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物の怪?共に追いかけられ、
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山道で偶然出会った親切な人達の掛け声と共に、ピシリ、とその場の空間に無数の細かいヒビが入った気がした。
そして、カシャーン、という音と共に、まるでガラスが砕けていくかのように、バラバラと今まで見えていた山道の風景が崩れていく――――
自分の想像を超えた事態に遭遇し、美月は声もなくその場で固まる。
気がつけば、いつの間にか美月は、見知らぬ鬱蒼と樹々の茂る深山の中らしきところに、一人ポツンと佇んでいた。
(おお、足が止まった)
(良かった、良かった~)
(万事恙なく、解決したな!)
どこか得意げな、聞きなれたその声々が美月のすぐ後ろから響き、美月は事の次第を問える人々の居たことに、半ばほっとしながら振り返る。 しかし、そこには、――――――
「きゃああああああ~~~~~!!!」
人里離れた深山の中で、美月の悲鳴が響き渡る。
美月は悲鳴と共に、本能的に踵を返し、パニック状態に陥りながら、がむしゃらに走り出した。
なにあれ?!なにあれ~~~!!
人間じゃない、在り得ない!これは、夢だ。これは夢。夢だ夢だ夢だ~~!!!
振り返った美月の視たモノは、妖しさ満ち溢れる異形の群れ――――角があったり、毛皮や鱗で覆われていたり、樹形や岩石っぽいモノも居た……そして何より、一つ目も、二つ目も、三つ目も、それ以上数えきれない程の目を持つ異形も、全てのモノ達の目が興味深そうに何かの色を湛えて、きょときょとと美月を凝視していたのだ。
ソレらの持つ妖しさや眼力に美月が耐えられず、敵前逃亡したのも無理はない。
これは夢!夢ったら、夢!夢でしょ~~?!
早く、早く目を覚まさないと!!
半ば夢と決めつけつつも、美月は本能に従って足を止めない。
アレらにもし一人取り囲まれることになったら、と思うと怖ろしくてたまらない。
しかし、その時、気が急くあまり石に足を取られ、美月は転倒してしまう――
痛っ?!え、どうして?……どうして、痛いの?!
思わず地面に着いた両掌を擦りむいた美月は、擦り傷の出来た両手を呆然と見つめる。
その美月に背後から迫る、異形達の声――
(やれやれ、そのように大はしゃぎしなくても……)
(ほう、あれは、喜びのあまり駆けだしたのか)
(巫女殿は、ほんに走るのがお好きよの~)
(いやいや、あれは、我らと戯れて下さるおつもりなのでは?)
(そうなのか?いやはや、そうか、そうか~!)
(我らは、鬼。……ならば、これぞ人の言う、鬼ごっこの始まりよな!)
(やろう、やろう!我らは、鬼で~)
(巫女様を、つ~か~ま~え~ろ~~~!!)
「い~~~~~~~~~~~~~ゃ~~!!!!!!!」
美月は全力でお断りすべく、息の続く限りで絶叫した。……が、最後の語句は息が続かなくて、不本意ながらかすれてしまう。
(おお!!いいと)
(巫女様は了承されたぞ!)
(遊ぼう!戯れよう!我らと共に)
(鬼ごっこの始まりだ!!)
開始の言葉と共に、どっと美月の方へ押し寄せてくる大勢の気配に慄き、美月は機敏に立ち上がると、また暗い深山の中を駆けだす。
こうして、たった独りの美月対その他大勢の本物の鬼軍団、という前代未聞の鬼ごっこが始まった。
一方、親切心を持って、美月を試しの場へと送り届けようとした赤い着物の女性――五月雨財閥関連の一族からは山姫と呼ばれている――は、自らが構築した道を壊されたのを察知した瞬間、大いに狼狽えた。
「妾の創った道が壊されただとっ?!どういうことじゃ?!在り得ぬ!!が、しかし、この感触は……?う~む、確かに消失しておる。……と、いうことは?そういうことならば、あの女子は何処に?…………まさか、落ちたのか?……………………ならば、不味い。不味いぞ。不味いことになった。一刻も早う助け出さぬと……」
美月の陥っている事態の片鱗を悟った山姫は、慌てて両手を振り、眷属を操って救援を求むのろしを打ち上げた。
そして、カシャーン、という音と共に、まるでガラスが砕けていくかのように、バラバラと今まで見えていた山道の風景が崩れていく――――
自分の想像を超えた事態に遭遇し、美月は声もなくその場で固まる。
気がつけば、いつの間にか美月は、見知らぬ鬱蒼と樹々の茂る深山の中らしきところに、一人ポツンと佇んでいた。
(おお、足が止まった)
(良かった、良かった~)
(万事恙なく、解決したな!)
どこか得意げな、聞きなれたその声々が美月のすぐ後ろから響き、美月は事の次第を問える人々の居たことに、半ばほっとしながら振り返る。 しかし、そこには、――――――
「きゃああああああ~~~~~!!!」
人里離れた深山の中で、美月の悲鳴が響き渡る。
美月は悲鳴と共に、本能的に踵を返し、パニック状態に陥りながら、がむしゃらに走り出した。
なにあれ?!なにあれ~~~!!
人間じゃない、在り得ない!これは、夢だ。これは夢。夢だ夢だ夢だ~~!!!
振り返った美月の視たモノは、妖しさ満ち溢れる異形の群れ――――角があったり、毛皮や鱗で覆われていたり、樹形や岩石っぽいモノも居た……そして何より、一つ目も、二つ目も、三つ目も、それ以上数えきれない程の目を持つ異形も、全てのモノ達の目が興味深そうに何かの色を湛えて、きょときょとと美月を凝視していたのだ。
ソレらの持つ妖しさや眼力に美月が耐えられず、敵前逃亡したのも無理はない。
これは夢!夢ったら、夢!夢でしょ~~?!
早く、早く目を覚まさないと!!
半ば夢と決めつけつつも、美月は本能に従って足を止めない。
アレらにもし一人取り囲まれることになったら、と思うと怖ろしくてたまらない。
しかし、その時、気が急くあまり石に足を取られ、美月は転倒してしまう――
痛っ?!え、どうして?……どうして、痛いの?!
思わず地面に着いた両掌を擦りむいた美月は、擦り傷の出来た両手を呆然と見つめる。
その美月に背後から迫る、異形達の声――
(やれやれ、そのように大はしゃぎしなくても……)
(ほう、あれは、喜びのあまり駆けだしたのか)
(巫女殿は、ほんに走るのがお好きよの~)
(いやいや、あれは、我らと戯れて下さるおつもりなのでは?)
(そうなのか?いやはや、そうか、そうか~!)
(我らは、鬼。……ならば、これぞ人の言う、鬼ごっこの始まりよな!)
(やろう、やろう!我らは、鬼で~)
(巫女様を、つ~か~ま~え~ろ~~~!!)
「い~~~~~~~~~~~~~ゃ~~!!!!!!!」
美月は全力でお断りすべく、息の続く限りで絶叫した。……が、最後の語句は息が続かなくて、不本意ながらかすれてしまう。
(おお!!いいと)
(巫女様は了承されたぞ!)
(遊ぼう!戯れよう!我らと共に)
(鬼ごっこの始まりだ!!)
開始の言葉と共に、どっと美月の方へ押し寄せてくる大勢の気配に慄き、美月は機敏に立ち上がると、また暗い深山の中を駆けだす。
こうして、たった独りの美月対その他大勢の本物の鬼軍団、という前代未聞の鬼ごっこが始まった。
一方、親切心を持って、美月を試しの場へと送り届けようとした赤い着物の女性――五月雨財閥関連の一族からは山姫と呼ばれている――は、自らが構築した道を壊されたのを察知した瞬間、大いに狼狽えた。
「妾の創った道が壊されただとっ?!どういうことじゃ?!在り得ぬ!!が、しかし、この感触は……?う~む、確かに消失しておる。……と、いうことは?そういうことならば、あの女子は何処に?…………まさか、落ちたのか?……………………ならば、不味い。不味いぞ。不味いことになった。一刻も早う助け出さぬと……」
美月の陥っている事態の片鱗を悟った山姫は、慌てて両手を振り、眷属を操って救援を求むのろしを打ち上げた。
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