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7.ニダ国暴言、李流の告白
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法子はドキドキしながら部屋で李流を待つ。
夜、公務も一段落した時間。
側近たちを下がらせて、一人で李流を待つ。
スマホを一緒に見るだけだというのにドキドキとそわそわが止まらない。
久しぶりの二人きりだからだ。
側近たちがいる時しか会えなかった。
人がいるから、軽いキスと抱擁だけなのかもしれない……
でも、今夜は二人っきり……
そう思うとキャーっと叫んで両頬を手で挟んでと妄想が止まらない。
「と、とりあえずテレビをつけよう」
テレビをつけたら祝皇陛下のニュースだった。
けれど、ニダ国のニュースに関連しているようで、ニダの大統領が何かまた、日和に対してまた文句を行っているのかと法子は思って、テレビを見続けた。
その報道をみて、ウキウキ気分も吹っ飛んだ。
顔が無表情になるのが自分でもわかる。
本気で怒ると、心はすーと冷たくなることを初めて実感した。
それは、陛下である祖父を侮辱した事=日和の魂を切り裂いたもおなじだからだ。
李流は法子の部屋へ少し小走りで向かう。
少し約束の時間から遅れてしまった。
陰陽寮長の晴房が
「ニダ国にちょっと行ってくる……なぁに、陛下をお招きしたいらしいので、全てを浄化しに行くだけだ…」
かなり本気でニダ国を滅ぼしに行こうとしていたのを陰陽寮皆で必死に行かせないよう止めるのに時間がかかった。
李流は法子の部屋の扉を開けると、異様な黒い煙の様なオーラが部屋からぶあっと吹き抜けた。
それは神がかった気配で、つい先ほど経験した、晴房の怒りのオーラと同じものを感じる。
そんなに遅刻したことをおこったのか、それとも……
恐る恐る中を覗き込む。、
法子はブラックなオーラを背負ったまま、つかつかと李流のもとに近寄って無言で、李流の服をまさぐってスマホを取るとツーチャンネルを開く。
その行動が異様すぎて、李流は慄く。
いつもはキラキラとした幸御霊オーラだが、その真逆て荒御魂オーラになっている。
祈り姫は本来、国民の祈りや思いを受け止め神に伝える。
祝皇は神から与えられた祝福祈りをを民に与えると言われている。
まさにその能力が負の方向に行っているのを見た。
それは、祈り姫として穢(気枯・ケガレ)になる。
今の時間はプライベートといえ、幸せを祈ることが『祈り姫』として法子の今あるべき公の存在なのに……
法子が開いたツーチャンネルは先ほどのニュースの記事が炎上しており、更にテレビでは詳しく書いてない言葉が掲載されていた。
李流もスマホを覗くと、
【ニダ国に来たければ地に頭を擦りつけて謝罪しなければならない】
と、タイトルに書かれていた。
時たまツーチャンネルも飛ばし記事を書くことがあるので元のニュースを開くと、保守系新聞のソースもそのように書いてあった。
テレビでは、少しオブラートにつつむようにテロップで訳されていたけれど、ニダ国の大統領は祝皇に対して最大の侮辱発言をしたのだ。
さすがのTVの左翼キャスターも怒りを禁じえないようだった。
七十年前なら宣戦布告と捉え戦争モノだ。
法子の肩は怒りに震える。
更に読み進めて行くと
【戦犯の日和国の祝皇は我がニダ国に来たければ地に頭をこすりつけて謝れ!
重罪人が土下座もしないで
言葉で謝るフリならふざけた話だ!
そんな馬鹿な話は通用しない損害賠償をもっと払うべきだ!】
コメント
1、キチガイにつける薬なし
2、乞食民族
3、お前が謝れ!こっちが謝罪要求したいわ!
4、キチ害
5、もうすぐ吊し上げがくるから必死ニダーwww
6、おまエラも戦犯だろ
などなど、
コメントも最高に炎上してるし、その意見は法子も同調してしまう。
「お祖父様を、悪く言うなんて許せない……
頭をこすりつけて謝れってなに?
戦犯じゃないのに賠償を無駄に払ってるのになんて言いぐさなの?」
しかも行く予定ないのに勝手にニダ国に行くこと前提て話してる事にも腹が立つ。
「キチ害乞食国家のヒトモドキ民族が隣(国)にいるだけでも寒気がするわ!」
と思いっきり悪態を叫ぶ。
ツーチャンネルの毒舌にハマっている法子もかなりの毒な言霊を発するようになっていた。
「法子様……」
はっ!
と李流の声で法子は我にかえる。
李流のいつもより低い声。
「ほ、滅びろとかいってないからね!だだ……」
李流は無表情の顔をしていた。
これは李流が、絶望と憤っている合図だと最近気づいた。
無表情というよりか、青ざめてもいるようにも見えた。
「……私も…ヒトもどきの『ニダ民族』の血が流れているのです…」
「……えっ」
李流の突然の告白に法子の思考は真っ白になった。
夜、公務も一段落した時間。
側近たちを下がらせて、一人で李流を待つ。
スマホを一緒に見るだけだというのにドキドキとそわそわが止まらない。
久しぶりの二人きりだからだ。
側近たちがいる時しか会えなかった。
人がいるから、軽いキスと抱擁だけなのかもしれない……
でも、今夜は二人っきり……
そう思うとキャーっと叫んで両頬を手で挟んでと妄想が止まらない。
「と、とりあえずテレビをつけよう」
テレビをつけたら祝皇陛下のニュースだった。
けれど、ニダ国のニュースに関連しているようで、ニダの大統領が何かまた、日和に対してまた文句を行っているのかと法子は思って、テレビを見続けた。
その報道をみて、ウキウキ気分も吹っ飛んだ。
顔が無表情になるのが自分でもわかる。
本気で怒ると、心はすーと冷たくなることを初めて実感した。
それは、陛下である祖父を侮辱した事=日和の魂を切り裂いたもおなじだからだ。
李流は法子の部屋へ少し小走りで向かう。
少し約束の時間から遅れてしまった。
陰陽寮長の晴房が
「ニダ国にちょっと行ってくる……なぁに、陛下をお招きしたいらしいので、全てを浄化しに行くだけだ…」
かなり本気でニダ国を滅ぼしに行こうとしていたのを陰陽寮皆で必死に行かせないよう止めるのに時間がかかった。
李流は法子の部屋の扉を開けると、異様な黒い煙の様なオーラが部屋からぶあっと吹き抜けた。
それは神がかった気配で、つい先ほど経験した、晴房の怒りのオーラと同じものを感じる。
そんなに遅刻したことをおこったのか、それとも……
恐る恐る中を覗き込む。、
法子はブラックなオーラを背負ったまま、つかつかと李流のもとに近寄って無言で、李流の服をまさぐってスマホを取るとツーチャンネルを開く。
その行動が異様すぎて、李流は慄く。
いつもはキラキラとした幸御霊オーラだが、その真逆て荒御魂オーラになっている。
祈り姫は本来、国民の祈りや思いを受け止め神に伝える。
祝皇は神から与えられた祝福祈りをを民に与えると言われている。
まさにその能力が負の方向に行っているのを見た。
それは、祈り姫として穢(気枯・ケガレ)になる。
今の時間はプライベートといえ、幸せを祈ることが『祈り姫』として法子の今あるべき公の存在なのに……
法子が開いたツーチャンネルは先ほどのニュースの記事が炎上しており、更にテレビでは詳しく書いてない言葉が掲載されていた。
李流もスマホを覗くと、
【ニダ国に来たければ地に頭を擦りつけて謝罪しなければならない】
と、タイトルに書かれていた。
時たまツーチャンネルも飛ばし記事を書くことがあるので元のニュースを開くと、保守系新聞のソースもそのように書いてあった。
テレビでは、少しオブラートにつつむようにテロップで訳されていたけれど、ニダ国の大統領は祝皇に対して最大の侮辱発言をしたのだ。
さすがのTVの左翼キャスターも怒りを禁じえないようだった。
七十年前なら宣戦布告と捉え戦争モノだ。
法子の肩は怒りに震える。
更に読み進めて行くと
【戦犯の日和国の祝皇は我がニダ国に来たければ地に頭をこすりつけて謝れ!
重罪人が土下座もしないで
言葉で謝るフリならふざけた話だ!
そんな馬鹿な話は通用しない損害賠償をもっと払うべきだ!】
コメント
1、キチガイにつける薬なし
2、乞食民族
3、お前が謝れ!こっちが謝罪要求したいわ!
4、キチ害
5、もうすぐ吊し上げがくるから必死ニダーwww
6、おまエラも戦犯だろ
などなど、
コメントも最高に炎上してるし、その意見は法子も同調してしまう。
「お祖父様を、悪く言うなんて許せない……
頭をこすりつけて謝れってなに?
戦犯じゃないのに賠償を無駄に払ってるのになんて言いぐさなの?」
しかも行く予定ないのに勝手にニダ国に行くこと前提て話してる事にも腹が立つ。
「キチ害乞食国家のヒトモドキ民族が隣(国)にいるだけでも寒気がするわ!」
と思いっきり悪態を叫ぶ。
ツーチャンネルの毒舌にハマっている法子もかなりの毒な言霊を発するようになっていた。
「法子様……」
はっ!
と李流の声で法子は我にかえる。
李流のいつもより低い声。
「ほ、滅びろとかいってないからね!だだ……」
李流は無表情の顔をしていた。
これは李流が、絶望と憤っている合図だと最近気づいた。
無表情というよりか、青ざめてもいるようにも見えた。
「……私も…ヒトもどきの『ニダ民族』の血が流れているのです…」
「……えっ」
李流の突然の告白に法子の思考は真っ白になった。
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