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出会い 3
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「喬司、僕は先に行くよ?」
「わわっ、怜士、待ってくれよ!まだ時間には早すぎるだろう?」
一言かけてから、と思い、幼馴染の時雨喬司の部屋を覗いた氷雨怜士は、まさに起き抜け、といった感じでベッドから見上げてきた喬司に呆れた視線を向けた後、冷たく突き放した。
そして、後ろでドタバタ慌てている音がしても、怜士は振り向きもせず、そのまま特別寮を出て学園へと向かう。
全く。試験期間中、若しくは五月までは、各家各個人の持つ異能力の使用を制限されているのに、喬司の悠長なことといったら……!
人当たりの良い物柔らかな物腰の裏で、相当な人嫌いである怜士は、この学園に入る際遵守するよう指導された特記事項に苛立っていた。
まず入学にあたり、彼ら一族に名を連ねる何らかの異能力を持つ者は、皆少なくとも五月までは特別寮に入って生活せねばならなかった。
そして、各々の異能力もまた五月になるまで最低レベルまで落とされる。
その他にも色々と規則や伝統があり、それもまた怜士にとっては苦痛だったが、やはり何と言っても慣れない寮での集団生活、自由に使えていた能力の封印が彼にとっては厳しかった。
ああもう、むしゃくしゃする!
……何が集団生活だ!同じ一族でも、派閥はある。筆頭秋家と家は相性が悪い。まあ、春家ほどではないが。
あと、能力を制限されることがああも厄介とは……。
中学時代までは能力を使い、軽くあしらえていた女子の集団だったのに、昨日はまるで違ったのだ。
集団で押し寄せてくる女子の群れに、昨日一日だけで早くも辟易させられていた怜士は、心底嫌そうにため息を吐く。
ああ、この状態が少なくともあと三週間は続くのか……。
やってられない。
心の中で毒づいたとき、いきなり憂鬱な彼の重い心を一気に明るくするような、心地よい春風が吹く――
何だ?この風は?あたたかくて、心地よい……心が軽く晴れやかになっていくような……?
これは、……僅かだが、神気を含んでいる?!一体、何処から?
怜士は驚愕しつつも、春風の吹いてきた方角を探る。
そして、誘われるようにそちらへと歩き出した。
一方、特別寮のテラスにて、優雅に朝食後のお茶を楽しんでいた秋霖 湊、飛雨颯太、天泣 涙、澪の幼馴染四人組は、吹き抜ける春風に顔を上げた。
「ほう、これは……」
「う~ん、春だねぇ~」
「ああ、良い風だぜ!」
いつの間にか心地よさげに顔をほころばせた三人を見て、湊は軽く眉を寄せる。
「湊様、どうかなさいましたか?」
すかさず声をかけてきた霧雨露人に、湊は告げた。
「……気になることが出来た。少し早いが、今から出る」
そして、音もなくしなやかに立ち上がると、さっさと歩き出す。それに、影のように付き従う、露人。
しばし呆気に取られていた三人組は二人の背中を見てはっと我に返り、慌ただしく後を追いかけ始めた――
「お~い、湊。オレ達にも、何か一言あっても良いんじゃね?」
「そうだ、そうだ!女の子には、時間的余裕が必要だよ?」
「別に、一緒に来いとは言ってない」
ばっさりと切り捨てる湊に、それでもぎゃーぎゃー言いながらもついていく三人組。
湊もまた、春風の吹いてきた方角へと向かっていた――
「わわっ、怜士、待ってくれよ!まだ時間には早すぎるだろう?」
一言かけてから、と思い、幼馴染の時雨喬司の部屋を覗いた氷雨怜士は、まさに起き抜け、といった感じでベッドから見上げてきた喬司に呆れた視線を向けた後、冷たく突き放した。
そして、後ろでドタバタ慌てている音がしても、怜士は振り向きもせず、そのまま特別寮を出て学園へと向かう。
全く。試験期間中、若しくは五月までは、各家各個人の持つ異能力の使用を制限されているのに、喬司の悠長なことといったら……!
人当たりの良い物柔らかな物腰の裏で、相当な人嫌いである怜士は、この学園に入る際遵守するよう指導された特記事項に苛立っていた。
まず入学にあたり、彼ら一族に名を連ねる何らかの異能力を持つ者は、皆少なくとも五月までは特別寮に入って生活せねばならなかった。
そして、各々の異能力もまた五月になるまで最低レベルまで落とされる。
その他にも色々と規則や伝統があり、それもまた怜士にとっては苦痛だったが、やはり何と言っても慣れない寮での集団生活、自由に使えていた能力の封印が彼にとっては厳しかった。
ああもう、むしゃくしゃする!
……何が集団生活だ!同じ一族でも、派閥はある。筆頭秋家と家は相性が悪い。まあ、春家ほどではないが。
あと、能力を制限されることがああも厄介とは……。
中学時代までは能力を使い、軽くあしらえていた女子の集団だったのに、昨日はまるで違ったのだ。
集団で押し寄せてくる女子の群れに、昨日一日だけで早くも辟易させられていた怜士は、心底嫌そうにため息を吐く。
ああ、この状態が少なくともあと三週間は続くのか……。
やってられない。
心の中で毒づいたとき、いきなり憂鬱な彼の重い心を一気に明るくするような、心地よい春風が吹く――
何だ?この風は?あたたかくて、心地よい……心が軽く晴れやかになっていくような……?
これは、……僅かだが、神気を含んでいる?!一体、何処から?
怜士は驚愕しつつも、春風の吹いてきた方角を探る。
そして、誘われるようにそちらへと歩き出した。
一方、特別寮のテラスにて、優雅に朝食後のお茶を楽しんでいた秋霖 湊、飛雨颯太、天泣 涙、澪の幼馴染四人組は、吹き抜ける春風に顔を上げた。
「ほう、これは……」
「う~ん、春だねぇ~」
「ああ、良い風だぜ!」
いつの間にか心地よさげに顔をほころばせた三人を見て、湊は軽く眉を寄せる。
「湊様、どうかなさいましたか?」
すかさず声をかけてきた霧雨露人に、湊は告げた。
「……気になることが出来た。少し早いが、今から出る」
そして、音もなくしなやかに立ち上がると、さっさと歩き出す。それに、影のように付き従う、露人。
しばし呆気に取られていた三人組は二人の背中を見てはっと我に返り、慌ただしく後を追いかけ始めた――
「お~い、湊。オレ達にも、何か一言あっても良いんじゃね?」
「そうだ、そうだ!女の子には、時間的余裕が必要だよ?」
「別に、一緒に来いとは言ってない」
ばっさりと切り捨てる湊に、それでもぎゃーぎゃー言いながらもついていく三人組。
湊もまた、春風の吹いてきた方角へと向かっていた――
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