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2章
蛇に睨まれた蛙
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高圧的な態度!これはミズキが最も得意とする交渉術だった。
グレンの『しまった。』という表情をミズキは見逃すはずは無かった。
「グレン!話して、そしてここを通して、女装趣味のほかに、ショタコンの噂!これでもかって言うくらい!流すわよ!!」
その言葉を聞いてグレンの表情は一気に歪んだ。
「・・・あいかわらず・・・おまえは・・・・えげつない事を・・・・」
グレンの頬がピクピクと震えています。
あれ?いつもと様子が違うぞ!!だが、ここで引くわけにはいかない!
「えげつなくても使える物は使うこれが私!今頃気付いた?」
ふふんとミズキは答える。
「それより、聞きたい事がある!いいか?」
グレンは口からは地を這う様な声を出した。
「嫌よ!」とツンとソッポを向いた。
ミズキは若干雰囲気の違グレンに対して戸惑ったが、いつも通りの強気の交渉に徹した。
なにせ重厚な扉の前でグレンが言った一言は、ミズキを扉の向こう側に興味を持たせるには十分だった。
ミズキはグレンを押しのけて、扉の中へと入って行こうとしたが、グレンがそれを止めた。
「なにするのよグレン!どいてよ」
ミズキは扉の前に立ちはだかるグレンを押しのけようとする。
「・・・・・」
だが、グレンはビクともしない。
「チョット良い加減して退いてよ」
グレンの胸を叩く。
「・・・退いたらどうする?」
ミズキを見下ろすグレンの瞳は冷たかった。
「決まって居るでしょう?中へ入って・・・」
「中に入って・・・」
さらに、ぐれんは一字一句吟味するように、ミズキの言葉を問いつめる。
「帰る」
目に一杯の涙を溜めてグレンを睨む。
ーーーーー何故じゃまをするの。
「何処へ・・・帰るって言うんだ」
「家に決まってるでしょう!」
ーーーーー私は帰りたくてしょうがない。
ミズキは叫んだ。
「どんな事をしてもか?」
グレンの顔が険しくなった。
「当たり前でしょう!どんな事をしてもよ」
ーーーーー家族に会いたいの。
溢れる涙を拭きもしないで、ミズキはグレンにつかみ掛かった。
「生贄が13人必要でもか?」
苦虫を潰したようにグレンの顔が歪んだ。
「生贄が・・・・13って・・・何よ?」
グレンの生贄の一言で、ミズキは惚ける様につぶやいた。
グレンを掴んでいた手から力が抜けていき、目の前に力なく座り込んだ。
「やっぱり知らなかったか?」
グレンはホッとした様なため息をついた。
「良かった・・・生贄を使ってでも帰ろうとしなくて・・・お前がそんな女じゃなくて」
座り込んだミズキの目の前にグレンはしゃがんだ。
「・・・グレンは知っていたの?私が、ここではない・・・その・・・あちらの・・・・」
ミズキはチラリとグレンを見上げる。
「あぁ、少し前に知った」
「・・・・そう」
「・・・偶然、陛下の独り言が聞こえて・・・知った」
「・・・・そう・・・ランスロットは、最初から私を帰すつもりは無かったのか・・・・バカね私・・・ずっとランスロットを親友だと思っていたのね・・・ふふふ、ざまぁないわね」と言って立ちあがった。
「陛下は、召喚の儀式を即位してから知ったと言っていた・・・だから」
「・・・・そう、だから何?・・・あぁあそうか、生贄13人では、黙っているわよね普通・・・」
弱弱しく、微笑む。
「グレン!そこどいて、中を見るだけだからお願い」
「・・・わかった・・・少しだけだぞ」
扉をあけようと扉を押したが、びくともしなかった。
「ダメだな、ビクともしない、何かカギがかかっているみたいだ」
何度か試したが、やはり扉はびくともしなかった。
「・・・やっぱりだめだ」
「グレンもういいわ、もういい・・・帰ろう、グレン・・・・」
「そうか、良いのか?この場所は、閉鎖ではなく壊すと言っていたぞ」
「・・・だって、しょうがないじゃない、さすがに13人もの生贄使って、元の世界には戻れないわよ。寝覚めの悪いしね、もう少し違う方法を考えるわ、まだ本当に帰れないと決まった訳ではないわ、頑張るぞ~!」
「さっきまで、泣いていたのに、気持ちの切り替えの早い女だな、お前!!」
「当たり前じゃない、グレン!そしてランスロットに鉄槌を食らわしに行きましょう。ふふふ、楽しみだわ」
「・・・いや、俺は・・・」
「行くの!グレンも!」
「・・・だから・・俺は・・・」
「当然、グレンも一緒に!私から鉄槌を受けるのよ」
「・・・俺も受けるのか?」
「何言っているのよ、あんたも黙っていたんだから同罪よ!グレン」
「・・・・・はい」グレンはうなだれた。
「よろしい」
ニンマリと笑うミズキの恐ろしい事!
グレンは、初めて女って怖いと思った。
不敵な笑顔のミズキに対して、青くなるグレンだった。
そう言ってグレンとミズキは、外へと出て行った。
「驚いたな、氷の貴婦人の正体は異世界人だったとは、それにグレンも知っていたのか?」
一人呟いたのは、西の上級大将のべリアル・ザラだった。
2人の歩いて行くのを眺めていた。
もっと、驚いたのが、グレンが、普通に、いいやあんなに喋っているグレンは見たことが無い。
もちろんこの後、ミズキは本当にグレンだけではなくランスロットも、笑顔で力いっぱい殴った。
「これだけで、許してあげる」と言って。
ランスロットは「心の広い女性で良かったよ」と真っ赤に晴れた頬をさすって苦笑いた。
そしてグレンは、強制的に南の上級大将に任命された。
蛇に睨まれた蛙のように、ミズキに逆らえないグレンだった。
グレンの『しまった。』という表情をミズキは見逃すはずは無かった。
「グレン!話して、そしてここを通して、女装趣味のほかに、ショタコンの噂!これでもかって言うくらい!流すわよ!!」
その言葉を聞いてグレンの表情は一気に歪んだ。
「・・・あいかわらず・・・おまえは・・・・えげつない事を・・・・」
グレンの頬がピクピクと震えています。
あれ?いつもと様子が違うぞ!!だが、ここで引くわけにはいかない!
「えげつなくても使える物は使うこれが私!今頃気付いた?」
ふふんとミズキは答える。
「それより、聞きたい事がある!いいか?」
グレンは口からは地を這う様な声を出した。
「嫌よ!」とツンとソッポを向いた。
ミズキは若干雰囲気の違グレンに対して戸惑ったが、いつも通りの強気の交渉に徹した。
なにせ重厚な扉の前でグレンが言った一言は、ミズキを扉の向こう側に興味を持たせるには十分だった。
ミズキはグレンを押しのけて、扉の中へと入って行こうとしたが、グレンがそれを止めた。
「なにするのよグレン!どいてよ」
ミズキは扉の前に立ちはだかるグレンを押しのけようとする。
「・・・・・」
だが、グレンはビクともしない。
「チョット良い加減して退いてよ」
グレンの胸を叩く。
「・・・退いたらどうする?」
ミズキを見下ろすグレンの瞳は冷たかった。
「決まって居るでしょう?中へ入って・・・」
「中に入って・・・」
さらに、ぐれんは一字一句吟味するように、ミズキの言葉を問いつめる。
「帰る」
目に一杯の涙を溜めてグレンを睨む。
ーーーーー何故じゃまをするの。
「何処へ・・・帰るって言うんだ」
「家に決まってるでしょう!」
ーーーーー私は帰りたくてしょうがない。
ミズキは叫んだ。
「どんな事をしてもか?」
グレンの顔が険しくなった。
「当たり前でしょう!どんな事をしてもよ」
ーーーーー家族に会いたいの。
溢れる涙を拭きもしないで、ミズキはグレンにつかみ掛かった。
「生贄が13人必要でもか?」
苦虫を潰したようにグレンの顔が歪んだ。
「生贄が・・・・13って・・・何よ?」
グレンの生贄の一言で、ミズキは惚ける様につぶやいた。
グレンを掴んでいた手から力が抜けていき、目の前に力なく座り込んだ。
「やっぱり知らなかったか?」
グレンはホッとした様なため息をついた。
「良かった・・・生贄を使ってでも帰ろうとしなくて・・・お前がそんな女じゃなくて」
座り込んだミズキの目の前にグレンはしゃがんだ。
「・・・グレンは知っていたの?私が、ここではない・・・その・・・あちらの・・・・」
ミズキはチラリとグレンを見上げる。
「あぁ、少し前に知った」
「・・・・そう」
「・・・偶然、陛下の独り言が聞こえて・・・知った」
「・・・・そう・・・ランスロットは、最初から私を帰すつもりは無かったのか・・・・バカね私・・・ずっとランスロットを親友だと思っていたのね・・・ふふふ、ざまぁないわね」と言って立ちあがった。
「陛下は、召喚の儀式を即位してから知ったと言っていた・・・だから」
「・・・・そう、だから何?・・・あぁあそうか、生贄13人では、黙っているわよね普通・・・」
弱弱しく、微笑む。
「グレン!そこどいて、中を見るだけだからお願い」
「・・・わかった・・・少しだけだぞ」
扉をあけようと扉を押したが、びくともしなかった。
「ダメだな、ビクともしない、何かカギがかかっているみたいだ」
何度か試したが、やはり扉はびくともしなかった。
「・・・やっぱりだめだ」
「グレンもういいわ、もういい・・・帰ろう、グレン・・・・」
「そうか、良いのか?この場所は、閉鎖ではなく壊すと言っていたぞ」
「・・・だって、しょうがないじゃない、さすがに13人もの生贄使って、元の世界には戻れないわよ。寝覚めの悪いしね、もう少し違う方法を考えるわ、まだ本当に帰れないと決まった訳ではないわ、頑張るぞ~!」
「さっきまで、泣いていたのに、気持ちの切り替えの早い女だな、お前!!」
「当たり前じゃない、グレン!そしてランスロットに鉄槌を食らわしに行きましょう。ふふふ、楽しみだわ」
「・・・いや、俺は・・・」
「行くの!グレンも!」
「・・・だから・・俺は・・・」
「当然、グレンも一緒に!私から鉄槌を受けるのよ」
「・・・俺も受けるのか?」
「何言っているのよ、あんたも黙っていたんだから同罪よ!グレン」
「・・・・・はい」グレンはうなだれた。
「よろしい」
ニンマリと笑うミズキの恐ろしい事!
グレンは、初めて女って怖いと思った。
不敵な笑顔のミズキに対して、青くなるグレンだった。
そう言ってグレンとミズキは、外へと出て行った。
「驚いたな、氷の貴婦人の正体は異世界人だったとは、それにグレンも知っていたのか?」
一人呟いたのは、西の上級大将のべリアル・ザラだった。
2人の歩いて行くのを眺めていた。
もっと、驚いたのが、グレンが、普通に、いいやあんなに喋っているグレンは見たことが無い。
もちろんこの後、ミズキは本当にグレンだけではなくランスロットも、笑顔で力いっぱい殴った。
「これだけで、許してあげる」と言って。
ランスロットは「心の広い女性で良かったよ」と真っ赤に晴れた頬をさすって苦笑いた。
そしてグレンは、強制的に南の上級大将に任命された。
蛇に睨まれた蛙のように、ミズキに逆らえないグレンだった。
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