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第三章~真実~
なくなった繋がり
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だって、学くんの言葉はいつでも暖かかった。
嘘をついてるようには思えなかった。
「……っ、スマホ返して」
諦めるなんてできなくて。
燿くんの手からスマホを奪い取る。
「ちとせ、もう20回もかけてる。やめろ」
「出てくれないんだもん」
そんなにかけてるつもりはなかった。
でも、学くんと話したくて。
繋がりがほしくて、必死になっていた。
「最後にしろ」
燿くんがはぁっとため息をつく。
「わかった」
さっきまでと同じように、耳にスマホを当てて学くんに電話をする。
──おかけになった電話は……
「電源切れてる……」
「わかったろ?あいつはお前と付き合うつもりなんてないんだよ」
「……っ」
どうしてだろう。
あんなに、優しくあたしを受け止めてくれていたのに。
「ちとせ」
力が抜けて、その場に座りこむあたしを燿くんが同じようにしゃがんで抱きしめる。
「なんでだろう……やっと見つけたと思ったのに」
「うん」
あたしを抱きしめている手は、ポンポンと背中をさすってくれる。
「こんなに辛いこともうないと思ってた」
あたしの人生は辛いことの連続だったから。
親戚の家にいたころの苦しみよりうえにくるものなんてないと思っていた。
「わかったから、もう喋るな。泣きたいだけ泣けばいいから」
燿くんの言葉に次から次へとボロボロと涙が落ちて止まらない。
「燿くんはいつもあたしの味方だね」
「バカ、当たり前だろ。俺を誰だと思ってるんだよ」
ドヤ顔で言う、燿くんにぷっと吹き出してしまう。
「やっと笑った。お前は笑ってるのが一番なんだから。泣くな」
「うん」
「でも、溜め込むなよ。お前は溜め込む癖があるから。どうしようもなくなる前に俺の前で泣け」
燿くんはいつだってこうだ。
ずっとあたしを見守ってくれている。
「ありがとう、燿くん」
燿くんがいたから、この辛い失恋からも立ち直ることができる。
すぐには無理だけど。
燿くんのおかげであたしは前を見れるんだ。
結局、あれから1度だけ学くんに電話をしてみた。
でも、学くんの電話番号はすでに使われていないものになっていて。
もう連絡をとる手段もなかった。
それから1年と少したって、あたしも森ノ宮を卒業してしまったし、学くんとあたしを繋げるものは何ももうなかった。
森ノ宮にいる間は、もしかしたら来てくれるかもなんて思ったりもしてた。
未練たらしいのかもしれないけど、あんなに人を好きになったことはなかったから。
だから、もう一生会うことはないと思っていた相手だった。
記憶の片隅でずっと生き続ける。ずっと好きな人。
だから、悲しい思い出じゃなくて、いい思い出として残しておきたくて、プリクラはずっと手帳に挟んでおいた。
プリクラをたまに見て、思い出す。
それ以上もそれ以下もないはずだった。
あの日までは。
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
嘘をついてるようには思えなかった。
「……っ、スマホ返して」
諦めるなんてできなくて。
燿くんの手からスマホを奪い取る。
「ちとせ、もう20回もかけてる。やめろ」
「出てくれないんだもん」
そんなにかけてるつもりはなかった。
でも、学くんと話したくて。
繋がりがほしくて、必死になっていた。
「最後にしろ」
燿くんがはぁっとため息をつく。
「わかった」
さっきまでと同じように、耳にスマホを当てて学くんに電話をする。
──おかけになった電話は……
「電源切れてる……」
「わかったろ?あいつはお前と付き合うつもりなんてないんだよ」
「……っ」
どうしてだろう。
あんなに、優しくあたしを受け止めてくれていたのに。
「ちとせ」
力が抜けて、その場に座りこむあたしを燿くんが同じようにしゃがんで抱きしめる。
「なんでだろう……やっと見つけたと思ったのに」
「うん」
あたしを抱きしめている手は、ポンポンと背中をさすってくれる。
「こんなに辛いこともうないと思ってた」
あたしの人生は辛いことの連続だったから。
親戚の家にいたころの苦しみよりうえにくるものなんてないと思っていた。
「わかったから、もう喋るな。泣きたいだけ泣けばいいから」
燿くんの言葉に次から次へとボロボロと涙が落ちて止まらない。
「燿くんはいつもあたしの味方だね」
「バカ、当たり前だろ。俺を誰だと思ってるんだよ」
ドヤ顔で言う、燿くんにぷっと吹き出してしまう。
「やっと笑った。お前は笑ってるのが一番なんだから。泣くな」
「うん」
「でも、溜め込むなよ。お前は溜め込む癖があるから。どうしようもなくなる前に俺の前で泣け」
燿くんはいつだってこうだ。
ずっとあたしを見守ってくれている。
「ありがとう、燿くん」
燿くんがいたから、この辛い失恋からも立ち直ることができる。
すぐには無理だけど。
燿くんのおかげであたしは前を見れるんだ。
結局、あれから1度だけ学くんに電話をしてみた。
でも、学くんの電話番号はすでに使われていないものになっていて。
もう連絡をとる手段もなかった。
それから1年と少したって、あたしも森ノ宮を卒業してしまったし、学くんとあたしを繋げるものは何ももうなかった。
森ノ宮にいる間は、もしかしたら来てくれるかもなんて思ったりもしてた。
未練たらしいのかもしれないけど、あんなに人を好きになったことはなかったから。
だから、もう一生会うことはないと思っていた相手だった。
記憶の片隅でずっと生き続ける。ずっと好きな人。
だから、悲しい思い出じゃなくて、いい思い出として残しておきたくて、プリクラはずっと手帳に挟んでおいた。
プリクラをたまに見て、思い出す。
それ以上もそれ以下もないはずだった。
あの日までは。
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
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