学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林

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橋爪 裕翔

第一話

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誠から告白され一週間が経ち、恭介も気持ちが落ち着いてきた頃、教室で誠と談笑をしているとある人物が近ずいてきた

「西蓮寺様!今少しお時間いいですか?」

話しかけて来たのは少し前に恭介に敵意をむき出しにして話しかけて来た人物、医療法人創命会そうめいかい理事長の息子、橋爪はしづめ裕翔ゆうとだった

えぇええぇぇえ!!
この人って前に僕に『調子乗るな!』って言ってきた人じゃない!?

「え、でも…今は……」

恭介は困ったように誠に視線を向ける

「橋爪、恭介が困ってるだろ?それに今恭介は俺と話してるんだ。邪魔をしないでくれ」
「なら後で構わないので少しだけでも時間を貰えないですか?」
「だから、恭介は……」

どどど、どうしよう……!
ま、まぁ時間をとるだけなら承諾しても良いかな……?

「は、橋爪くん!この後、少しだけなら時間とるよ!」
「恭介!?」

誠が驚いたように声を上げる

「ありがとうございます!西蓮寺様!」
「う、うん、大丈夫だよ」
「なら、放課後カフェテリアに来てくれませんか?」
「うん、分かった」
「では放課後、窓際の席でお待ちしていますね!」

裕翔はそう言うと自分の席に小走りで帰って行った

「……本当に良いのか?あーゆうヤツは何を言ってくるか分からないぞ」
「大丈夫だよ。多分……」
「はぁ、恭介はこの学校で生徒序列九位っていうトップクラスの影響力があることを自覚してくれよ」
「それを言ったら、誠は生徒序列一位じゃん」
「俺はそれを自覚してるからな」
「僕だって自覚してるもん!」
「恭介は自覚が足りてない」

誠はそう言って恭介のおでこを軽くデコピンする

「いてっ、でも大丈夫だと思うよ」
「まぁ、学院内で妙なことはしないと思うが……」
「誠は心配し過ぎだよ!」
「はぁ、まぁ十分気をつけろよ。」
「はーい」

次の授業の始まりのチャイムが鳴り、誠は恭介の頭をわしゃわしゃとなでて自分の席に戻って行った

恭介は放課後、カフェテリアで裕翔から何を言われるのか気になりその後もずっと考えていた


◆◇◆


放課後になり、恭介は誠と別れて学院内を走る周回バスに乗ってカフェテリアのある校舎に行く
カフェテリアは円形のガラス張りの建物になっており、周りは綺麗に整備された庭園に囲まれており、生徒たちから人気のある場所だ

「ずっと弁当ばっかりだから来たのは入学前の学校案内の時以来かも……」

恭介が呆然とカフェテリアを眺めていると、カフェテリアの入口の方から声が聞こえた

「西蓮寺様、来てくれたんですね。では行きましょうか」

そう言って裕翔はカフェテリアの奥の窓際の角の席に座った
恭介もそれに続き椅子に座る

「俺は西蓮寺様に、言いたい事があってここに呼んだんです」
「言いたいこと……?」

裕翔はそう言って口を開き、話し始めた
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