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夜会の次の日。
私はカサンドラ様から事情聴取のように話を聞かれたました。
「それで?黒だったのね」
「はい。それも自分には婚約者はいないとおっしゃられていました」
ロドニー様からの報告を受けていたであろう王太子殿下も、目を閉じてカサンドラ様に同意しているような素振りをしていますが、その横に控えるロドニー様はこの話に関しては一応関係者?なのか、いつもは無表情なのに今は何だが怒ってる風な顔をしていますわ。
「なっ…なんですってぇぇ!」
「一緒にいたトレイル伯爵令嬢のことを恋人と明言していらっしゃいましたわ。ロドニー様もお聞きしておりましたし」
「ラトレル様!お兄様!その男、処分してくださいませ!」
カサンドラ様が怒髪天を衝く勢いで怒り始めてしまい、私も思わず固まってしまいました。ここまで感情をあらわにられると、なんか申し訳ない気持ちが湧いてきますわね。
「カサンドラ…落ち着け。だが、処分はなぁ…。まあ、ロドニーが証言すれば、婚約の解消はすんなりとできるだろうが…」
「アシュリー、私でよければいくらでも証言しますよ」
「ありがとうございます。実は、昨日の夜に手紙を書いて朝一番に実家に送ってあるので、すぐにでも返事が来るかと」
両親や兄も、エドウィン様から贈り物の一つもなく、手紙すら送ってこないことに苛立っていたので、今回の事が耳に入れば婚約破棄に同意するのは間違いないはずです。
連絡が来なくなった当初は、父もタウナー伯爵家に文句を言ったと聞いたことがありますが、その時ですら『国境での仕事が大変なのでしょう?落ち着いたら連絡が来ますよ。私どもからも伝えておきますよ』と、面倒だと言わんばかりの言い方をされたと苛立っていたと言っていたはずよね。
それを聞いて、私も『そのまま放っておけばいいのか』なんて考えて今まで来てしまったけれど、それがダメだったのかしら?
いや、一応手紙は出していたのだから、何か言われてもこっちが有利だわ。
「アシュリー、君はどうしたいんだ?婚約は続ける気はないのだろう?」
「はい。もちろん婚約を破棄します。そして、お許しいただけるなら、そのままカサンドラ様の侍女としてお仕えできればと」
「アシュリー!嬉しいわ。いつまでも一緒に居てくれる?もうこんなに嬉しいことはないわ」
カサンドラ様は私に抱き着いて、側に居られることが嬉しいのだと何度も伝えてくれます。
私も嬉しいけど、そんなに喜んでもらえるなんて想定外ですわね。なんだか、これで婚約破棄にならなかったらどうしようかなって、万が一の事を考えてしまいますわ。
「それであればこちらとしても安心だな。ではこちらも必要な書類を準備しよう。もちろん、婚約破棄の書類に記入が済んだら、すぐに受け付けるから安心しているといい」
ニコリと笑顔を浮かべている王太子殿下だったが、その目は笑っていないわね。この方が心から笑う事ってあるのかしら?
でも、協力していただけるのはありがたいので、その心は素直に受け取らせていただきますわ。
「王太子殿下、カサンドラ様、本当にありがとうございます」
「いや、大切なアシュリーの為だからね。気にしないでいいよ」
「そうよアシュリー。ラトレル様の力を遠慮なく使って」
カサンドラ様…それは無茶ですわ。
私はカサンドラ様から事情聴取のように話を聞かれたました。
「それで?黒だったのね」
「はい。それも自分には婚約者はいないとおっしゃられていました」
ロドニー様からの報告を受けていたであろう王太子殿下も、目を閉じてカサンドラ様に同意しているような素振りをしていますが、その横に控えるロドニー様はこの話に関しては一応関係者?なのか、いつもは無表情なのに今は何だが怒ってる風な顔をしていますわ。
「なっ…なんですってぇぇ!」
「一緒にいたトレイル伯爵令嬢のことを恋人と明言していらっしゃいましたわ。ロドニー様もお聞きしておりましたし」
「ラトレル様!お兄様!その男、処分してくださいませ!」
カサンドラ様が怒髪天を衝く勢いで怒り始めてしまい、私も思わず固まってしまいました。ここまで感情をあらわにられると、なんか申し訳ない気持ちが湧いてきますわね。
「カサンドラ…落ち着け。だが、処分はなぁ…。まあ、ロドニーが証言すれば、婚約の解消はすんなりとできるだろうが…」
「アシュリー、私でよければいくらでも証言しますよ」
「ありがとうございます。実は、昨日の夜に手紙を書いて朝一番に実家に送ってあるので、すぐにでも返事が来るかと」
両親や兄も、エドウィン様から贈り物の一つもなく、手紙すら送ってこないことに苛立っていたので、今回の事が耳に入れば婚約破棄に同意するのは間違いないはずです。
連絡が来なくなった当初は、父もタウナー伯爵家に文句を言ったと聞いたことがありますが、その時ですら『国境での仕事が大変なのでしょう?落ち着いたら連絡が来ますよ。私どもからも伝えておきますよ』と、面倒だと言わんばかりの言い方をされたと苛立っていたと言っていたはずよね。
それを聞いて、私も『そのまま放っておけばいいのか』なんて考えて今まで来てしまったけれど、それがダメだったのかしら?
いや、一応手紙は出していたのだから、何か言われてもこっちが有利だわ。
「アシュリー、君はどうしたいんだ?婚約は続ける気はないのだろう?」
「はい。もちろん婚約を破棄します。そして、お許しいただけるなら、そのままカサンドラ様の侍女としてお仕えできればと」
「アシュリー!嬉しいわ。いつまでも一緒に居てくれる?もうこんなに嬉しいことはないわ」
カサンドラ様は私に抱き着いて、側に居られることが嬉しいのだと何度も伝えてくれます。
私も嬉しいけど、そんなに喜んでもらえるなんて想定外ですわね。なんだか、これで婚約破棄にならなかったらどうしようかなって、万が一の事を考えてしまいますわ。
「それであればこちらとしても安心だな。ではこちらも必要な書類を準備しよう。もちろん、婚約破棄の書類に記入が済んだら、すぐに受け付けるから安心しているといい」
ニコリと笑顔を浮かべている王太子殿下だったが、その目は笑っていないわね。この方が心から笑う事ってあるのかしら?
でも、協力していただけるのはありがたいので、その心は素直に受け取らせていただきますわ。
「王太子殿下、カサンドラ様、本当にありがとうございます」
「いや、大切なアシュリーの為だからね。気にしないでいいよ」
「そうよアシュリー。ラトレル様の力を遠慮なく使って」
カサンドラ様…それは無茶ですわ。
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