じばく男と肉欲処女

釧路太郎

文字の大きさ
14 / 48
淫欲八姫

第14話 隣で寝ることにするね。

しおりを挟む
 四階にたどり着くと扉が一つあるのだが、それ以外には何もなかった。
 本当に一部屋しかないのだ。

 俺が触ってもピクリともしなかった扉もアスモちゃんは難なく開けていた。
 一体どういう魔法を使ったのだろうと思ったのだが、俺と違いアスモちゃんはこの部屋の鍵を持っているというだけの話だった。

 玄関のようになっている場所で靴を脱ぎ、目隠しを抜けて中へ入ると、そこにはアスモちゃんが言っていた通りにたくさんのベッドが並んでいた。
 ありえない話ではあるが、修学旅行の部屋割りで男子全員がこの部屋に泊まることがあっても困らないくらいにはベッドが並んでいたのである。
 中には眠りづらそうなベッドもあるのだけれど、大半は気持ちよく寝られそうなベッドばかりだ。

 ベッドが沢山あるのは事実だったので良いのだが、それとは別に気になることがあった。

「ベッドが沢山あるのはわかったんだけど、今日泊まる部屋ってベッドルームはここだけなの?」
「そうだよ。寝るのはこの部屋だね。他には、お風呂とシャワーと露天風呂とスケスケシャワールームとトイレがあるだけかな。寝るだけの施設だからベッドが多いんだけど、“まーくん”が最初に寝てたあの固い板よりはどれも寝やすいと思うよ。どれを選んでも間違いないんじゃないかな」
「それってさ、ちょっとまずくない?」
「何がまずいのかな。別に寝るだけだから気にすることないでしょ」
「いや、ベッドが沢山あるって言っても、同じ部屋で俺とアスモちゃんが寝るのは良くないんじゃないかな。年頃の男女が同じ部屋で寝るのって、あんまり良くないと思うんだけどな」
「そうかな。オレは“まーくん”が相手だったら別に気にしないけど。もしかして、寝言とかいびきとか激しい感じだったりする?」
「それはわかんないけど、そういうのじゃなくて、同じ部屋ってのは良くないと思うんだけど」

「気にしすぎだって。変なことしないから大丈夫だって。オレは寝相悪くないし、寝ぼけて“まーくん”を攻撃したりとかしないから。そこだけは安心していいよ。それに、“まーくん”を狙うやつが急にやってくる可能性もあるからね。ほら、さっきのホクロ付き巨乳女とかその辺に立っていた薄着の女たちとか、他にも“まーくん”を殺そうとしてるやつがいるからね。そんな奴らから“まーくん”を守るのも俺の役割だから。警護対象は近くにいてくれた方がオレとしても助かるんだよ」

 俺を狙うやつがいるというのは何となく感じていた。
 イザーちゃんが俺をこの世界に呼んだという事は、何か俺にやって欲しいことがあるという事だろう。
 この世界のために何か重要なことをするためにやってきた俺。そんな俺を始末したいと思う勢力があったとしてもおかしくはないだろう。
 名も無き神の軍勢というのがおそらくイザーちゃんの敵なのだろうが、そいつらを倒すために俺に秘められた力が必要になるのだろう。
 そして、そんな奴らは俺が邪魔だからすぐにでも消してしまいたい。
 そう考えると、アスモちゃんが言っている、俺を殺そうとするやつがいるというのにも納得がいくというものだ。

「わかったよ。頼りない俺をアスモちゃんは守ってくれるって事なんだね。それじゃあ、アスモちゃんはどれを使って寝たいのかな。それはその近くのベッドにするよ」
「うーん、オレは正直どれでもいいんだよね。体質的にあんまり深く眠ることが無いんで、どれであってもあまり変わらないんだ。だから、“まーくん”が先に決めていいよ。オレは“まーくん”の隣で寝ることにするからさ」
「それなら、一通り確かめてから決めることにするよ」

 確かめると言いつつも、その違いが良くわかっていない俺はどれが寝やすいのかわからなかった。
 普段寝ているのと似ているベッドにした方が良いのか、せっかくだから広いベッドにした方が良いのか、どちらが今の俺にとって寝やすいのだろうか。
 正直に言うと、適当に選んだところであまり変わらないんじゃないかと思う。

 イザーちゃんの部屋にあったベッドに似ているのがいくつかあったのでそれは避けるとして、それ以外であればどれを選んだところで大きな違いはないだろう。
 一通り触ってみたり横になってみた結果、普段使っているベッドに似ているのが一番という事に気付いた。
 あまり豪華ではない質素と言った方がよさそうなベッドではあったが、マットの固さもちょうどいいのでいつも通りには眠れそうだ。

「俺はこのベッドにするよ。普段使ってるのに似てる感じだし、マットの固さもちょうどいいからね。このベッドだと普通に眠れそうだよ」
「へえ、“まーくん”って普段こんな感じのベッドで寝てるんだ。他のよりも普段使いには良さそうだね。いい選択だと思うよ。それなら、オレは“まーくん”の隣で寝ることにするね」

 アスモちゃんは持っていた荷物を空いているベッドに置くと、壁際に置いてあった小さなテーブルを持ってきた。
 俺はその横に置いてあった小さな椅子を運んでささやかな宴会の準備をしていた。
 小さなテーブルに乗りきらないくらいの食べ物と飲み物があったのでテーブルには乗り切らなかったが、全部をすぐに消費するわけでもないのであまった物は冷蔵庫にしまっておいた。
 テレビが無いだけで俺が泊まったことのあるホテルとあまり設備は変わらず、俺のいた世界とあまり変わらないのだなと思っていた。
 ただし、そこらへんに書かれている文字は一文字も理解出来なかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

処理中です...