり女と密会しているものだと思っていました。
今考えると、それがギャンブルだったとは!?
「貴族でギャンブルをやる事は禁止では無いけれど、節度を持ってやって欲しいものだね」
「そう言えば、無言で出掛けて行って、夜遅くまで帰って来ない事もありました」
「やっぱり。行き先はやっぱりカジノだな?」
「よくわかりませんが……」
でも、あの臆病者のアルフレッドがギャンブルに手を染めるとは到底思えなかった。
「アルフレッドがまさかギャンブルするなんて。俄には信じられません」
「僕もそう思う」
学園時代、魔法の授業で低級魔法を見ただけで怯えていたあのアルフレッド。
そのアルフレッドがどうしてギャンブルなどできようか。
「やはり、ギャンブルは本物のようだな? 借金は貴族としてはあるまじき姿。このまま行けば爵位剥奪になる可能性もあるな」
「爵位剥奪……ですか」
「当然だよ」
と言ってオスカルはため息をついた。
「やっぱりきみはアルフレッドに婚約破棄をされて良かったんだ」
考えてみればその通り。
これを塞翁が馬と言うのでしょう。
「それと、もう一つ話したい事って何ですか?」
やはり気になる。
「うん。その件を一番話したかったんだ。僕で良かったら、お付き合いして欲しい。僕はアルフレッドみたいにポイ捨てはしない。信じて欲しい」
オスカル王子殿下の顔は真剣でした。
私は迷わず首を縦に振りました。
「オスカル王子殿下。ありがとうございます」
そして、料理が運ばれてきた。
今日は生憎の雨。
私はお気に入りのピンクの傘を持ってきました。
前回はオスカル王子殿下のおごりでしたが、今回は私がきちんと自分の分は支払わないと。
高そうなお店だったのでお金(ソト)を多めに持ってきました。
そして、広場のライオンの像の前で会う約束をしていた。
まさか今日も厄介事に巻き込まれていなければ良いけれど……。
前回の事で少し気になっていました。
ふと、見上げるとネイビーの傘を持った長身の人が目の前に現れた。
傘で顔が見えないけれど、私は即オスカル王子殿下だとわかりました。
「カトリーヌ!」
やはりオスカル王子殿下でした。
「オスカル王子殿下!」
「カトリーヌ、会いたかった」
「私もです」
カリーナには申し訳無いな、と思いながら私はオスカル王子殿下との二人きりのひとときを楽しむ事にしました。
「さあ、この前のお店に行くよ」
「はい♪」
『はい』の言葉の後に音符マークがつく位ウキウキしていました。
「オスカル王子殿下」
「何だい?」
「今回はきちんと私がお代支払います」
するとオスカル王子殿下は
「いいんだ。これは僕からの好意なんだ。それに、聞きたい話があるから呼び出しただけだ」
と譲らない。
「いえ、それでも……」
オスカルが遮った。
「いや、いいんだ。僕がカトリーヌを呼び出した張本人。おごるのは当然だよ」
私は釈然としないまま途方に暮れました。
「いや。いいんだ。きみは男爵令嬢だ。ここは王族の僕に任せておきなさい」
確かにあのお店は男爵のような下級貴族の行くお店には思えない。
しかし、だからといってご馳走になるのはあまりにも……。
「私は自分で支払うために、お金(ソト)を沢山持ってきたんです」
しかし、オスカルは首を依然縦に振ろうとしません。
「それだけお金(ソト)を沢山持ってきたのか。そうだな。精々帰りに追い剥ぎに合わない事だな」
「違いますって!」
「残念だけど、僕に支払わせて頂くよ。だって、あそこのレストランの支配人は母方の親戚だからね」
私は何も言えなくなってしまいました。
親戚の付き合いというなら、私が割って入っていくスペースは無いのだから。
「僕を立ててくれる?」
そこまで言われてしまえば、私が折れるしかないわ。
「はい、わかりました」
そう言うとオスカル王子殿下に笑顔が戻ってきました。
チャリーン。
お店に着きました。
店の名前は
『フラミンゴ』でした。
なるほど!
私は前回来た時は「豪華なお店だな」と思っていて、店の名前など気にする余裕がありませんでした。
今日初めてお店の名前を知りました。
すると、メイドが厨房の中からやってきた。
「オスカル・アレクサンダー・フランソワです」
「オスカル王子殿下がお見えですよ。お連れ様1人!」
とメイドが厨房の中に向かって言った。
「では、こちらへどうぞ」
今度は窓側の2人席だった。
「ではメニュー表をどうぞ」
私はメイドからメニュー表を受け取りました。
前回はランプステーキたのんんだ頼んんだだっけ?
今回は……………………。
どうしようかな?
悩むなぁ。
高校時代、よくファミレスで頼んでいたロースステーキにしようかな?
「決まったわ!」
「どれにするの?」
「ロースステーキ!」
「じゃあ決まりだね!」
と言ってオスカルはメイドを呼んだ。
「僕がしんしんのステーキで彼女がロースステーキです。以上です」
メイドは復唱した。
そして厨房の中へと入っていった。
「で、話したい事って何なのですか?」
「それはね……1つ目。クライン公爵夫人、ルイーズってきみの従姉妹だったよね?」
「そうですが……」
「クライン公爵家。聞いた話によると、クライン公爵家に借金があるって本当か?」
全然知らなかった。
「借金……ですか?」
「僕の推測だとアルフレッドの事だ。カジノでも行って借金作ったんだろう、と?」
カジノ?
「心当たり無いかい?」
カジノかぁ。
そう言えば、理由も無く家を留守にする事が多かった記憶があります。
私はてっきり女と密会しているものだと思っていました。
今考えると、それがギャンブルだったとは!?
「貴族でギャンブルをやる事は禁止では無いけれど、節度を持ってやって欲しいものだね」
「そう言えば、無言で出掛けて行って、夜遅くまで帰って来ない事もありました」
「やっぱり。行き先はやっぱりカジノだな?」
「よくわかりませんが……」
でも、あの臆病者のアルフレッドがギャンブルに手を染めるとは到底思えなかった。
「アルフレッドがまさかギャンブルするなんて。俄には信じられません」
「僕もそう思う」
学園時代、魔法の授業で低級魔法を見ただけで怯えていたあのアルフレッド。
そのアルフレッドがどうしてギャンブルなどできようか。
「やはり、ギャンブルは本物のようだな? 借金は貴族としてはあるまじき姿。このまま行けば爵位剥奪になる可能性もあるな」
「爵位剥奪……ですか」
「当然だよ」
と言ってオスカルはため息をついた。
「やっぱりきみはアルフレッドに婚約破棄をされて良かったんだ」
考えてみればその通り。
これを塞翁が馬と言うのでしょう。
「それと、もう一つ話したい事って何ですか?」
やはり気になる。
「うん。その件を一番話したかったんだ。僕で良かったら、お付き合いして欲しい。僕はアルフレッドみたいにポイ捨てはしない。信じて欲しい」
オスカル王子殿下の顔は真剣でした。
私は迷わず首を縦に振りました。
「オスカル王子殿下。ありがとうございます」
そして、料理が運ばれてきた。
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