43 / 58
第二章
6.温まるスライム
しおりを挟む
「それよりも、パーティーの奴らには何と説明するんだ」
『うっ、それもあったんだった……』
フェリになら全部話してもいいんだけど、またクリス達への秘密が増えちゃうしなぁ。
かといって、クリス達に全部話すのは……だめだよねぇ、信じてもらえないと思う。
クリス達が悪いわけじゃないけど、それぐらい『喋る転生スライム』って変だもん。
うーん……仕方ない。ちょっとだけ誤魔化しちゃおう。
『フェリには前のボクのことは一旦伏せておくよ。ボクはスライムとして生まれた頃の記憶が無くて、その頃にアインと出会ったことにしよう」
「良いだろう」
生まれる、アインと出会う、記憶喪失になる、フェリと出会う。
うん、これならバッチリだ!
『そういえば、アインは何でスライムのボクと話せるの? フェリと同じでテイマーの資質持ち?』
「そうだ。使ったことのない物も多いが、大抵の資質や適正は持っている」
「そ、そうなんだ……」
チートだ、チートキャラだ……。
そんなに強くて才能もあるのに、何でボクと知り合いだったんだろ?
……気になるけど、頑張って自力で思い出さなきゃね!
このままじゃアインに悪いもん!
『じゃあフェリを呼ぶから、アインも適当に合わせてね』
「わかった」
『フェ~リ~! 来て来て~!』
――ぽいーん、ぽいーん!
こっちをチラチラと気にしてたフェリが、おずおずと近づいてくる。
真実をちょっぴり混ぜながら話してみたら、フェリはあっさりと信じてくれた。
「そっか……ニイムって、生まれた頃のきおく、無いんだね……」
『そうなの~。特に困ったこともなかったから、これまで気にしたことなかったんだけどね」
「お前――ニイムの声が俺にも聞こえることは、他のメンバーにも言っておいた方がいいんじゃないか」
『そうだね。クリス達も気にしてるだろうし、説明しに戻ろう!』
二人と一匹でクリス達のところに戻って、事情を説明する。
特に怪しまれることもなく、三人はすぐに納得してくれた。
「へぇ、アインって本当に多才なんだな。羨ましいよ」
「しっかしオメー、従魔でもない野良スライムと知り合いって……ヘンな野郎だな」
「ちょっとシーロ、言葉は選びなさいよ! ごめんね、アイン!」
「いや、別に気にしてない」
「そ、そう……?」
ボクが喋るってことについては、クリス達もすぐに信じてくれたみたいだ。
ま、フェリとはよく話してたもんね。
普通のテイマーと従魔でもコミュニケーションはとれるんだから、そう信じがたい話でもなかったのかな。
「それよりも、今日はこのまま野営で良いのか。まだ早い時間だが」
「あぁ、明日はボス部屋に行ってみようかと思ってね。早めに寝ようと思ってるんだ」
「ファスールダンジョンの中ボス……10階の主か。分かった」
「頼りにしてんぜ~、マジックナイトさんよ」
「ちょっと、目標はあくまでもアイン抜きでの討伐だからね!」
「わーってるって」
明日は初の大物バトルかぁ。ボク、役に立てるかなぁ。
攻撃は体当たりだけだし、回復は傷口に触れてなきゃダメだし……ムリかも……。
いやいや、弱気はダメだよねっ!
中ボスは大きなミノタウロスだって話だから、隙を見て後ろからアタックすればいけると思う。
回復だって一旦下がってもらえたら出来るんだし、やれることはあるはずだ。
スライムでも頑張って参加するんだいっ!
「じゃあ交代で睡眠を取ろう。悪いけど、アインとニイムは先に見張りをお願いできるか?」
「問題ない」
『お、おぉぅ……オッケー!』
まだ二人きりはちょっと気まずいけど……むしろこれはチャンスだよね?!
いっぱい話して打ち解けて、あわよくば記憶を思い出すきっかけになるかも!
『よーし、アイン、色んなこと話そうよ! ボクも今まであったこと、いっぱい話すからさ』
「……見張りは忘れるなよ」
『もちろんだよっ!』
こうしてしばらくの間、旧交を温めるボク達だった。
『うっ、それもあったんだった……』
フェリになら全部話してもいいんだけど、またクリス達への秘密が増えちゃうしなぁ。
かといって、クリス達に全部話すのは……だめだよねぇ、信じてもらえないと思う。
クリス達が悪いわけじゃないけど、それぐらい『喋る転生スライム』って変だもん。
うーん……仕方ない。ちょっとだけ誤魔化しちゃおう。
『フェリには前のボクのことは一旦伏せておくよ。ボクはスライムとして生まれた頃の記憶が無くて、その頃にアインと出会ったことにしよう」
「良いだろう」
生まれる、アインと出会う、記憶喪失になる、フェリと出会う。
うん、これならバッチリだ!
『そういえば、アインは何でスライムのボクと話せるの? フェリと同じでテイマーの資質持ち?』
「そうだ。使ったことのない物も多いが、大抵の資質や適正は持っている」
「そ、そうなんだ……」
チートだ、チートキャラだ……。
そんなに強くて才能もあるのに、何でボクと知り合いだったんだろ?
……気になるけど、頑張って自力で思い出さなきゃね!
このままじゃアインに悪いもん!
『じゃあフェリを呼ぶから、アインも適当に合わせてね』
「わかった」
『フェ~リ~! 来て来て~!』
――ぽいーん、ぽいーん!
こっちをチラチラと気にしてたフェリが、おずおずと近づいてくる。
真実をちょっぴり混ぜながら話してみたら、フェリはあっさりと信じてくれた。
「そっか……ニイムって、生まれた頃のきおく、無いんだね……」
『そうなの~。特に困ったこともなかったから、これまで気にしたことなかったんだけどね」
「お前――ニイムの声が俺にも聞こえることは、他のメンバーにも言っておいた方がいいんじゃないか」
『そうだね。クリス達も気にしてるだろうし、説明しに戻ろう!』
二人と一匹でクリス達のところに戻って、事情を説明する。
特に怪しまれることもなく、三人はすぐに納得してくれた。
「へぇ、アインって本当に多才なんだな。羨ましいよ」
「しっかしオメー、従魔でもない野良スライムと知り合いって……ヘンな野郎だな」
「ちょっとシーロ、言葉は選びなさいよ! ごめんね、アイン!」
「いや、別に気にしてない」
「そ、そう……?」
ボクが喋るってことについては、クリス達もすぐに信じてくれたみたいだ。
ま、フェリとはよく話してたもんね。
普通のテイマーと従魔でもコミュニケーションはとれるんだから、そう信じがたい話でもなかったのかな。
「それよりも、今日はこのまま野営で良いのか。まだ早い時間だが」
「あぁ、明日はボス部屋に行ってみようかと思ってね。早めに寝ようと思ってるんだ」
「ファスールダンジョンの中ボス……10階の主か。分かった」
「頼りにしてんぜ~、マジックナイトさんよ」
「ちょっと、目標はあくまでもアイン抜きでの討伐だからね!」
「わーってるって」
明日は初の大物バトルかぁ。ボク、役に立てるかなぁ。
攻撃は体当たりだけだし、回復は傷口に触れてなきゃダメだし……ムリかも……。
いやいや、弱気はダメだよねっ!
中ボスは大きなミノタウロスだって話だから、隙を見て後ろからアタックすればいけると思う。
回復だって一旦下がってもらえたら出来るんだし、やれることはあるはずだ。
スライムでも頑張って参加するんだいっ!
「じゃあ交代で睡眠を取ろう。悪いけど、アインとニイムは先に見張りをお願いできるか?」
「問題ない」
『お、おぉぅ……オッケー!』
まだ二人きりはちょっと気まずいけど……むしろこれはチャンスだよね?!
いっぱい話して打ち解けて、あわよくば記憶を思い出すきっかけになるかも!
『よーし、アイン、色んなこと話そうよ! ボクも今まであったこと、いっぱい話すからさ』
「……見張りは忘れるなよ」
『もちろんだよっ!』
こうしてしばらくの間、旧交を温めるボク達だった。
0
あなたにおすすめの小説
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
幼子家精霊ノアの献身〜転生者と過ごした記憶を頼りに、家スキルで快適生活を送りたい〜
犬社護
ファンタジー
むか〜しむかし、とある山頂付近に、冤罪により断罪で断種された元王子様と、同じく断罪で国外追放された元公爵令嬢が住んでいました。2人は異世界[日本]の記憶を持っていながらも、味方からの裏切りに遭ったことで人間不信となってしまい、およそ50年間自給自足生活を続けてきましたが、ある日元王子様は寿命を迎えることとなりました。彼を深く愛していた元公爵令嬢は《自分も彼と共に天へ》と真摯に祈ったことで、神様はその願いを叶えるため、2人の住んでいた家に命を吹き込み、家精霊ノアとして誕生させました。ノアは、2人の願いを叶え丁重に葬りましたが、同時に孤独となってしまいます。家精霊の性質上、1人で生き抜くことは厳しい。そこで、ノアは下山することを決意します。
これは転生者たちと過ごした記憶と知識を糧に、家スキルを巧みに操りながら人々に善行を施し、仲間たちと共に世界に大きな変革をもたす精霊の物語。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる