俺様御曹司に飼われました

馬村 はくあ

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第二章~悪魔のことが好きなあたし~

婚約者の存在

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「……にしても悪魔が厚岸にいたなんて」



厚岸はあたしが高校まで過ごした場所。
でも、高校はひとつしかないから同じ高校に編入してきたということになる。



「悪魔ほどの人が編入してきたら有名になりそうなもんだけどなぁ……」



あたしが高校2年のときに3年として編入してきたことになる。



「あれ……てことはあたしに似たあの女の人も3年にいたってことだよね」



あの人を追いかけてあの高校に入ったわけだから。

でも、自分に似てる人がいるとかそんなふうに感じなかった。
もしかして、年上だったりするのかな?

その彼女が厚岸にいるからたった一つの高校であるあの高校に編入したとか……?



「一つ上の学年に知り合いいないしなぁ……でも、音哉なら知ってるかも」



音哉はあたしと地元が一緒で。
同じ学校の2つ上にいたらしい。
先輩とあまり関わりがなかったから知らなかったけど。



「厚岸帰ったらなにかわかるのかなぁ……」


そんなことを考えながら、1日仕事を終えた。



✱✱✱



「わっ」



マンションのドアを開けて、エントランスに入ろうとした時、向かいから人が出てきてビックリした。



「あ、驚かせてごめんなさい。大丈夫ですか?」


「あ、全然大丈夫です!」



あたしが勝手に驚いただけなのに、優しいこの人。
すごく可愛らしい女性だった。



「あの……?」



彼女を見てるあたしに不思議そうに首をかしげる。



「あ!ご、ごめんなさい!すごく綺麗だなと……」


「ふふ。ありがとう」



笑い方も上品で、あたしもこんな女性になりたかったと思うくらい魅力的だ。



萌香もえかさん、おまた……せ」



ドアが開いて聞こえてきた好きな人の声。



「……っ」



この人、悪魔の婚約者だ。
咄嗟に直感がはたらいた。

悪魔も萌香さんの隣にあたしがいることに目を見開いている。



「暁さん。行きましょ」


「えぇ……」


「暁さんの部屋であのまま待ってもよかったんだけど、いつまでもいては悪いかなって思って先に出てきちゃった」



ニコッと笑う姿は、やっぱり可愛らしい。



「いてもよかったのに。行きましょうか」



あたしを横目に萌香さんの肩を抱いて歩き出す。



「仕方ない……仕方ない……仕方ない」



あの人は婚約者。
社長にも認められてる人。

あたしはただの恋人。
将来なんてない。
社長にも認められてない。



「……ふぇ」



仕方ないって思ってるのに、涙が出てきてしまう。



「あのままって部屋に入ったってこと……」



悪魔は今日、学校が休みだった。
昼間はなにしていたかなんてわからない。

あのままって、あの部屋で何をしていたの?
2人はきっと、あたしよりも付き合いが長いでしょ?



「不安……」



この前、悪魔の気持ちを聞いた。

〝好きだよ〟
あの言葉はあたしの宝物だ。

でも、社長のこととか婚約者とか。
元カノの存在とか。

不安にさせる材料がありすぎるよ。



「……離れない」



2人で歩いていった後ろ姿が頭にこびりついて離れなかった。
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