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9 ロドニーへの謝罪
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「ロドニー様、昨夜はご迷惑をおかけしました」
私は昨晩、ロドニー様に部屋に送られた後、ドレスを脱いで、部屋に備え付けのお風呂にゆっくりと入っていると、突然自分がロドニー様の前で泣いてしまったことを思い出して、羞恥に悶えてしまったのだ。
―――いつも冷静なロドニー様に…醜態を見せてしまった。
お湯に頭まで浸かり、その記憶が流れ出ないかと思うほど恥ずかしくて、湯あたりするまで湯船に浸かってしまった。
そしてロドニー様には謝って、あの醜態を忘れてもらえればと浅はかな考えだが、その気持ちで顔を見た瞬間に思わず声をかけたのだ。
「アシュリー、もう大丈夫か?昨日は――「言わないでください!もう大丈夫ですから!忘れてくださいませ!」
抱きしめられたことを思い出して思わず赤面してしまい、思わず言葉を遮ってしまった。恐れ多くも侯爵家のご令息なのに、子爵家ごときがなんと失礼なことを!と、しまったと思ったけれど、ロドニー様はそんな私を見て、笑い声を上げた。
「ははっ、昨日といい今日といい、君の違う面を見られるなんて私は幸運な男だ」
「なっ、なっ、なにをおっしゃられているのですか!」
「いや、冗談じゃなくて本当にそう思っている。鉄の女と噂される侍女殿の女性らしい一面を知ったのが私だけだという優越感に浸らせてほしいな」
「ロドニー様!」
表情からすると、揶揄って言っているわけではなさそうだけど、もう恥ずかしくて仕方ないのよ。
誰にでも言うような方ではないのもわかるけれど、私からするとロドニー様の顔を見る度に思い出してしまう。力強く抱きしめられて、泣いてしまったあの瞬間を。
顔が熱いから、絶対に赤い顔をしている気がする!ああ、もう!どうしてあの時立ち止まったりしたんだろう。
走ってでも戻ればこんなに恥ずかしい思いをしなくてもよかったのに!
「アシュリー、そんな可愛い顔をしていると――」
「ああ、もう行かないと。ごめんなさいロドニー様。昨夜の事は本当に忘れてくださいませ。お願いします」
言い逃げをするように、顔を腕で隠してその場を立ち去ってしまった。
だって、あれ以上話をしているともう恥ずかしくて、思い出してしまって、まともに顔も見られない。
はぁ…
ロドニー様とは今はそんなに会う機会はないのだけれど、なんだか気まずいなぁ…
こんな失態をするなんて、私もまだまだだわ。
今から気を引き締め直して、カサンドラ様にお仕えしなくちゃ。
私は昨晩、ロドニー様に部屋に送られた後、ドレスを脱いで、部屋に備え付けのお風呂にゆっくりと入っていると、突然自分がロドニー様の前で泣いてしまったことを思い出して、羞恥に悶えてしまったのだ。
―――いつも冷静なロドニー様に…醜態を見せてしまった。
お湯に頭まで浸かり、その記憶が流れ出ないかと思うほど恥ずかしくて、湯あたりするまで湯船に浸かってしまった。
そしてロドニー様には謝って、あの醜態を忘れてもらえればと浅はかな考えだが、その気持ちで顔を見た瞬間に思わず声をかけたのだ。
「アシュリー、もう大丈夫か?昨日は――「言わないでください!もう大丈夫ですから!忘れてくださいませ!」
抱きしめられたことを思い出して思わず赤面してしまい、思わず言葉を遮ってしまった。恐れ多くも侯爵家のご令息なのに、子爵家ごときがなんと失礼なことを!と、しまったと思ったけれど、ロドニー様はそんな私を見て、笑い声を上げた。
「ははっ、昨日といい今日といい、君の違う面を見られるなんて私は幸運な男だ」
「なっ、なっ、なにをおっしゃられているのですか!」
「いや、冗談じゃなくて本当にそう思っている。鉄の女と噂される侍女殿の女性らしい一面を知ったのが私だけだという優越感に浸らせてほしいな」
「ロドニー様!」
表情からすると、揶揄って言っているわけではなさそうだけど、もう恥ずかしくて仕方ないのよ。
誰にでも言うような方ではないのもわかるけれど、私からするとロドニー様の顔を見る度に思い出してしまう。力強く抱きしめられて、泣いてしまったあの瞬間を。
顔が熱いから、絶対に赤い顔をしている気がする!ああ、もう!どうしてあの時立ち止まったりしたんだろう。
走ってでも戻ればこんなに恥ずかしい思いをしなくてもよかったのに!
「アシュリー、そんな可愛い顔をしていると――」
「ああ、もう行かないと。ごめんなさいロドニー様。昨夜の事は本当に忘れてくださいませ。お願いします」
言い逃げをするように、顔を腕で隠してその場を立ち去ってしまった。
だって、あれ以上話をしているともう恥ずかしくて、思い出してしまって、まともに顔も見られない。
はぁ…
ロドニー様とは今はそんなに会う機会はないのだけれど、なんだか気まずいなぁ…
こんな失態をするなんて、私もまだまだだわ。
今から気を引き締め直して、カサンドラ様にお仕えしなくちゃ。
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