楽しいスライム生活 ~お気楽スライムはスライム生を謳歌したい~

杜本

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第二章

5.申し訳なさスライム

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「考えたことはなかったが……まぁ、好きか嫌いかで言えば好きかもしれんな」

「ぼ、ぼくもニイム、好きです。えっと……かわいい、ですもんね」

「可愛い……? これがか?」

 ちろり、と視線を寄越すアイン。
 失礼だなぁ、なんだよーボクってば可愛いじゃんかよー。
 色は黒くなっちゃったけど、このぷにぷにボディと愛らしい動きがベリキュー♪ でしょ?

 ――ぽい~ん、ぽよよ~ん♪

 ……っちぇ、アインってばピクリとも反応しないでやんの!

「長いこと見てきたが、可愛いとは思ったことがないな」

「長い、こと……?」

 えっ。
 や、やっぱりストーカーなの?!

「ああ。いつも変な事ばかりしていた。可愛いなどというものではない」

『へ、変ってなんだよー! テキトーに変なこと言わないでよっ』

「適当ではない。スライムになるなど、変以外の何だと言うんだ」

 え、ええー?! ボクの声が聞こえてる!
 っていうか『前のボク』の知り合い?!

「ニ、ニイムの声、聞こえるんですか……?」

「ああ」

『アインのばーかばーか、聞こえてるー?』

「おい……聞こえていると言ってるだろう。馬鹿はお前だ」

 ばっちり聞こえてるみたいだ。てへっ。

『アインって、前のボクの知り合い?』

「お前、記憶が無いのか?」

「ニイム……前のって、なに?」

 あ、しまった!
 転生したってこと、フェリには言ってなかったんだった。

「なんだオメーら、何の話してんだ?」

「何か問題でもあったのか?」

「なんだったら、私たちで相談に乗るよ?」

 わー! クリス達も聞いてるんだった!
 どうしよう……あんまり色んな人に言わない方が良いよね?

『アイン、こっち来て! フェリはみんなとちょっとだけ待ってて!』

「う、うん……」

 ――ぽいんぽいんぽいんっ

 アインと二人だけで部屋の隅に移動する。
 この位置なら話し声はそこまで聞こえない……はず!
 はたから見たらアインは、スライムと話し込む変な人だけど。
 まぁ、それはいいや。

「おい、記憶が無いのか?」

『ほんのちょっとはあるよ。前はスライムじゃない何かだったってこととか、自分の意思で転生したってこととか』

「周りにいた者の記憶は?」

『名前が分かるのはリーリオぐらいかなぁ』

 もう一人、中二病の真っ黒い人がいたけど……あの人の名前は分からない。
 でも顔が違うしダークエルフじゃないし、アインじゃないのは確かだね。

「……そうか」

 ちょっと残念そう、かな。
 アインってやっぱり前のボクの知り合いなんだ。

『わ、忘れてゴメンね? でも今ちょっとずつ思い出してるところだから! そのうちアインのことも思い出すはずだから!』

「別に、どちらでもいいさ」

『うぅ……ゴメンってばぁ~……』

 自分が覚えてるのに相手に忘れられてるなんて、悲しいよね……。

『また進化したときにドバーっと思い出すと思うから、もうちょっと待ってて! あっ、ネタバレしちゃダメだからね?! ボク、絶対アインのこと思い出すから!』

「……お前がそう言うのなら」

『良かった~。ゴメンね、ありがとう!』

 こうなったら気合入れてレベル上げないとね!
 まったりのんびりやってちゃ、アインに申し訳無さすぎるよぉ。
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