48 / 83
2章
始まりの場所
しおりを挟む
大っ嫌い!ジェリドさん
もう、嘘が付き通す事が出来なくなった!
どうしよう!
あの目は全てを知っている目だ。
どうしてジェリドさんが!と思う反面、どこまで知っているのだろうか?それとも全てを知っているのだろうか?気になってしまう。
そして私は、ジェリドの全てを見透かすような視線に耐えられなくて逃げ出してしまった。
・・・逃げたって何も変わらないのに、これ以上ジェリドさんの声を聞いたら、全てを話してしまいそうになった。そして、ずっと側にいて欲しいと懇願しそうになった。
それだけは出来ない。
全てを話す訳にはいかない。
どうして、どうして、意地悪ばかりするの?
この5年間の私の苦労を見事にぶち壊そうとするの?
側にいなくても良い、ただ生きてさえいてくれれば良いと思う事の何がいけないと言うの?ジェリドさん!
失いたくは無いの!
こんなにも大切な2人を失いたくは無いのに・・・・。
尋問するジェリドさんなんか大嫌い!大嫌い!大嫌い!!
なんとかしなくちゃいけない。
ランスロットから2人を守るの!ダリル兄さんとジェリドさんには、幸せになって欲しいのに・・・うまくいかない。
ミズキは無我夢中で走っていた。
気がつくと今まで来たことがない場所にたどり着いた。
背中の痛みと冷静になって考える場所が欲しかった。
ちょうど目の前には石造りの建て物がありその中へ足を踏み入れた。
がんじがらめに入口を封印してあった。
なんて不用心なんでしょう?
簡単に扉は開いてしまいました。
まぁダリル兄さんのシーフのスキルが役に立ちます。
嬉しいやら、悲しいやらです。
それはさておき、ヒンヤリとする部屋の中は中に入るとカビ臭い匂いが立ち込めてきました。
でもほんの少しだけ、カビ臭い匂いと共に、錆びた鉄の様な臭いも混じっている嫌な感じです。
部屋の奥には地下に行く通リがある、「ここは・・・」物凄く怖い・・・・。心とは反比例するように、体はゆっくりと地下へと続く通路に近づいて行った。
地下へと続く階段の前に来ると、ミズキの体は、糸で引っ張られるように、地下に行く階段を降りていった。
そっちに行ってはダメ・・・。
心が拒否しても、体がいう事を聞かない!そんな感じだった。
こっちにおいでと・・・・声が聞こえる・・・・。
体は勝手に扉を開いて、さらにその奥の扉を開こうとした。
「そこで何をやっている?ここは立ち入り禁止の場所だったはずだが」
そこでようやく私の体は動きを止めた。・・・・そうじゃ無い、今まで誰かに体を支配されたというのが正しい。
声をかけてきたのは、べリアル・ザラ上級大将だった。
私は下を向いて、ポツリと、「すみません」と言ってその場を離れた。
「おまえ、何処の所属だ・・・」
まずい、ランスロットの護衛の格好をしていたのが、裏目に出た。
不審に思うのは当然か、立ち入り禁止区域に、一人でこんなとこまで来たのだから。
「・・・・・・・」
何と言えばこの場を切り抜けられる?ミズキは考えるが一向に良い答えが出ない。
「聞こえているはずだ、お前は何処の所属だ」
べリアル・ザラ上級大将に腕を掴まれた。
「・・・・・・腕が細いな、まるで女の様だ」
「・・・・・・」
「・・・返事はなしか・・・」
本格的にまずい、こうなりゃ、正体をばらすか?
でもこんな所に来たことを、ランスロットにバレるわけにはいかない。
感が良いランスロットは、ジェリドの事にきずくのは時間の問題になる。
やはりここは、黙って逃げるか?逃げ切れるか?
・・・・無理だろうな!
「べリアルすまん、そいつは俺の指示でこの場所の状況を見に来たんだ」
この声は、グレイ?どうしてグレイがこんな場所に?
「・・・そうか、お前の部下か・・・」
「そいつを、解放してくれ」
「・・・・分かった・・・悪かったな」
べリアル・ザラ上級大将は、グレイの肩を叩いて、その場を出て行った。
そしてグレイは、ジッとミズキの方を見て「ミズキ・・・一体何をやっているんだ」
「あっ、バレた?」
「バレないと思っている方がおかしい」
グレンは、ミズキを冷たい目で見降ろした。
「なんでしょうね?私も知りたいわ」
ミズキは笑って答えるしかなかった。
「そう言う、グレンも何でこんな所に居るのよ」
反撃とばかりに、グレンに問い詰める。
「・・・・・何でもない」
「何でもないわけないじゃない・・・吐いてもらうわよ、グレン」
「お前は知ってってこの場所に来たんじゃないのか?」
「何を知ってるって?」
「だから、ここは5年前召喚魔法が施された場所だ」
「う・・・そ・・・召喚・・・て・・・どういう・・事?グレン・・・知っていることを・・話して」
もう、嘘が付き通す事が出来なくなった!
どうしよう!
あの目は全てを知っている目だ。
どうしてジェリドさんが!と思う反面、どこまで知っているのだろうか?それとも全てを知っているのだろうか?気になってしまう。
そして私は、ジェリドの全てを見透かすような視線に耐えられなくて逃げ出してしまった。
・・・逃げたって何も変わらないのに、これ以上ジェリドさんの声を聞いたら、全てを話してしまいそうになった。そして、ずっと側にいて欲しいと懇願しそうになった。
それだけは出来ない。
全てを話す訳にはいかない。
どうして、どうして、意地悪ばかりするの?
この5年間の私の苦労を見事にぶち壊そうとするの?
側にいなくても良い、ただ生きてさえいてくれれば良いと思う事の何がいけないと言うの?ジェリドさん!
失いたくは無いの!
こんなにも大切な2人を失いたくは無いのに・・・・。
尋問するジェリドさんなんか大嫌い!大嫌い!大嫌い!!
なんとかしなくちゃいけない。
ランスロットから2人を守るの!ダリル兄さんとジェリドさんには、幸せになって欲しいのに・・・うまくいかない。
ミズキは無我夢中で走っていた。
気がつくと今まで来たことがない場所にたどり着いた。
背中の痛みと冷静になって考える場所が欲しかった。
ちょうど目の前には石造りの建て物がありその中へ足を踏み入れた。
がんじがらめに入口を封印してあった。
なんて不用心なんでしょう?
簡単に扉は開いてしまいました。
まぁダリル兄さんのシーフのスキルが役に立ちます。
嬉しいやら、悲しいやらです。
それはさておき、ヒンヤリとする部屋の中は中に入るとカビ臭い匂いが立ち込めてきました。
でもほんの少しだけ、カビ臭い匂いと共に、錆びた鉄の様な臭いも混じっている嫌な感じです。
部屋の奥には地下に行く通リがある、「ここは・・・」物凄く怖い・・・・。心とは反比例するように、体はゆっくりと地下へと続く通路に近づいて行った。
地下へと続く階段の前に来ると、ミズキの体は、糸で引っ張られるように、地下に行く階段を降りていった。
そっちに行ってはダメ・・・。
心が拒否しても、体がいう事を聞かない!そんな感じだった。
こっちにおいでと・・・・声が聞こえる・・・・。
体は勝手に扉を開いて、さらにその奥の扉を開こうとした。
「そこで何をやっている?ここは立ち入り禁止の場所だったはずだが」
そこでようやく私の体は動きを止めた。・・・・そうじゃ無い、今まで誰かに体を支配されたというのが正しい。
声をかけてきたのは、べリアル・ザラ上級大将だった。
私は下を向いて、ポツリと、「すみません」と言ってその場を離れた。
「おまえ、何処の所属だ・・・」
まずい、ランスロットの護衛の格好をしていたのが、裏目に出た。
不審に思うのは当然か、立ち入り禁止区域に、一人でこんなとこまで来たのだから。
「・・・・・・・」
何と言えばこの場を切り抜けられる?ミズキは考えるが一向に良い答えが出ない。
「聞こえているはずだ、お前は何処の所属だ」
べリアル・ザラ上級大将に腕を掴まれた。
「・・・・・・腕が細いな、まるで女の様だ」
「・・・・・・」
「・・・返事はなしか・・・」
本格的にまずい、こうなりゃ、正体をばらすか?
でもこんな所に来たことを、ランスロットにバレるわけにはいかない。
感が良いランスロットは、ジェリドの事にきずくのは時間の問題になる。
やはりここは、黙って逃げるか?逃げ切れるか?
・・・・無理だろうな!
「べリアルすまん、そいつは俺の指示でこの場所の状況を見に来たんだ」
この声は、グレイ?どうしてグレイがこんな場所に?
「・・・そうか、お前の部下か・・・」
「そいつを、解放してくれ」
「・・・・分かった・・・悪かったな」
べリアル・ザラ上級大将は、グレイの肩を叩いて、その場を出て行った。
そしてグレイは、ジッとミズキの方を見て「ミズキ・・・一体何をやっているんだ」
「あっ、バレた?」
「バレないと思っている方がおかしい」
グレンは、ミズキを冷たい目で見降ろした。
「なんでしょうね?私も知りたいわ」
ミズキは笑って答えるしかなかった。
「そう言う、グレンも何でこんな所に居るのよ」
反撃とばかりに、グレンに問い詰める。
「・・・・・何でもない」
「何でもないわけないじゃない・・・吐いてもらうわよ、グレン」
「お前は知ってってこの場所に来たんじゃないのか?」
「何を知ってるって?」
「だから、ここは5年前召喚魔法が施された場所だ」
「う・・・そ・・・召喚・・・て・・・どういう・・事?グレン・・・知っていることを・・話して」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
二度目の初恋は、穏やかな伯爵と
柴田はつみ
恋愛
交通事故に遭い、気がつけば18歳のアランと出会う前の自分に戻っていた伯爵令嬢リーシャン。
冷酷で傲慢な伯爵アランとの不和な結婚生活を経験した彼女は、今度こそ彼とは関わらないと固く誓う。しかし運命のいたずらか、リーシャンは再びアランと出会ってしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる