76 / 80
憧れの学園生活(仮)、開始?! 3
しおりを挟む
(美月様~~おはようございます!)
(ささっ早う、道にお入り下され)
(ぐぬぬ!……我らは此処から出られませぬ故、早う早うこちらへ)
焦れたあやかし達の呼ぶ声に、山姫はぽんっと手を打ち、美月をそちらへと誘った。
「そうであったな!あ奴らは、招かれぬ限りこちらへは出られぬ故、そろそろ妾達も参ろうかの」
「ええ。……クロ、行ってくるね!」
美月はクロの頭を撫で、そのまま立ち上がって手を振りながら、道へと入って行った。
そして、そこへと足を踏み入れれば、一瞬で景色が切り替わり、美月はわっとあやかし達に取り囲まれる。
(あやかし第一班、只今参上~~!!)
(美月様~~お迎えに参りましたぞ~~!)
(やれ、嬉しや)
(此度もまた、我らあやかし第一班がお迎え権を勝ち取りましたじゃ~!)
口々に訴えるあやかし達に頷き、丁寧にお礼を述べる美月と、それに満面の笑みを以て応えるあやかし達。
それを見た三つ目が、
(お、またお主等がお迎えか?)
といつものように軽口を叩けば、即座にブーイングの嵐が巻き起こる。
(また、とはなんじゃ!また、とは――――!)
(そのように軽く扱われるべきモノではないのじゃぞ?!この、お迎え権というモノは…………!)
(そうじゃ、そうじゃーー!)
(我ら一同、ソレを勝ち取るために、毎回どれ程過酷な争いを潜り抜けて、此処にこうして立っとると思うてか?!)
(そうじゃ、そうじゃーー!しかも、お送り権はあの春家のせいで、トンと発動せぬ!)
(楽しみに、楽しみに待っていた挙句、何度くるまとやらに美月様を奪い取られたことか……!)
(くっ…………あの、色ボケ緑めが)
(ぐぬぬ!一角よ、お主ちと、自分がいつも美月様の御側におられると思うて……)
(恨めしや)
(同じあやかし第一班じゃったというに……)
(じゃが、今にも癒しの眠りに落ちそうな其方に免じ、美しくも麗しい同族愛にて、苦渋の思いを以て美月様の御側付きを譲ったという我らに対し、よくもよくも……!)
ぶつぶつと文句をいい続けるあやかし達を、美月はまあまあと宥めつつ歩きながら、ふと先程の三つ目とのやり取りと思い出す。
「あ、でもね!家にある温泉のおかげで、三つ目さんの黒いの、少しずつだけど治ってきてるみたいなの――!」
良かったよね~と、今度は美月の方が満面の笑みで報告した途端、その場の空気がしばし凍った――――
(あ、……美月殿、ソレは、その)
慌てる三つ目に食って掛かる、周囲のあやかし達。
(なんだとーーー!!)
(そのようなこと、聞いてはおらぬーー!)
(初耳じゃーー!こら、一角、しかと説明せい)
寄ってたかって騒ぎ立てるあやかし達に向かって、一瞬はたじろいだ三つ目だったが、直ぐに立ち直って胸を張る。
(おお、言い忘れておったが、我と美月殿の縁の強さのおかげか、我は眠らずともこのままずっと美月殿の御側で居られそうじゃ~~!いや~~善き事哉、善き事哉~~)
(何が良き事哉~~、じゃ!このたわけ……!)
(そのようなこと……!許されると思うてか?!)
(そもそもの前提が覆されたのならば、ず、ずるいぞっ?!)
(……わしも、美月様のお家へ行きたいのう)
(……温泉、入りたいのう)
ずるい、ずるいの大合唱の中、つかつかと山姫が三つ目に近づいて行き、べりっと上着をまくり上げ、じっとその下の様子を観察した……。
「ふむ…………確かにのう。…………この様な短期間のうちに、よくもまあここまで回復したものじゃ。不思議なこともあるの。…………まあ、かと言って、元が元じゃ。眠らずに済むと言っても、美月殿から離すには、まだ早い。まだまだ当分はかかろうな」
(そうじゃろう、そうじゃろう。いや~~ごもっともじゃ。我と美月殿とが離れるなど、在り得ぬこと。金輪際、起こるまいがな~~!)
ほっとしたように、何度も何度も頷く三つ目。
それを悔し気に睨み付ける、あやかし第一班……。
それに構わず、山姫は美月に話しかけた。
(ささっ早う、道にお入り下され)
(ぐぬぬ!……我らは此処から出られませぬ故、早う早うこちらへ)
焦れたあやかし達の呼ぶ声に、山姫はぽんっと手を打ち、美月をそちらへと誘った。
「そうであったな!あ奴らは、招かれぬ限りこちらへは出られぬ故、そろそろ妾達も参ろうかの」
「ええ。……クロ、行ってくるね!」
美月はクロの頭を撫で、そのまま立ち上がって手を振りながら、道へと入って行った。
そして、そこへと足を踏み入れれば、一瞬で景色が切り替わり、美月はわっとあやかし達に取り囲まれる。
(あやかし第一班、只今参上~~!!)
(美月様~~お迎えに参りましたぞ~~!)
(やれ、嬉しや)
(此度もまた、我らあやかし第一班がお迎え権を勝ち取りましたじゃ~!)
口々に訴えるあやかし達に頷き、丁寧にお礼を述べる美月と、それに満面の笑みを以て応えるあやかし達。
それを見た三つ目が、
(お、またお主等がお迎えか?)
といつものように軽口を叩けば、即座にブーイングの嵐が巻き起こる。
(また、とはなんじゃ!また、とは――――!)
(そのように軽く扱われるべきモノではないのじゃぞ?!この、お迎え権というモノは…………!)
(そうじゃ、そうじゃーー!)
(我ら一同、ソレを勝ち取るために、毎回どれ程過酷な争いを潜り抜けて、此処にこうして立っとると思うてか?!)
(そうじゃ、そうじゃーー!しかも、お送り権はあの春家のせいで、トンと発動せぬ!)
(楽しみに、楽しみに待っていた挙句、何度くるまとやらに美月様を奪い取られたことか……!)
(くっ…………あの、色ボケ緑めが)
(ぐぬぬ!一角よ、お主ちと、自分がいつも美月様の御側におられると思うて……)
(恨めしや)
(同じあやかし第一班じゃったというに……)
(じゃが、今にも癒しの眠りに落ちそうな其方に免じ、美しくも麗しい同族愛にて、苦渋の思いを以て美月様の御側付きを譲ったという我らに対し、よくもよくも……!)
ぶつぶつと文句をいい続けるあやかし達を、美月はまあまあと宥めつつ歩きながら、ふと先程の三つ目とのやり取りと思い出す。
「あ、でもね!家にある温泉のおかげで、三つ目さんの黒いの、少しずつだけど治ってきてるみたいなの――!」
良かったよね~と、今度は美月の方が満面の笑みで報告した途端、その場の空気がしばし凍った――――
(あ、……美月殿、ソレは、その)
慌てる三つ目に食って掛かる、周囲のあやかし達。
(なんだとーーー!!)
(そのようなこと、聞いてはおらぬーー!)
(初耳じゃーー!こら、一角、しかと説明せい)
寄ってたかって騒ぎ立てるあやかし達に向かって、一瞬はたじろいだ三つ目だったが、直ぐに立ち直って胸を張る。
(おお、言い忘れておったが、我と美月殿の縁の強さのおかげか、我は眠らずともこのままずっと美月殿の御側で居られそうじゃ~~!いや~~善き事哉、善き事哉~~)
(何が良き事哉~~、じゃ!このたわけ……!)
(そのようなこと……!許されると思うてか?!)
(そもそもの前提が覆されたのならば、ず、ずるいぞっ?!)
(……わしも、美月様のお家へ行きたいのう)
(……温泉、入りたいのう)
ずるい、ずるいの大合唱の中、つかつかと山姫が三つ目に近づいて行き、べりっと上着をまくり上げ、じっとその下の様子を観察した……。
「ふむ…………確かにのう。…………この様な短期間のうちに、よくもまあここまで回復したものじゃ。不思議なこともあるの。…………まあ、かと言って、元が元じゃ。眠らずに済むと言っても、美月殿から離すには、まだ早い。まだまだ当分はかかろうな」
(そうじゃろう、そうじゃろう。いや~~ごもっともじゃ。我と美月殿とが離れるなど、在り得ぬこと。金輪際、起こるまいがな~~!)
ほっとしたように、何度も何度も頷く三つ目。
それを悔し気に睨み付ける、あやかし第一班……。
それに構わず、山姫は美月に話しかけた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる