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第二章
4.怯えるスライム
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新たな仲間、アインと共にファスールダンジョンに向かうボク達。
その道すがら、ボクは恐怖に怯えていた……。
――ぷるぷるぷる……
『フェリぃ……いざとなったらボクを守ってね……』
「だ、大丈夫……ニイムはボクが守ってみせる、よ!」
「フェリぃ~……!」
日に日にアインの熱視線が厳しくなる中……ボクは改めて身の危険を感じているんだ……ッ!
だってヒマなときはずっとこっち見てるし、この前は町を歩いてる時に「俺に抱かせてくれ」なんて言ってたんだよ?!
フェリが断ってくれなかったら……ボクは……ボクは……今頃アインの腕の中に?!
「心配するな。俺がいれば危険はほとんど無い」
「あっ、アインさん……ありがとう、ございます……」
「ああ」
フェリが怖がって独り言を言ってるのかと思ったのか、当のアインが声を掛けてくれる。
……違う、違うんだ。
怖いのはモンスターじゃないんだ……君なんだよぉ……。
「今回はアインがいるおかげで少し気が楽ね~」
「油断しちゃいけねぇとは分かっちゃいるが……確かになぁ」
「戦闘は基本的にアイン抜きだ。そんなに変わらないだろう?」
「それでも最後にはアインがいるんだーって思ったら、全然違うよ!」
レベルに差があり過ぎるクリス達とアイン。
みんなで話し合って、アインはいざという時の用心棒的ポジションに収まることになった。
これならクリス達のレベルも上がるし、安全も確保できる。
収入は全員で山分けになるけど、アインほどの護衛を雇うことに比べたら、驚きの安さだ。
それでも良いってアインは言うんだから、やっぱり変だよねぇ……。
ブラックスライムのボクに固執してるからよっぽどスゴイ荷物でもあるのかと思いきや、そうでもなかった。
フツーの荷物だけ。冒険者なら皆が持ち歩くような物ばっかり。
ほんと、何でボクに拘ってるんだろ……?
「……町の外では抱えて歩かないのか?」
「えっ、ニイムを、ですか……? 町は、普通の人がいっぱいいる、ので……」
『人がビックリしないように抱えてもらってるだけだもんねー、フェリ~』
ボクは自分で歩ける。
だからアインに抱っこされなくても大丈夫!
ホントに! のー・さんきゅー! だから!!
――ぽいんぽいんぽいーんっ
「そうか」
「は、はい……」
「……」
アインは基本、無口だ。誰ともあんまり喋らない。
喋る相手はフェリが多いけど、内容はボクのことだったりするから……ちょっと微妙だよね。
こんな感じでホントに仲良くやっていけるのかなぁ。
***
「はい。アインさん、どーぞ」
「ああ」
温めたスープをセシリアがアインに手渡す。
町を出てから3日。
順調に地下10階まで進んだボク達は、夕食を手に小部屋で休憩を取っていた。
やっぱり次元収納って便利だよね~。
こんな場所でも暖かい食事が作れるんだからさ!
「にしても、よくもアッサリ10階まで来れたもんだよなぁ」
「アインのおかげだな。切り札があると思うと、俺達も全力を出せるわけだし」
「だねー!」
「………」
「それに一度アインに助けてもらう場面があったけど、さすがの剣さばきだったな」
「うんうん! しかも付与してた魔法もすごくてビックリした~!」
「……」
自分が話題に上っても特に反応しないアイン。
大人しいフェリもあまり喋らないけど、コレは……ちょっと……。
「……えっと……アイン。スープの味、どう?」
「問題無い」
「そ、そう……」
「………」
……会話が続かなぁーい!
ホントもう、この人なんでパーティーに入ってきたの?!
「あっ、あのっ……!」
おおっ、見かねてフェリちゃんがいった!
「えっと……その……アインさん、ニイムのこと、好き……なんですか?」
うーん、そうきたかー!
話せそうな話題がボクのことしかないとはいえ、ボクは空気でいたかったなー、なんて!
「……好き……?」
その道すがら、ボクは恐怖に怯えていた……。
――ぷるぷるぷる……
『フェリぃ……いざとなったらボクを守ってね……』
「だ、大丈夫……ニイムはボクが守ってみせる、よ!」
「フェリぃ~……!」
日に日にアインの熱視線が厳しくなる中……ボクは改めて身の危険を感じているんだ……ッ!
だってヒマなときはずっとこっち見てるし、この前は町を歩いてる時に「俺に抱かせてくれ」なんて言ってたんだよ?!
フェリが断ってくれなかったら……ボクは……ボクは……今頃アインの腕の中に?!
「心配するな。俺がいれば危険はほとんど無い」
「あっ、アインさん……ありがとう、ございます……」
「ああ」
フェリが怖がって独り言を言ってるのかと思ったのか、当のアインが声を掛けてくれる。
……違う、違うんだ。
怖いのはモンスターじゃないんだ……君なんだよぉ……。
「今回はアインがいるおかげで少し気が楽ね~」
「油断しちゃいけねぇとは分かっちゃいるが……確かになぁ」
「戦闘は基本的にアイン抜きだ。そんなに変わらないだろう?」
「それでも最後にはアインがいるんだーって思ったら、全然違うよ!」
レベルに差があり過ぎるクリス達とアイン。
みんなで話し合って、アインはいざという時の用心棒的ポジションに収まることになった。
これならクリス達のレベルも上がるし、安全も確保できる。
収入は全員で山分けになるけど、アインほどの護衛を雇うことに比べたら、驚きの安さだ。
それでも良いってアインは言うんだから、やっぱり変だよねぇ……。
ブラックスライムのボクに固執してるからよっぽどスゴイ荷物でもあるのかと思いきや、そうでもなかった。
フツーの荷物だけ。冒険者なら皆が持ち歩くような物ばっかり。
ほんと、何でボクに拘ってるんだろ……?
「……町の外では抱えて歩かないのか?」
「えっ、ニイムを、ですか……? 町は、普通の人がいっぱいいる、ので……」
『人がビックリしないように抱えてもらってるだけだもんねー、フェリ~』
ボクは自分で歩ける。
だからアインに抱っこされなくても大丈夫!
ホントに! のー・さんきゅー! だから!!
――ぽいんぽいんぽいーんっ
「そうか」
「は、はい……」
「……」
アインは基本、無口だ。誰ともあんまり喋らない。
喋る相手はフェリが多いけど、内容はボクのことだったりするから……ちょっと微妙だよね。
こんな感じでホントに仲良くやっていけるのかなぁ。
***
「はい。アインさん、どーぞ」
「ああ」
温めたスープをセシリアがアインに手渡す。
町を出てから3日。
順調に地下10階まで進んだボク達は、夕食を手に小部屋で休憩を取っていた。
やっぱり次元収納って便利だよね~。
こんな場所でも暖かい食事が作れるんだからさ!
「にしても、よくもアッサリ10階まで来れたもんだよなぁ」
「アインのおかげだな。切り札があると思うと、俺達も全力を出せるわけだし」
「だねー!」
「………」
「それに一度アインに助けてもらう場面があったけど、さすがの剣さばきだったな」
「うんうん! しかも付与してた魔法もすごくてビックリした~!」
「……」
自分が話題に上っても特に反応しないアイン。
大人しいフェリもあまり喋らないけど、コレは……ちょっと……。
「……えっと……アイン。スープの味、どう?」
「問題無い」
「そ、そう……」
「………」
……会話が続かなぁーい!
ホントもう、この人なんでパーティーに入ってきたの?!
「あっ、あのっ……!」
おおっ、見かねてフェリちゃんがいった!
「えっと……その……アインさん、ニイムのこと、好き……なんですか?」
うーん、そうきたかー!
話せそうな話題がボクのことしかないとはいえ、ボクは空気でいたかったなー、なんて!
「……好き……?」
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