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第七話
しおりを挟むあれから三日経った。
テオも、マーサもまだ戻っていない。
今日は体調が悪いから、とセバスチャンに伝えベッドに潜り込む。
胸がじくじくと痛む。
アルフレッド王子の前に立ちはだかってくれたとき、テオのことをかっこいいと思ってしまった。
いつも一緒にいてくれたテオがいないだけでこんなに寂しいなんて知らなかった。
テオに好きって言われたとき、なにがなんだかよくわかっていなかっただけで、自分もテオのことが好きなんだと、気付いてしまった。
テオにキスされるのが嫌じゃないのも、テオが離れて寂しいのも、テオが好きだから。
自覚をすると、一日一日がやけに長く感じる。
一人にしないでよ。
はやく帰ってきて、テオ……。
いつの間にか眠ってしまったみたいで、夢の中でテオに頭を撫でられているような気がした。
目を覚ますと、テオがベットの傍に控えていた。
「てお……?」
「ただいま戻りました、リアン様」
「……おそい」
「すみません、リアン様」
「テオ、こっちきて」
近づいてきたテオをぐっと引き寄せくちびるにキスをする。
子ども同士がするみたいなキスで、一瞬で離れていく。
テオが目を見開いてびっくりしているから、思わずクスクスと笑う。
「リアン様……?」
「テオ、好きだよ。王子から守ってくれてありがとう」
「リ、リアン様……本当ですか?」
いつと冷静で淡々としているテオが珍しく狼狽えている。
「本当だよ。テオ、大好き」
「ああ、リアン様……私もです」
テオが啄むようにキスをしてくる。
俺は流されるままテオを受け入れた。
「リアン様、愛しています。どうか一生お傍に……」
「ふふ、離れないでね、テオ」
何度もテオとくちづけをする。
その度に心がふわふわと浮いていくように軽くなった。
キスが深くなるたびに、期待をするように身体が震えてしまう。
「リアン様……」
テオが覆いかぶさってきて、ベッドに深く沈む。
宝物に触れるような手つきで俺に触れるテオが愛おしくてしょうがない。
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