(あやかし御用達)民泊始めます~巫女になれ?!無理です!かわりに一泊いかが?

岬野葉々

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憧れの学園生活(仮)、開始?! 3

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(美月様~~おはようございます!)
(ささっ早う、にお入り下され)
(ぐぬぬ!……我らは此処から出られませぬ故、早う早うこちらへ)

 焦れたあやかし達の呼ぶ声に、山姫はぽんっと手を打ち、美月をそちらへと誘った。

「そうであったな!あ奴らは、招かれぬ限りこちらへは出られぬ故、そろそろ妾達も参ろうかの」
「ええ。……クロ、行ってくるね!」

 美月はクロの頭を撫で、そのまま立ち上がって手を振りながら、へと入って行った。

 そして、そこへと足を踏み入れれば、一瞬で景色が切り替わり、美月はわっとあやかし達に取り囲まれる。

(あやかし第一班、只今参上~~!!)
(美月様~~お迎えに参りましたぞ~~!)
(やれ、嬉しや)
(此度もまた、我らあやかし第一班がお迎え権を勝ち取りましたじゃ~!)

 口々に訴えるあやかし達に頷き、丁寧にお礼を述べる美月と、それに満面の笑みを以て応えるあやかし達。
 それを見た三つ目が、

(お、またお主等がお迎えか?)

 といつものように軽口を叩けば、即座にブーイングの嵐が巻き起こる。

(また、とはなんじゃ!また、とは――――!)
(そのように軽く扱われるべきモノではないのじゃぞ?!この、お迎え権・・・・というモノは…………!)
(そうじゃ、そうじゃーー!)
(我ら一同、ソレを勝ち取るために、毎回どれ程過酷な争いを潜り抜けて、此処にこうして立っとると思うてか?!)
(そうじゃ、そうじゃーー!しかも、お送り権・・・・はあの春家のせいで、トンと発動せぬ!)
(楽しみに、楽しみに待っていた挙句、何度くるまとやらに美月様を奪い取られたことか……!)
(くっ…………あの、色ボケ緑めが)
(ぐぬぬ!一角よ、お主ちと、自分がいつも美月様の御側におられると思うて……)
(恨めしや)
(同じあやかし第一班じゃったというに……)
(じゃが、今にも癒しの眠りに落ちそうな其方に免じ、美しくも麗しい同族愛にて、苦渋の思いを以て美月様の御側付きを譲ったという我らに対し、よくもよくも……!)

 ぶつぶつと文句をいい続けるあやかし達を、美月はまあまあと宥めつつ歩きながら、ふと先程の三つ目とのやり取りと思い出す。

「あ、でもね!家にある温泉のおかげで、三つ目さんの黒いの、少しずつだけど治ってきてるみたいなの――!」

 良かったよね~と、今度は美月の方が満面の笑みで報告した途端、その場の空気がしばし凍った――――

(あ、……美月殿、ソレは、その)

 慌てる三つ目に食って掛かる、周囲のあやかし達。

(なんだとーーー!!)
(そのようなこと、聞いてはおらぬーー!)
(初耳じゃーー!こら、一角、しかと説明せい)

 寄ってたかって騒ぎ立てるあやかし達に向かって、一瞬はたじろいだ三つ目だったが、直ぐに立ち直って胸を張る。

(おお、言い忘れておったが、我と美月殿の縁の強さのおかげか、我は眠らずともこのままずっと美月殿の御側で居られそうじゃ~~!いや~~善き事哉、善き事哉~~)
(何が良き事哉~~、じゃ!このたわけ……!)
(そのようなこと……!許されると思うてか?!)
(そもそもの前提が覆されたのならば、ず、ずるいぞっ?!)
(……わしも、美月様のお家へ行きたいのう)
(……温泉、入りたいのう)

 ずるい、ずるいの大合唱の中、つかつかと山姫が三つ目に近づいて行き、べりっと上着をまくり上げ、じっとその下の様子を観察した……。

「ふむ…………確かにのう。…………この様な短期間のうちに、よくもまあここまで回復したものじゃ。不思議なこともあるの。…………まあ、かと言って、元が元じゃ。眠らずに済むと言っても、美月殿から離すには、まだ早い。まだまだ当分はかかろうな」
(そうじゃろう、そうじゃろう。いや~~ごもっともじゃ。我と美月殿とが離れるなど、在り得ぬこと。金輪際、起こるまいがな~~!)

 ほっとしたように、何度も何度も頷く三つ目。
 それを悔し気に睨み付ける、あやかし第一班……。

 それに構わず、山姫は美月に話しかけた。
  
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