(あやかし御用達)民泊始めます~巫女になれ?!無理です!かわりに一泊いかが?

岬野葉々

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憧れの学園生活(仮)、開始?! 2

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 緩やかなカーブにより、家から祖母の姿が見えなくなった途端、美月は少し後ろを歩いていた三つ目の方に振り返り、声をかける。

「おはよう~!三つ目さん」
(おはよう、美月殿。今朝も気持ちの良いお天気じゃな~)
「……いつもながら、此処に来るまでなかなかお話出来なくて、ごめんね!わたし、うっかり者だから、どうしても三つ目さんに声をかけそうになっちゃって……」
(いやいやいや~御気になさるな……そもそも、我から言い出したこと。守って頂き、何より。美月殿がいきなり宙に向かって話し出したら、祖母殿が驚くじゃろうて~~)
「……さっき、玄関脇で目が合った時、首を振ってくれて、助かった~~!」

 只人・・には、あやかしは視えず、聴こえず、感じ取れない。
 それが分かっていても、美月は未だついうっかりと自分の思うまま、あやかし達に笑いかけたり、話しかけたりしそうになってしまっていた。

 そして、先程もまた祖母の前でうっかりを発動しそうになり、三つ目の機転により救われたのだった。

(美月殿は、素直な質じゃからな~~!)

 まあそれがまた良いのじゃが、と三つ目は機嫌よさげにガハハハッと笑う。

 美月と三つ目、そしてクロとツキは、そのままのんびりとバス停へ向かって道を下りていく。
 途中で同じく朝の早い山の上の隣人たちに声をかけられ、いつものように挨拶を交わしながら、その合間に美月は三つ目に話しかけた。

「三つ目さん、……湯場の隣のお部屋の居心地はどう?あそこはね、お祖父ちゃんのお友達が、家に湯治がてら滞在する時用に建てたところなんだって――」
(いや~~快適この上ないぞ!毎夜、美月殿がはーぶてぃなるものを持ってきてくれるしな~~)
「あのね、……本当にご飯は要らないの?」
(我は、基本山の精気のみで十分。特にこの様な澄んだ場所では――――しかも、あの温泉は素晴らしい!此処にいる間、我はほとんど湯に浸かっておる。然れば、ほれっ!見て下され)

 三つ目が得意げに羽織ものを広げると、確か胸まで漆黒に染まっていた筈の肌の色が、薄っすらと元の色へと戻りつつある。

「わわっ!すごいーー!こんな効能があるだなんて……!良かった、良かったね~~三つ目さん!」

 美月が目を輝かせて喜ぶ様子を見て、三つ目も嬉しそうに破顔する。

(我は美月殿の側にずっと居る故、その相乗効果もあるじゃろうが……いや~~実はてっきり癒しの眠りは避けられぬものと思うておったが、この分だと眠りにつくことなく何時までも・・・・・御側に居られそうで、我は、我は本当に、この上なく幸せじゃあああ~~!!)

 感激で目を潤ませる、三つ目……。

 そうやって話している内に、いつの間にかバス停近くまでやって来た美月達は、迎えのあやかし達のおお~い、おお~いという呼び声に気がついた。

 すると美月はその場にしゃがみ込み、クロと目を合わせて話しかける。

「……クロ、今日もお見送りしてくれてありがとう。わたし、いつも通りあの道・・・を行くから、……わたし達が帰るまで、おばあちゃんをお願いね」

 クロは尻尾を振ってそれに応えながらも、少し寂しそうにそして心配そうに美月を見つめる。
 そこへ胸を張って、三つ目がクロに話しかけた。

(大丈夫じゃあ~~クロ!美月殿は、我が片時も目を離さず、お守りする故――)
「何勝手を申しておるのじゃ!そういうのを、すとーかーと申すのじゃぞ?」

 切れの良い突っ込みと共に現れた山姫を視て、美月は驚く。

「山姫さん!どうしたのですか?」
「……なあに、ちと美月殿にお願いがあってな」

 そう言って、山姫は妖艶に微笑みかけた。
   
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