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第八話
気怠い雰囲気の朝、俺はテオに抱きしめられながら目を覚ました。
シーツはすっかり整えられており、俺もちゃんと寝巻きを着ている。寝ている間にテオが着せてくれたんだろう。
「リアン様、おはようございます。痛いところはありませんか?」
「ん、……ない」
俺が泣いて「はやく挿れてえ」と言っても中々挿れずに散々焦らした男はどこのどいつだ!
ちょっと気恥ずかしくて、テオの鼻を摘んだ。
「かわいい、リアン様……好きです。大好きです。愛してます」
「ふふ、俺もだよ」
目が合うとまたくちづけをされて、お腹の奥がきゅんきゅんしてしまう。朝からこれ以上は……!
「テオ、エッチしたくなるからもうだめ……」
「はあ、リアン様がエロ可愛くて私ももう駄目です」
「もー! キリッとした顔でなに言ってるの!」
真面目な顔で言うから思わず笑ってしまう。
散々昨日咥え込まされたテオのものがまた熱を持ってきている気がして、なんとかベッドから抜け出した。
これ以上俺のお尻を酷使したら大変なことになってしまう! テオは残念そうな声を出していた。
「そういえば王子はどうなったの?」
朝の支度をしつつテオに問いかけた。
「リアン様がその話をすると私は嫉妬で狂いそうになります」
「もー! 急にどうしたの!」
「急ではありません。いつも嫉妬の炎に身を焼かれそうでしたよ」
なんだかテオの瞳にぐっと影が差したように見えた。
「俺にはテオしかいないから!」
「ふふ、ありがとうございます。私もリアン様だけです。あの方は廃嫡をされ、市井で暮らすことになりました。リアン様は血生臭いことはお嫌いでしょう」
「うん、もし死罪とかになってたらなんか後味悪いし……」
「リアン様がそんな事思う必要などありません。だからリアン様はもう二度と思い出さなくて良いのですよ」
「……それはテオが嫉妬しちゃうから?」
「わかりました?」
「わかるよ! もうこの話はしないから」
「リアン様はお優しい……愛してます」
嫉妬するところも可愛いなんて思っちゃうから、俺もだいぶテオに惚れ込んでいる。
父様も俺のことが大好きで強く出れないから、きっと俺がテオと結婚したいといえば許してくれるだろう。
よくわからないまま悪役令息に転生して、好きでもない男に婚約破棄されるつまらない人生を楽しく生きれたのは、傍にテオが居てくれたからだと思う。
「テオ、だいすき!」
(了)
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