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山道で迷子になり、
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美月は山の中を走っていた。
なに?……どうして、わたしはこの道を走り続けているんだろう?
別館は、どこ?わたしは、テストを受けなくちゃいけないのに――――?!
先程から美月の思考は空回りをし、同じことばかり繰り返し思い続けていた。
赤い着物の女性の示したこの道を走り続けて、もうかなりの時間が経っている。
美月の胸の中で、じわじわと大きくなっていくこの道、この場所に対する違和感と焦燥感。
美月はもはやこの道が、別館に向かう道ではあり得ないことを悟っていた。
けれども、それを悟り道を引き返そうとしても、どうしても身体が自分の言うことをきかないのだ。
予め、定められた道を行くように、上へ上へと急き立てられる――――
美月はこの感覚に覚えがあった。
……自分の意思が身体と引き離されたような、この感覚。
これって、昨日、紅雨会長のお話を聞いていた時と、同じ――――?
どういうこと?……ひょっとして、わたし、今夢見てるだけだったり?
あんな訳のわからない状態はそうそうあるわけがない、と美月が現実逃避気味に明晰夢の可能性を考える。
すると、つい周囲への注意が疎かになり、小道へと伸びていた小枝を避けきれず、ぴしりと頬を打たれてしまった。
……痛い。やっぱり、これは現実――――
ピリピリと痛む頬を実感した美月は、現状を見つめ直すしかない。
じゃあ、わたし、もしもこのまま、この訳のわからない状態で、ずっと走り続けることになったら……?
そうしたら、こうしている間にもどんどんテストの時間は減り、…………最悪、無断欠席のまま、入学取り消しに――――?!
そのことに思い当たった美月の顔は、ざっと青ざめる。
ウソ?!またしても、入学取り消しの危機なの?!
いくらなんでも、そんなのはあんまりだ~!
この怪異の最中で、まずそんなことばかり心配する者も少ないとは思うのだが、何にせよ美月の思考は単純明快で、まず一つのことに囚われやすい質なので、仕方がない。
自分の入学を昨日も隣人達に祝ってもらったばかりで、尚且つ今朝も激励の言葉で学園へと送り出してもらったばかり。
美月の心は重く陰り、先の見えない心細さと不安に押し潰されそうになる――――
すると、美月の心を映し出すかのように、晴れ渡っていた空もまたにわかに曇り、暗くなった。
(みこがかなしんでる……)
(みこのなげきがじょうかのあめをよぶぞ……)
(なにを、なげく?)
(なぜ、かなしむ?)
いきなり響いたその声に、美月はぱっと辺りを見渡す。
残念ながら、辺りに人影は見えない。
けれども、声はしたのだ。ここで、助けを求めずにどうする?!とばかりに、美月は声を張り上げた。
「すみません!わたし、今、とても困っているんです!助けてください!!」
(おお……!われらに助けをもとめるか?)
(よいぞ、よいぞ、なにを望む?)
何だかとても友好的なその言葉に、美月はやっとほっと息をつき、何とか今の訳のわからない自分の状態を相手にもわかってもらえるよう、話を続けた。
見えない何かに導かれるよう走り続ける美月に合わせ、どうやら相手もついてきてくれているらしい。
その相手は辛抱強く、美月自身でも訳の分からない話に付き合ってもくれ、美月はそのことにとても感謝した。
そして、そのことも話の最後に伝えると、相手方は照れたように宣った。
(いやいや、それほどでも…………大丈夫だ。要は、その状態が嫌なのじゃな?)
そのドンピシャリな表現に、美月は我が意をいたり、とばかりに勢いよく何度も頷く。
(我らが力を合わせれば、その状態を打ち破ることなど造作もない。そぉれ……!)
なに?……どうして、わたしはこの道を走り続けているんだろう?
別館は、どこ?わたしは、テストを受けなくちゃいけないのに――――?!
先程から美月の思考は空回りをし、同じことばかり繰り返し思い続けていた。
赤い着物の女性の示したこの道を走り続けて、もうかなりの時間が経っている。
美月の胸の中で、じわじわと大きくなっていくこの道、この場所に対する違和感と焦燥感。
美月はもはやこの道が、別館に向かう道ではあり得ないことを悟っていた。
けれども、それを悟り道を引き返そうとしても、どうしても身体が自分の言うことをきかないのだ。
予め、定められた道を行くように、上へ上へと急き立てられる――――
美月はこの感覚に覚えがあった。
……自分の意思が身体と引き離されたような、この感覚。
これって、昨日、紅雨会長のお話を聞いていた時と、同じ――――?
どういうこと?……ひょっとして、わたし、今夢見てるだけだったり?
あんな訳のわからない状態はそうそうあるわけがない、と美月が現実逃避気味に明晰夢の可能性を考える。
すると、つい周囲への注意が疎かになり、小道へと伸びていた小枝を避けきれず、ぴしりと頬を打たれてしまった。
……痛い。やっぱり、これは現実――――
ピリピリと痛む頬を実感した美月は、現状を見つめ直すしかない。
じゃあ、わたし、もしもこのまま、この訳のわからない状態で、ずっと走り続けることになったら……?
そうしたら、こうしている間にもどんどんテストの時間は減り、…………最悪、無断欠席のまま、入学取り消しに――――?!
そのことに思い当たった美月の顔は、ざっと青ざめる。
ウソ?!またしても、入学取り消しの危機なの?!
いくらなんでも、そんなのはあんまりだ~!
この怪異の最中で、まずそんなことばかり心配する者も少ないとは思うのだが、何にせよ美月の思考は単純明快で、まず一つのことに囚われやすい質なので、仕方がない。
自分の入学を昨日も隣人達に祝ってもらったばかりで、尚且つ今朝も激励の言葉で学園へと送り出してもらったばかり。
美月の心は重く陰り、先の見えない心細さと不安に押し潰されそうになる――――
すると、美月の心を映し出すかのように、晴れ渡っていた空もまたにわかに曇り、暗くなった。
(みこがかなしんでる……)
(みこのなげきがじょうかのあめをよぶぞ……)
(なにを、なげく?)
(なぜ、かなしむ?)
いきなり響いたその声に、美月はぱっと辺りを見渡す。
残念ながら、辺りに人影は見えない。
けれども、声はしたのだ。ここで、助けを求めずにどうする?!とばかりに、美月は声を張り上げた。
「すみません!わたし、今、とても困っているんです!助けてください!!」
(おお……!われらに助けをもとめるか?)
(よいぞ、よいぞ、なにを望む?)
何だかとても友好的なその言葉に、美月はやっとほっと息をつき、何とか今の訳のわからない自分の状態を相手にもわかってもらえるよう、話を続けた。
見えない何かに導かれるよう走り続ける美月に合わせ、どうやら相手もついてきてくれているらしい。
その相手は辛抱強く、美月自身でも訳の分からない話に付き合ってもくれ、美月はそのことにとても感謝した。
そして、そのことも話の最後に伝えると、相手方は照れたように宣った。
(いやいや、それほどでも…………大丈夫だ。要は、その状態が嫌なのじゃな?)
そのドンピシャリな表現に、美月は我が意をいたり、とばかりに勢いよく何度も頷く。
(我らが力を合わせれば、その状態を打ち破ることなど造作もない。そぉれ……!)
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