365 / 384
第10章 レイコさんは自重しない
第10章第028話 鉄道説明会 その5 赤竜神と信仰
しおりを挟む
第10章第028話 鉄道説明会 その5 赤竜神と信仰
Side:ツキシマ・レイコ
戦争を起こさずに文明を発展させること。
選んだ手段は、経済関係でがんじがらめして戦争を起こせなくなすること。…私が考えたことというよりは、アイズン伯爵の路線そのままなんですけどね。
「発言を。…赤竜神の巫女に一つお聞きしたい。この大陸…世界はなぜ作られたのでしょうか? 赤竜神様の目的…そのようなものはあるのですか?」
ゴルゲッドに、大きめの赤竜教のロゼットをつけているご老体。聖職者に近しい人っぽいですね。建国の経緯からして、教会に関係の深い国は多いです。
赤竜神が、生き物が住めなかったこの惑星を整えて、人を降ろしたのは事実ですが。誰が伝えたかは不明ですが、赤竜神がこの世界を"作った"という話は、東の帝国以前からの"常識"のようです。
再度、リシャーフさんをちらっと見ます。リシャーフさんには、この辺のことも一通り話してはありますが。
目が合ったリシャーフさんが軽くうなずきます。これも特に問題は…ないのかな?
「赤竜神…というより。宇宙に、星の世界に数多に散らばっていった赤竜神の同胞、メンター達の目的は…神を探すことです」
「赤竜神様がその"神"ではないのですか? しかも"達"とは、お一人ではないと?」
「星の海で。たくさんのメンター達と、おそらく赤竜神自身もたくさん、この世界と同じようなことをしています」
百どころではないでしょぅ。千か万か億か。太陽と同じ程度の星には全部手がつけられていても驚きません。
「赤竜神がやってきたことは、神に等しいことでしょう。ただ、彼らはさらに上位の存在がいると信じています」
賭けている…と言った方が正しいかもしれないけど。
スケールがでかすぎて世迷い言…と取られるかと思いましたが。質問してくれたおじいさん、真剣に聞いてくれています。
「三千万年どころではない、何百億年先、はたまた何兆年先。想像も出来ないような未来の果てに。それでも私たち、メンターだけではなく、この世に存在した遍くを、確かに存在したという証しを残すため…かな。半分くらい私の想像だけど。赤竜神達からだけではなく、人間の中からいつかその高みにたどり着ける者が出てくるのではないか…そんな期待をして、この事業を続けています。赤竜神達のためだけではなく、この世界に生きる…生まれた遍く…ですね」
不老不死の存在であるが故に。自分たちと、自分たちを生み出した人類が、この宇宙と一緒に消滅…無意味化するのを恐れている…と言えるでしょう。メンター達の根源的恐怖と言えます。
そのために、物理法則を超えた側にいる"らしい"存在にコンタクトしたい。それが目的。
「発言を。最後です」
ご老体。右手をゴルゲットの赤竜教のロゼットに当てて。神妙な面持ちで聞いてきます。
「…人の魂というものは存在するのでしょうか? あの世は、魂の行き着く先はあるのでしょうか?」
宗教の根幹にかかわることです。それを私に聞いてしまいます。
「私にはわからない…と応えておきます。ただ私は、三千万年前に死んだ私が…父や母と、どこかで一緒に安らぎを得ている…そう信じています」
そしてカイヤさん。…バッセンベルで連座で殺された母子も。
死ぬのが怖い…という話もあるでしょうが。おそらく宗教の根源は…大切だった人が、どこかで安寧を得ていることを、願うことなんだと思っています。
「…ありがとうございます、赤竜神の巫女様」
理解した、というよりは。飲み込んだ…というところですか。ここにいる人でどの程度の人が納得…ピンときたのか。
リシャーフさんはこれで納得してくれました。彼女は良くも悪くも"俗"を理解していますからね。結局のところ、信じるしかできることはないのです。
鉄道説明会の趣旨からは大分外れました。なんか、戦争のあり方から宗教談義みたいになってしましましたが。
私がこういう場に出るのは初めてですからね。こういう展開も予想はしていました。
まぁ、赤竜神の巫女がここに実在するのですから、一度聞いてみたいとは思ったのかもしれませんけど。
信仰対象が実在するという宗教の危うさ。その辺が今日ここに具現化している様に思います。
さて。小休憩の後、説明会は具体的な路線の敷設ルート候補の説明に移りました。むしろ本題はこちらでしょうに。
参加している国の王都や領都を通る計画の大まかな説明です。この線がそのまま、国益に繋がりますからね。
従来の街道は鉄道によって重要度が下がりますが。代わりに、鉄道の拠点から伸びる街道が重要になります。再編が必要です。
国領として何を売るのか、何を買うのか。穀倉地帯の開発や人の移動に、新しい街。参加している人達の頭の中はフル回転でしょうね。
もう一つが資源についてです。
正教国の持つ資料によると、鉄鉱石と石炭の取れる国領がいくつかあります。
正直、今回の鉄道敷設をユルガルム産だけでまかなうのには無理があります。もう資源はあるだけ開発をしたいところです。
今までは、ユルガルム以外では正教国の鉄生産が一番多かったですが、それでも今のユルガルムに比べるとかなり少ないですし。周辺国も、自領で鉱山と製鉄に投資するくらいなら、正教国から買った方が安いだろ…という感覚で。あまり非貴金属類の鉱山開発には積極的ではなかったのですが。
これからは鉄とか他の金属の鉱山も重要でして。鉄道敷設ルートの選定も、も資源輸送はキーになります。
優先的鉄道敷設と、鉱山の開発に製鉄所の建築に、これらに対する投資。資源持ちの国領は勝ち組国ですね。
周辺国にも、出稼ぎなどでの労働者支援、食料の輸出。原料をかっての加工工業など、十分メリットがある…という方向で話を進めていきます。
これ、もし今回の会議がなかったら、鉱山を巡っての侵略すら起きていた可能性があります。
正教国周辺の輸送ギルドも忙しくなります。キャラバンルートの再編が必要で。キャラバンを有する商会との調節も必要ですし。街道の整備…鉄道の拠点から周辺地域への輸送手段も再検討が必要です。
とりあえず。五年単位で区切って、各種開発をしていく。各国領に連絡事務所を開設する。そのための会議を定期的に開催する。こんな感じでまとりました。
大量の文官が投入されることになるでしょうし。ネイルコードへの留学も増えるでしょう。
今のところ希望的な未来が広がっている…といっていいところですかね?
自国への利益誘導を第一に考える…まぁそれがここに来た人達のお仕事なので、それが悪いとは言いませんけど。
さっきまで宗教的な話で神妙な雰囲気になったのですが。具体的な話が出てくると俗物的にごねる国が出てくるわけで。
「我がシーズンを通れなければ、トゥワオン国より先には鉄道が繋がらないだろう? つまり、我が国より西の発展には我が国の土地が必要と言うことだ。ならば我が国の負担金をこれらの国と領が背負うのは当然だろう?」
「我が国もだ。リシャイマ国の土地が無ければ、山地が邪魔でバンシクル国には繋がるまい。ならば、我が国の鉄道敷設はバンシクルが負担すべきだ」
はい。具体的敷設ルートと予想される費用についての話を始めた途端これですよ。
地図上では、山地や海で隔たれて、特定の国を通らないと正教国まで通せない…という立地の国がいくつかあります。ただまぁ。ごねる国は事前の根回し行脚時に想定されていたので。対策も検討済みです。
シーズン国とトゥワオン国は知らない国ですが。リシャイマ国は、港で船寄越せって言ってきた国ですね。バンシクル国…カーラさんのメガネを欲しがった大使の国ですか。隣国だったんですね。
バンシクル国は香辛料が豊富ですし。さらに南西の開発には欠かせない立地です。鉄道は是非通したいところですが。
「大地図をお願いします」
正教国の文官が。三メートル四方くらいの地図…まぁ大体の陸地の形に山地と川、それに各国領を記したものですが。板に貼られたそれを立てて、会場から見えるように配置します。
説明するのは、ネイルコードの技師さんです。
問題の国の部分には。街道や川に加えて。周囲の山地について追加で描き込みがされています。
南北の山地に挟まれたトゥワオン国。シーズン国を通れなければ、東の正教国に至れませんが。
「まずここ、トゥワオン国の南にあるオダワール領ですか、山地で隔たれています。ただこの領境の山地には、シーズン国を通らずにトゥワオン国にいける街道がありますね」
「発言を。かろうじて通れるというのが正確です。しかし山中を通るために細く、馬車ではなく馬がやっとという感じなのですが」
オダワール領の出席者が、説明します。なるほどトゥワオン国、長野の様な山地で、一応周囲への街道はありますが、東西以外は全部山地が隔てています。
「正教国側で、昔に測量した地図が残っていました。これを検討するにこのあたり。数百メートルほどに渡り、山を崩して谷を埋めて…川をせき止めないように工事する必要がありますが。それでなんとかここに鉄道を通せそうですね。ネイルコードではタシニという場所で山地超えの工事をすでにしているのですが。それよりちょっと大変程度でいけそうです」
ちょっと大変…とは言え。要は私がレイコ・バスターで工事すればという前提ですけど。
「では。山を崩す工事は私が請け負いますよ。得意分野です。」
ニコニコと発言します。
「なっ…ちょっ…ちょっとおまちを…」
シーズン国の人が慌てています。迂回が可能なら、ごねることは出来なくなりますからね。
「でもってリシャイマ国とバンシクル国ですか。どうです?行けますでしょうか?カステラード殿下」
「レイコ殿が欲していた、南西地方のスパイスやら…カレーにバニラだっけ? 領未満の産地が点在していているから、どのみち船による交易は必須だったんだよ。ネイルコード、正教国、バンシクルに航路を設定し、鉄道分の輸送はネイルコードが海運を請け負う。バンシクル国には、さらに西への開発の拠点として協力していただきたい」
「ちょっとまて!それでは我が国の鉄道はどうなるっ?」
「負担は平等に、線路が通る国々で負担する。ゴネ得は拒否します」
シーズン国は、結局は折れましたが。ここまで来ても、リシャイマ国の方は保留です。…会議に出席しているのは名代か文官さんかな? 保留と言うより決定権がない感じですが。
分担金を少しでも減らしたいようですね。ネイルコードとしては、バンシクルへ鉄道は是非とも敷きたいですが。しばらくは海運での行けるのも確かです。
いつまでごねられますかね、リシャイマ国。
Side:ツキシマ・レイコ
戦争を起こさずに文明を発展させること。
選んだ手段は、経済関係でがんじがらめして戦争を起こせなくなすること。…私が考えたことというよりは、アイズン伯爵の路線そのままなんですけどね。
「発言を。…赤竜神の巫女に一つお聞きしたい。この大陸…世界はなぜ作られたのでしょうか? 赤竜神様の目的…そのようなものはあるのですか?」
ゴルゲッドに、大きめの赤竜教のロゼットをつけているご老体。聖職者に近しい人っぽいですね。建国の経緯からして、教会に関係の深い国は多いです。
赤竜神が、生き物が住めなかったこの惑星を整えて、人を降ろしたのは事実ですが。誰が伝えたかは不明ですが、赤竜神がこの世界を"作った"という話は、東の帝国以前からの"常識"のようです。
再度、リシャーフさんをちらっと見ます。リシャーフさんには、この辺のことも一通り話してはありますが。
目が合ったリシャーフさんが軽くうなずきます。これも特に問題は…ないのかな?
「赤竜神…というより。宇宙に、星の世界に数多に散らばっていった赤竜神の同胞、メンター達の目的は…神を探すことです」
「赤竜神様がその"神"ではないのですか? しかも"達"とは、お一人ではないと?」
「星の海で。たくさんのメンター達と、おそらく赤竜神自身もたくさん、この世界と同じようなことをしています」
百どころではないでしょぅ。千か万か億か。太陽と同じ程度の星には全部手がつけられていても驚きません。
「赤竜神がやってきたことは、神に等しいことでしょう。ただ、彼らはさらに上位の存在がいると信じています」
賭けている…と言った方が正しいかもしれないけど。
スケールがでかすぎて世迷い言…と取られるかと思いましたが。質問してくれたおじいさん、真剣に聞いてくれています。
「三千万年どころではない、何百億年先、はたまた何兆年先。想像も出来ないような未来の果てに。それでも私たち、メンターだけではなく、この世に存在した遍くを、確かに存在したという証しを残すため…かな。半分くらい私の想像だけど。赤竜神達からだけではなく、人間の中からいつかその高みにたどり着ける者が出てくるのではないか…そんな期待をして、この事業を続けています。赤竜神達のためだけではなく、この世界に生きる…生まれた遍く…ですね」
不老不死の存在であるが故に。自分たちと、自分たちを生み出した人類が、この宇宙と一緒に消滅…無意味化するのを恐れている…と言えるでしょう。メンター達の根源的恐怖と言えます。
そのために、物理法則を超えた側にいる"らしい"存在にコンタクトしたい。それが目的。
「発言を。最後です」
ご老体。右手をゴルゲットの赤竜教のロゼットに当てて。神妙な面持ちで聞いてきます。
「…人の魂というものは存在するのでしょうか? あの世は、魂の行き着く先はあるのでしょうか?」
宗教の根幹にかかわることです。それを私に聞いてしまいます。
「私にはわからない…と応えておきます。ただ私は、三千万年前に死んだ私が…父や母と、どこかで一緒に安らぎを得ている…そう信じています」
そしてカイヤさん。…バッセンベルで連座で殺された母子も。
死ぬのが怖い…という話もあるでしょうが。おそらく宗教の根源は…大切だった人が、どこかで安寧を得ていることを、願うことなんだと思っています。
「…ありがとうございます、赤竜神の巫女様」
理解した、というよりは。飲み込んだ…というところですか。ここにいる人でどの程度の人が納得…ピンときたのか。
リシャーフさんはこれで納得してくれました。彼女は良くも悪くも"俗"を理解していますからね。結局のところ、信じるしかできることはないのです。
鉄道説明会の趣旨からは大分外れました。なんか、戦争のあり方から宗教談義みたいになってしましましたが。
私がこういう場に出るのは初めてですからね。こういう展開も予想はしていました。
まぁ、赤竜神の巫女がここに実在するのですから、一度聞いてみたいとは思ったのかもしれませんけど。
信仰対象が実在するという宗教の危うさ。その辺が今日ここに具現化している様に思います。
さて。小休憩の後、説明会は具体的な路線の敷設ルート候補の説明に移りました。むしろ本題はこちらでしょうに。
参加している国の王都や領都を通る計画の大まかな説明です。この線がそのまま、国益に繋がりますからね。
従来の街道は鉄道によって重要度が下がりますが。代わりに、鉄道の拠点から伸びる街道が重要になります。再編が必要です。
国領として何を売るのか、何を買うのか。穀倉地帯の開発や人の移動に、新しい街。参加している人達の頭の中はフル回転でしょうね。
もう一つが資源についてです。
正教国の持つ資料によると、鉄鉱石と石炭の取れる国領がいくつかあります。
正直、今回の鉄道敷設をユルガルム産だけでまかなうのには無理があります。もう資源はあるだけ開発をしたいところです。
今までは、ユルガルム以外では正教国の鉄生産が一番多かったですが、それでも今のユルガルムに比べるとかなり少ないですし。周辺国も、自領で鉱山と製鉄に投資するくらいなら、正教国から買った方が安いだろ…という感覚で。あまり非貴金属類の鉱山開発には積極的ではなかったのですが。
これからは鉄とか他の金属の鉱山も重要でして。鉄道敷設ルートの選定も、も資源輸送はキーになります。
優先的鉄道敷設と、鉱山の開発に製鉄所の建築に、これらに対する投資。資源持ちの国領は勝ち組国ですね。
周辺国にも、出稼ぎなどでの労働者支援、食料の輸出。原料をかっての加工工業など、十分メリットがある…という方向で話を進めていきます。
これ、もし今回の会議がなかったら、鉱山を巡っての侵略すら起きていた可能性があります。
正教国周辺の輸送ギルドも忙しくなります。キャラバンルートの再編が必要で。キャラバンを有する商会との調節も必要ですし。街道の整備…鉄道の拠点から周辺地域への輸送手段も再検討が必要です。
とりあえず。五年単位で区切って、各種開発をしていく。各国領に連絡事務所を開設する。そのための会議を定期的に開催する。こんな感じでまとりました。
大量の文官が投入されることになるでしょうし。ネイルコードへの留学も増えるでしょう。
今のところ希望的な未来が広がっている…といっていいところですかね?
自国への利益誘導を第一に考える…まぁそれがここに来た人達のお仕事なので、それが悪いとは言いませんけど。
さっきまで宗教的な話で神妙な雰囲気になったのですが。具体的な話が出てくると俗物的にごねる国が出てくるわけで。
「我がシーズンを通れなければ、トゥワオン国より先には鉄道が繋がらないだろう? つまり、我が国より西の発展には我が国の土地が必要と言うことだ。ならば我が国の負担金をこれらの国と領が背負うのは当然だろう?」
「我が国もだ。リシャイマ国の土地が無ければ、山地が邪魔でバンシクル国には繋がるまい。ならば、我が国の鉄道敷設はバンシクルが負担すべきだ」
はい。具体的敷設ルートと予想される費用についての話を始めた途端これですよ。
地図上では、山地や海で隔たれて、特定の国を通らないと正教国まで通せない…という立地の国がいくつかあります。ただまぁ。ごねる国は事前の根回し行脚時に想定されていたので。対策も検討済みです。
シーズン国とトゥワオン国は知らない国ですが。リシャイマ国は、港で船寄越せって言ってきた国ですね。バンシクル国…カーラさんのメガネを欲しがった大使の国ですか。隣国だったんですね。
バンシクル国は香辛料が豊富ですし。さらに南西の開発には欠かせない立地です。鉄道は是非通したいところですが。
「大地図をお願いします」
正教国の文官が。三メートル四方くらいの地図…まぁ大体の陸地の形に山地と川、それに各国領を記したものですが。板に貼られたそれを立てて、会場から見えるように配置します。
説明するのは、ネイルコードの技師さんです。
問題の国の部分には。街道や川に加えて。周囲の山地について追加で描き込みがされています。
南北の山地に挟まれたトゥワオン国。シーズン国を通れなければ、東の正教国に至れませんが。
「まずここ、トゥワオン国の南にあるオダワール領ですか、山地で隔たれています。ただこの領境の山地には、シーズン国を通らずにトゥワオン国にいける街道がありますね」
「発言を。かろうじて通れるというのが正確です。しかし山中を通るために細く、馬車ではなく馬がやっとという感じなのですが」
オダワール領の出席者が、説明します。なるほどトゥワオン国、長野の様な山地で、一応周囲への街道はありますが、東西以外は全部山地が隔てています。
「正教国側で、昔に測量した地図が残っていました。これを検討するにこのあたり。数百メートルほどに渡り、山を崩して谷を埋めて…川をせき止めないように工事する必要がありますが。それでなんとかここに鉄道を通せそうですね。ネイルコードではタシニという場所で山地超えの工事をすでにしているのですが。それよりちょっと大変程度でいけそうです」
ちょっと大変…とは言え。要は私がレイコ・バスターで工事すればという前提ですけど。
「では。山を崩す工事は私が請け負いますよ。得意分野です。」
ニコニコと発言します。
「なっ…ちょっ…ちょっとおまちを…」
シーズン国の人が慌てています。迂回が可能なら、ごねることは出来なくなりますからね。
「でもってリシャイマ国とバンシクル国ですか。どうです?行けますでしょうか?カステラード殿下」
「レイコ殿が欲していた、南西地方のスパイスやら…カレーにバニラだっけ? 領未満の産地が点在していているから、どのみち船による交易は必須だったんだよ。ネイルコード、正教国、バンシクルに航路を設定し、鉄道分の輸送はネイルコードが海運を請け負う。バンシクル国には、さらに西への開発の拠点として協力していただきたい」
「ちょっとまて!それでは我が国の鉄道はどうなるっ?」
「負担は平等に、線路が通る国々で負担する。ゴネ得は拒否します」
シーズン国は、結局は折れましたが。ここまで来ても、リシャイマ国の方は保留です。…会議に出席しているのは名代か文官さんかな? 保留と言うより決定権がない感じですが。
分担金を少しでも減らしたいようですね。ネイルコードとしては、バンシクルへ鉄道は是非とも敷きたいですが。しばらくは海運での行けるのも確かです。
いつまでごねられますかね、リシャイマ国。
34
あなたにおすすめの小説
建国のアルトラ ~魔界の天使 (?)の国造り奮闘譚~
ヒロノF
ファンタジー
死後に転生した魔界にて突然無敵の身体を与えられた地野改(ちの かい)。
その身体は物理的な攻撃に対して金属音がするほど硬く、マグマや高電圧、零度以下の寒さ、猛毒や強酸、腐食ガスにも耐え得る超高スペックの肉体。
その上で与えられたのはイメージ次第で命以外は何でも作り出せるという『創成魔法』という特異な能力。しかし、『イメージ次第で作り出せる』というのが落とし穴! それはイメージ出来なければ作れないのと同義! 生前職人や技師というわけでもなかった彼女には機械など生活を豊かにするものは作ることができない! 中々に持て余す能力だったが、周囲の協力を得つつその力を上手く使って魔界を住み心地良くしようと画策する。
近隣の村を拠点と定め、光の無かった世界に疑似太陽を作り、川を作り、生活基盤を整え、家を建て、魔道具による害獣対策や収穫方法を考案。
更には他国の手を借りて、水道を整備し、銀行・通貨制度を作り、発電施設を作り、村は町へと徐々に発展、ついには大国に国として認められることに!?
何でもできるけど何度も失敗する。
成り行きで居ついてしまったケルベロス、レッドドラゴン、クラーケン、歩く大根もどき、元・書物の自動人形らと共に送る失敗と試行錯誤だらけの魔界ライフ。
様々な物を創り出しては実験実験また実験。果たして住み心地は改善できるのか?
誤字脱字衍字の指摘、矛盾の指摘大歓迎です! 見つけたらご報告ください!
2024/05/02改題しました。旧タイトル
『魔界の天使 (?)アルトラの国造り奮闘譚』
2023/07/22改題しました。旧々タイトル
『天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭な肉体と便利スキル『創成魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~』
この作品は以下の投稿サイトにも掲載しています。
『小説家になろう(https://ncode.syosetu.com/n4480hc/)』
『ノベルバ(https://novelba.com/indies/works/929419)』
『アルファポリス(https://www.alphapolis.co.jp/novel/64078938/329538044)』
『カクヨム(https://kakuyomu.jp/works/16818093076594693131)』
異世界で目が覚めたら目の前で俺が死んでました。この世界でオリジナルの俺はとっくに死んでたみたいです
青山喜太
ファンタジー
主人公桜間トオル17歳は家族との旅行中、車の中ではなく突然なんの脈絡もなく遺跡の中で目が覚めてしまう。
混乱する桜間トオルの目の前にいたのは自分と瓜二つ、服装さえ一緒のもう一人の桜間トオルだった。
もう一人の桜間トオルは全身から出血し血を吐きながら、乞う。
「父さんと、母さん……妹をアカリを頼む……!!」
思わず、頷いた桜間トオルはもう一人の自分の最後を看取った。
その時、見知らぬ声が響く。
「私のことがわかるか? 13人の桜間トオル?」
これはただの高校生である桜間トオルが英雄たちとの戦争に巻き込まれていく物語
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです
桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。
スキル【ファミレス】を使っていたら伝説になりました。
キンモクセイ
ファンタジー
スキル「ファミレス」を手にした。
ハズレスキルかと思い、主人公の思うがまま行動している。
そんな時に1人の少女と出会い、運命が変わる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる