異世界へようこそ

ホタル

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2章

始まりの場所

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大っ嫌い!ジェリドさん
もう、嘘が付き通す事が出来なくなった!
どうしよう!
あの目は全てを知っている目だ。
どうしてジェリドさんが!と思う反面、どこまで知っているのだろうか?それとも全てを知っているのだろうか?気になってしまう。

そして私は、ジェリドの全てを見透かすような視線に耐えられなくて逃げ出してしまった。

・・・逃げたって何も変わらないのに、これ以上ジェリドさんの声を聞いたら、全てを話してしまいそうになった。そして、ずっと側にいて欲しいと懇願しそうになった。

それだけは出来ない。
全てを話す訳にはいかない。

どうして、どうして、意地悪ばかりするの?
この5年間の私の苦労を見事にぶち壊そうとするの?

側にいなくても良い、ただ生きてさえいてくれれば良いと思う事の何がいけないと言うの?ジェリドさん!

失いたくは無いの!
こんなにも大切な2人を失いたくは無いのに・・・・。

尋問するジェリドさんなんか大嫌い!大嫌い!大嫌い!!

なんとかしなくちゃいけない。

ランスロットから2人を守るの!ダリル兄さんとジェリドさんには、幸せになって欲しいのに・・・うまくいかない。


ミズキは無我夢中で走っていた。

気がつくと今まで来たことがない場所にたどり着いた。
背中の痛みと冷静になって考える場所が欲しかった。
ちょうど目の前には石造りの建て物がありその中へ足を踏み入れた。
がんじがらめに入口を封印してあった。


なんて不用心なんでしょう?
簡単に扉は開いてしまいました。
まぁダリル兄さんのシーフのスキルが役に立ちます。
嬉しいやら、悲しいやらです。


それはさておき、ヒンヤリとする部屋の中は中に入るとカビ臭い匂いが立ち込めてきました。
でもほんの少しだけ、カビ臭い匂いと共に、錆びた鉄の様な臭いも混じっている嫌な感じです。


部屋の奥には地下に行く通リがある、「ここは・・・」物凄く怖い・・・・。心とは反比例するように、体はゆっくりと地下へと続く通路に近づいて行った。
地下へと続く階段の前に来ると、ミズキの体は、糸で引っ張られるように、地下に行く階段を降りていった。

そっちに行ってはダメ・・・。
心が拒否しても、体がいう事を聞かない!そんな感じだった。

こっちにおいでと・・・・声が聞こえる・・・・。

体は勝手に扉を開いて、さらにその奥の扉を開こうとした。

「そこで何をやっている?ここは立ち入り禁止の場所だったはずだが」

そこでようやく私の体は動きを止めた。・・・・そうじゃ無い、今まで誰かに体を支配されたというのが正しい。
声をかけてきたのは、べリアル・ザラ上級大将だった。
私は下を向いて、ポツリと、「すみません」と言ってその場を離れた。

「おまえ、何処の所属だ・・・」
まずい、ランスロットの護衛の格好をしていたのが、裏目に出た。
不審に思うのは当然か、立ち入り禁止区域に、一人でこんなとこまで来たのだから。


「・・・・・・・」


何と言えばこの場を切り抜けられる?ミズキは考えるが一向に良い答えが出ない。
「聞こえているはずだ、お前は何処の所属だ」
べリアル・ザラ上級大将に腕を掴まれた。
「・・・・・・腕が細いな、まるで女の様だ」

「・・・・・・」

「・・・返事はなしか・・・」


本格的にまずい、こうなりゃ、正体をばらすか?
でもこんな所に来たことを、ランスロットにバレるわけにはいかない。
感が良いランスロットは、ジェリドの事にきずくのは時間の問題になる。
やはりここは、黙って逃げるか?逃げ切れるか?
・・・・無理だろうな!

「べリアルすまん、そいつは俺の指示でこの場所の状況を見に来たんだ」
この声は、グレイ?どうしてグレイがこんな場所に?

「・・・そうか、お前の部下か・・・」

「そいつを、解放してくれ」

「・・・・分かった・・・悪かったな」


べリアル・ザラ上級大将は、グレイの肩を叩いて、その場を出て行った。

そしてグレイは、ジッとミズキの方を見て「ミズキ・・・一体何をやっているんだ」

「あっ、バレた?」
「バレないと思っている方がおかしい」
グレンは、ミズキを冷たい目で見降ろした。

「なんでしょうね?私も知りたいわ」
ミズキは笑って答えるしかなかった。

「そう言う、グレンも何でこんな所に居るのよ」
反撃とばかりに、グレンに問い詰める。

「・・・・・何でもない」
「何でもないわけないじゃない・・・吐いてもらうわよ、グレン」

「お前は知ってってこの場所に来たんじゃないのか?」

「何を知ってるって?」

「だから、ここは5年前召喚魔法が施された場所だ」

「う・・・そ・・・召喚・・・て・・・どういう・・事?グレン・・・知っていることを・・話して」










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