公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優

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107話

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    「ステラとフィーネにも会いたいし、噴水に行ってみようかな。」

  行くとしたら、今しかないよね。使用人も周りにいないし、お父様も会議に参加していて丁度いないから。

   お父様、ちょっと私が歩こうとするとすぐに抱っこしたり、近くの物を取ろうとしても、お父様がすぐに取って私に渡すから、本当に歩いてないんだよね。ありがたいけど、ちょっぴり緊張する。

監視してくるお父様いないから、今しかない!

私も、散歩がてら噴水に向かってみよう。

 ベッドから足を降ろし、洋服に着替えて、外に出掛けてもおかしくないような格好に支度した。

   「…この前リアムがお見舞いに来てくれたんだけどな。リアムと一緒に居たのなら、ステラが来てもおかしくなったんだけど、来なかったってことは、噴水のところにいないのか、それとも私に会いたくないのか」

   会いたい。 会って、お礼を言いたいな。ステラとフィーネがいなかったららお姉様を助けることは絶対に不可能だった。それに、私も…。

  周りに人が居ないことを確認すると、私は勢いをつけて外への扉を開き、噴水に続く道を駆けて行った。

   周りの人に見つからないように、確認しながら向かった。やっぱりお金持ちの庭だから相当距離が長い。私が転生者だと自覚してから、ここにあるものすべてが高価なものに見えてくる。多分、実際に高価なものなんだろうけど。

 「イメージを鮮明にしろ」

すると、噴水付近から声が聞こえた。気になり、声のする方を葉の隙間から覗いた。

   「もっとイメージを高めろ。威力が弱い!もっと魔力を凝縮させろっ!」

    「__ふんっ!」  

 水しぶきが風に乗って舞い、太陽の光で煌めいている。きれいな噴水の前で鍛錬している2人の姿があった。

  噴水の前の開けているスペースで何やら話していたのは、ステラとリアムであった。
 ただ話しているのではなく、指導をしている感じ。それも剣術ではなく魔術の。

ステラは、リアムに魔法の稽古をつけているのかな?リアムは、魔術士よりも剣士になる方が向いている。それなのに、魔法も鍛錬しているのか。

  二人の鍛錬が終わるまで、ここで待っている方が良さそう。邪魔をしたら悪いし。それでも、見たん感じステラが元気そうで良かった。あれ以来、ステラに会ってなかったから。

  私は、葉が生い茂ってる所へ移動し隙間から、こっそり二人の様子を眺めていた。リアムってやっぱり改めて見ると、結構努力家なんだよね。小説の時もそうだったけど、常に芯をもって剣を振っていた。見た目からは想像できない、民を大切に思っているところ、努力しているところも。

   本当に、目標を持って努力する人は輝いている__

    『…ここで何をしているんだ?』

   「わぁっ!」

私は驚き尻もちをついた。振り返ると背後には、フィーネが不思議そうな顔をし、私の声に驚いたようで目をパチクリさせている。

   「フィーネ…びっくりしたぁ」
   
   「私も、ティアナの声には驚いた」

  こっちは隠れてたつもりだったから、耳元で囁かれて大きな声を出しちゃった。
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