ネトウヨのお姫様

花咲蝶ちょ

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6.スマホ取り上げられる

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 李流の悪い予感はあたった。

 女性週刊誌で、
【祈り姫はネトウヨだった?!】 のという見出しが踊った。

「ネトウヨでなにが悪いの?」

 法子は首を傾げる。
 ネトウヨと言われる書き込みはほとんど愛国的な書き込みで、反日するコメントと闘っている。

 それは悪いことではなく当然な事だと法子は思っていた。

『ネトウヨ』と言われて悪い気は全くしないのだ。
 むしろ『愛国者』と言われているようなものだ。

 それなのに、『悪者』ように書かれている意味がわからない。

 それは、ツーチャンネルを良くないモノと思っているマスゴミの策略か、一般人が感じたものなのかは不明だが……


 李流は眉間に指を当てて渋い顔をしている。

「たしかに、愛国者は悪いことではなく当然なことなのですけど、未だに反日左翼の思想が国民の思想になって、愛国者は悪というプロパガンダが蔓延っているのです…」

 法子も覚えがあるし、それが原因でいじめられた。
 はやく、国民が国を愛する国になれば良いと願っていたけれど、十年経ってもなかなか変わらないなんて……

 法子は悲しくなる。
 なぜ国を愛せないのかと……
 いや、ネット上ではいるのだ。
 まだ少ないけれど……
 流石に法子は難しい顔をする。

 そんな法子の心を慰めたいけれど、問題は週刊誌の見出しの意味は祈り姫、皇室を傷つけていることに気づいていない。

「ネトウヨの定義が
【差別主義者、民族主義な発言をする差別主義者】ですからね…
 一般人にはそう取られて、法子様は差別主義者というレッテルを貼られた……という事です。これは皇室に対しても由々しき問題です」

 李流は断言する。
 これをリークした人間が宮中にいると言うことが最大の問題だ。
 それを知っているのは法子の側近の者達しかいない。

「所詮、週刊誌目くじら立てることないじゃないですか?」
 トミがフォローのつもりか口を挟むが、李流はきっと目を釣り上げて、
「女性週刊誌くらいしか皇室のことを良くも悪くも噂にはしないでしょう、それを誰かが流したことが由々しき問題なのです!」
ピシャリとトミの言葉を否定する。
 皇室を汚されたに怒りを李流は怒りを隠さない。

 トミはその容赦無い李流の言葉にへこたれることなく、

「だったら、スマホを本当に使わなければいいのですよ、そもそも李流さんの原因ではないですか」

 李流は一番怪しいのは新人のトミだと思いながら口に出さない。

 ミヤコとトシコの報告で怪しい侍女とも報告を受けているが、まだ確証はないのだから……

 トミの言うとおり一番悪いのは自分だ。

 結局法子に甘く、スマホ取り上げなかったのだから……

 法子の側近たちも気まずい雰囲気が流れる。
 疑われてよい気分しない。

 李流は一つため息をつく。
 法子の側近たちに
「疑うことを言って申し訳ありません……」

 深々と、頭を下げる。

「いえいえ、私達も忠言しなかった事も悪いのですから」

 普通は外にもれないプライベートのことは女性週刊誌の飛ばし記事でもあるけれど、ホントの事でもある。
 それが確実に漏れているのは確かなのだ。

 対策は必要で、まずは改めるのは自分からだ。

 李流は法子の方に向き直ると、すっごい笑顔だった。
 逆にその笑顔が怖い。

「こう、噂が広まったからには、スマホは没収ですね?」

 有無を言わせないと言うよりか言えない。
 李流のスマホが原因かもしれないけれど使ってた自分も原因だ。

 あんなにスマホを返すのを拒んでいたのに、おずおずと素直に返す。
 李流の手にスマホを握らせるのと同時にその手を両手で挟む。

「うー……恋愛アプリもやりたい」
そういうゲームもやってたのか……
「それは私がいる時一緒にやりましょうか?」
 自分との恋愛では不満なのかな?と内心少しショックだった。
 二次元とは違うと思うが……

「じゃぁ、私の部屋でみてくれるか?」
 法子はさらに上目遣いで懇願する。
「え?」
 不意のしぐさにドキッとする、李流は法子の昔言葉に弱い。

 どんな脅しでも、スマホ取られたくないから作戦を変えてみる。

「わたしは李流を信頼してるから部屋で見ても問題無いでしょ?」
 恋人に信頼とは矛盾している……
 降嫁するまで手を出さないつもりでいるけれど

 さらに色気で押してみる。

「スマホでどんなもの読んでるの分かるのは李流だけなら問題なかろう?」

「私達も、法子殿下がネトウヨだと、他言しません!
 姫様の僅かな楽しみを奪わないで頂けませんでしょうか?」
 李流だけが法子に甘いのではなく側近たちもやはり法子に甘かった。

 日和国の若い親王殿下は安泰なほどに沢山お生まれになったけれど、姫巫女になりたる内親王は法子様しかいなかった。

 けれど、五年前に女宮が生まれたので、最低でも5年経てば、祈り姫の任を交代できる。

 祈り姫は宮に隠り祈ることが公務で外の世界は憧れなのだ。
 法子のはツーチャンネルだけではなく、海外反応や我が国がどのように評価されてあるのかを見るのも、文化を動画で見るのも好きだった。

 外に出られない分スマホは外とつなぐアイテムでもあることを李流、側近は知っているから放置した。

「私がいる時限定ですからね」

 顔を背けて譲歩した。
 結局甘い。

「李流ありがとう!」

 法子は李流に抱きつく。
 法子の満面な笑顔は昔から変わらず可愛いと李流は思って頭を畏れながらなでてしまう。

 ずっとスマホいじれないのは辛いけれど、こんなふうに誰にも遠慮無く李流とイチャイチャ出来ると思うと一石二鳥だと法子は思った。

 けれど、二人きりで部屋でスマホを観る。
 それって、念願のプライベート!ホントの恋人の関係が築けるかも!それこそ、週刊誌の大スクープになってしまうかもー!?
と、
 李流が仕事に戻ったあと、侍女たちとキャッキャッと今時の乙女のように話していたことは女性週刊誌の話題にはならなかった。
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