小さな貴族は色々最強!?

谷 優

文字の大きさ
43 / 69

43話

しおりを挟む
   「お兄様~エリス~。見てみて!いっぱい花びら掴めたぁ!」
 
 ウィリアムは、みんなのいるところに駆け寄り、手いっぱいの花びらを見せた。

    「本当だ。ウィリアムは、すごいね。」

ルーカスは、傍に寄りウィリアムの頭を撫でた。ウィリアムは、ルーカスに上目遣いをし満面な笑みを見せた。

    「日が沈む前に、薬草散策に行った方がいいね。そろそろ出発した方がいいんじゃないかな。」

    「確かに!今すぐ行きたいです!」

    「そうですね。森では、暗くなると危険ですので明るいうちに取り組んだ方がいいですね。」

    「私達も一緒に行こうか。」

    「そうね。」

侯爵と侯爵夫人も一緒に行こうと立ち上がろうとした。「お二方は、ここにいてください。せっかく思い出の場所に来れたのですから。」と、気を遣ってここにいるように促した。

    「でも……。」

2人の息子を心配して、侯爵夫人は迷っていた。

    「私達もついて行きます。」

前に出てきたのはウィリアムの護衛騎士、サイラス、ベリル、アルノであった。その次に、ルーカスの護衛ガフェインも前へ出た。

  みんな着いてきてくれるなんて、嬉しいなぁ。みんなにも薬草集めるの手伝って貰おうっと。

    「みなの厚意を有難く受け取ろう。」

侯爵は、そっと手を触れた。

    「えぇ、そうね。この方達が守ってくれるというのなら安心だわ。二人とも怪我をしないようにするのよ。」

    「はーい。」
    「はい。」

二人は、軽く返事をした。

    「暗くなってきたら怖い魔獣さんや、こわーい動物がうろついているから食べられちゃうから、日が沈む前に戻ってくるのよ。」

    「えぇー!怖いですぅ。」

    「大丈夫だよ、お兄様がビシッパシッってウィルを守ってあげるから。」

    「頼もしいです、お兄様ぁ。」

ウィリアムは、ルーカスの頼もしさに惚れ惚れしていた。



    「じゃあ、いってきまーす!」

    「行ってらっしゃい。」

ウィリアム一行は、薬草が生えている地点まで地図を持ち徒歩で向かって行った。

  石とか木の根っこが多くて、歩きづらいなぁ。うっかり転んじゃいそう。サイラスと、手を繋いで歩こうかな。

   ウィリアムは、転んでも助けてくれそうな体格のがっちりとしたサイラスと手を繋いだ。

   (うわぁ、感動。ウィリアム様から手を繋いで下さった。こんなに小さいお手で、私の手を……。上から見ると頬がぷくっと膨らんでいて本当に可愛い。愛くるしい!)

サイラスは、後ろから背筋の凍るような圧を感じた。
おそるおそる背後を確認すると、にこやかな笑顔でこちらを凝視しているルーカスがいた。

   (ち、違うんです。可愛いウィリアム様から手を差し出してくれたんです。自分からじゃないんです。)

"僕のウィリアムなのに"と言わんばかりの顔をしている。そのまま、ウィリアムは二人の心のなかでのやり取りに気づかず、目的地まで歩いて行った。


    「着いたぁ!」

目の前に広がる光景には、生い茂る木の中、薬草が生えいる部分だけを縁取るように木々が囲んでいた。周りの木々も、赤い実が実っており高いところはサイラスに肩車をしてもらい自分でも、採取し、ベリルとアルノにも頼んで取ってもらった。



しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…

ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。 一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。 そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。 読んでいただけると嬉しいです。

落ちこぼれ公爵令息の真実

三木谷夜宵
ファンタジー
ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。 設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。 投稿している他の作品との関連はありません。 カクヨムにも公開しています。

子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。

さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。 忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。 「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」 気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、 「信じられない!離縁よ!離縁!」 深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。 結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?

モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】

いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。 陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々 だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い 何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ

【完結】徒花の王妃

つくも茄子
ファンタジー
その日、王妃は王都を去った。 何故か勝手についてきた宰相と共に。今は亡き、王国の最後の王女。そして今また滅びゆく国の最後の王妃となった彼女の胸の内は誰にも分からない。亡命した先で名前と身分を変えたテレジア王女。テレサとなった彼女を知る数少ない宰相。国のために生きた王妃の物語が今始まる。 「婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?」の王妃の物語。単体で読めます。

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

公爵令息様を治療したらいつの間にか溺愛されていました

Karamimi
恋愛
マーケッヒ王国は魔法大国。そんなマーケッヒ王国の伯爵令嬢セリーナは、14歳という若さで、治癒師として働いている。それもこれも莫大な借金を返済し、幼い弟妹に十分な教育を受けさせるためだ。 そんなセリーナの元を訪ねて来たのはなんと、貴族界でも3本の指に入る程の大貴族、ファーレソン公爵だ。話を聞けば、15歳になる息子、ルークがずっと難病に苦しんでおり、どんなに優秀な治癒師に診てもらっても、一向に良くならないらしい。 それどころか、どんどん悪化していくとの事。そんな中、セリーナの評判を聞きつけ、藁をもすがる思いでセリーナの元にやって来たとの事。 必死に頼み込む公爵を見て、出来る事はやってみよう、そう思ったセリーナは、早速公爵家で治療を始めるのだが… 正義感が強く努力家のセリーナと、病気のせいで心が歪んでしまった公爵令息ルークの恋のお話です。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

処理中です...