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11.あなただから、愛してる
しおりを挟む例の場所が複数の関係者にバレてから塀は二倍の高さに補正され、地図も変えられてしまったけれど、あつらえられたように、ハシゴが用意されていた。
李流と勉強していたときも、明るく照らしてくれていたのは、晴房だった。
晴房に今回も手助けされていると感謝する。
塀屋根の上に乗り、反対側を見下ろすと、李流がいた。
李流は壁によりかかり考え事をするように腕を組んでいたが、瓦から誰か登ってくるような音がするので、仰ぐと、法子がいた。
李流はあまりのことに目を見開いて驚く。
「やーっぱり、ここにいたのね」
法子は怒ったような、呆れたような口調でわざと言う。
「私を待ってたんでしょ?」
ニマッとドヤ顔をしてやった。
そして、塀屋根から降りる準備をすると、李流はぎょっとして慌てる。
「法子さま!?まさかそこから飛び降りるつもりですか!?」
李流が慌てるのを久々に
見た気がするけど聞く気はない。
「あの頃とは違うんですよ!」
法子は昔のようにエイっ!、と飛び降りた。
「あぁっ!待ったなしですか!」
あの頃とは違うのわかってる。
でも、男らしい体格になった李流は受け止めてくれると信じてる。
李流は法子の腰を要領よくささえ、地に足を付けさせようとしたが、
法子は腕をつっぱり、李流の肩を業と押して、バランスをくずさせる。
バランスをくずされて頭を打たせないように法子は李流の襟首を掴んで、
「……っん!」
顔を引き寄せて口づけをしてやった。
……っはぁっ…と
甘い吐息かお互いをこぼれる。
「法子様……」
「好きよ…」
ドサリ優しくと李流は地に倒れ、法子に馬乗りにされる。
李流は力が抜けた様に動かない。
お互いを何も言わず見つめ合う。
お互い顔が赤い。
甘い雰囲気ただよう。
もう一度キスをしたい……
だが、法子は顔を引き締めて、
「李流がニダ国のものでも、人間じゃなくても何でも構わないわ……
李流…あなたが好きなの……」
愛おしすぎて瞳が潤む。
「法子さま……」
「世界の幸せを祈る『祈り姫』として、ニダ国……をも愛せというなら……」
潤んだはずの瞳は乾いて、法子は荒御魂がまた吹き出しそうなオーラを発しながら、
「アイシテヤルワ……」
角まで生えそうドスの効いた声音で言霊を吐く。
ヤル=殺る
の意味かもしれない……
李流はあまりにも何も怖くて言えなかった。
それが法子の精一杯なのだからしかたがない。
ため息をひとつ吐くと、荒御魂オーラを消して真剣な顔つきに戻る。
「李流が尊敬する『祈り姫』としても、憎しみより愛の力の方が強いと証明してみせるわ」
ニダ国の良し悪しはとことん問い詰めるけどね。
と付け加える。
「正直、私自身、心汚いニダ民族の血を憎んでいたのに……
貴女にこうまで言われるなんて、オレはなんて幸せものなんでしょうか……」
李流は今までに見たことのない清々しい笑顔だった。
ああ、その笑顔が私を幸せにしてくれる……
祈る力になる……
「そうよ、光栄に思いなさい!」
愛しい人がいるから、世界に幸せの気持ちを載せて祈りを捧げることができるのよ……
法子は、昨日李流にされたように、李流の唇をなぞって唇を開けさせた……
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