じばく男と肉欲処女

釧路太郎

文字の大きさ
32 / 48
淫欲八姫

第32話 オレが寝ている間に変な事したの?

しおりを挟む
 いつの間にかちゃんと眠ることが出来ていた俺は身動きが取れなくなっていた。
 その原因は、アスモちゃんが俺のお腹の上に座っていたからだった。どうして俺の上にアスモちゃんが乗っているのかわからないが、アスモちゃんは特別力を入れているようにも見えないのに俺は体を動かすことが出来なかった。
 指先や瞼は辛うじて動いてはいるのだけれど、それは俺の意志とは無関係に動いていた。

「“まーくん”の体から雌の匂いがしてるんだけど、それってどういう事なのかな?」

 雌の匂いがしていると言われても、俺はエッチなサキュバスのお姉さんと話をしていただけでしかないから匂いがうつるとは思えない。どちらかというと、一緒に寝ていたアスモちゃんの匂いがうつったのではないかと思うのだけれど、アスモちゃんはそれを認めはしないだろう。
 しかし、俺は声を出すことが出来ないので反論する事も出来なかった。

「オレが寝ている間に何かイヤらしい事とかしに行ってないよね?」

 アスモちゃんの言葉を否定しようにも声も出せず体も動かすことが出来ない状況なので反応を返すことが出来ない。
 真っすぐに見つめることでわかってもらえるかと思っていたのだけれど、俺が見つめるとアスモちゃんはそっと目を逸らしてしまった。目を逸らされてしまっては俺の思いを伝えることは出来ないのだが、それほどアスモちゃんは怒っているという事なのだろう。
 その怒りは全く持って理不尽なモノだと思うのだが、今の俺にはそれを伝える手段が無いというのがもどかしい。
 どうにかして真実を伝えたいのだが、どうすればいいのか正解がわからなくて困ってしまう。

 それにしても、体が小さいからなのか俺の上に乗っているアスモちゃんの重さをほとんど感じなかった。
 ほんのりとした温かさは感じているのだけれど、重いという感じは一切ないのだ。
 それなのにもかかわらず、俺は指先すら動かすことが出来ない。完全に体を押さえつけられている状態になっているのだが、アスモちゃんは俺のお腹の上に座っているだけなのでどうやって押さえつけているのかはわからない。
 何か不思議な力で押さえつけられているのかもしれないが、不思議と不快な感触はなかった。
 相変わらずアスモちゃんは俺から目を逸らしたままなのだが、ちょっとだけ横目で見てくる顔がいつもより幼さを感じさせていた。

「オレが寝ている間に変な事したの?」

 答えることが出来ない俺はその問いかけを必死に否定しようとしているのだが、その思いがちゃんと伝わったようでホッと胸をなでおろした。
 だが、ちゃんと伝わっているはずなのにアスモちゃんは俺のおでこをピシッと叩いて怒っているように見えた。

「オレは一度寝ちゃうと完全に回復するまで目が覚めないんだよ。だから、オレが寝ている時は無防備になっちゃうんだよね。そんな時は何をされても抵抗なんて出来ないから寝る場所はいつも決まってるんだけど、今は“まーくん”が一緒だから大丈夫だって安心してたんだよ。それなのに、“まーくん”はオレを置いてどこかで雌と遊んでたってことだもんね。誰かもわからないような雌と遊ぶよりも、オレの近くにずっといてほしかったな。それはちょっと残念だよ」

 俺は言葉にならない叫びを続けていたのだけれど、俺の言葉は何一つとしてアスモちゃんに届きはしなかった。
 言葉が出ないだけではなく呼吸も出来ていないような気がするのだが、そんなに苦しくないというのは不思議な感覚だった。
 体も動かすことが出来ず呼吸も出来ていないのに苦しいという思いは一切なかった。むしろ、いつもよりも体が軽くなっているように感じていた。

「あ、ごめん。その状態だと何も出来なかったよね。すぐに戻すからちょっと待ってて」

 アスモちゃんは謎の発光体を俺の体に乗せていた。それをゆっくりと俺の体に押し込むように体重をかける。何をしているのかさっぱりわからないが、その発光体が俺の体に徐々に浸透していくと、少しずつ体の感覚が戻って行った。
 アスモちゃんの体温だけではなく重さも感じるようになっていき、瞼も指も動かせるようになっていた。
 しばらくすると、顔も動かせるようになっており、俺は昨日の夜にあった出来事を話せるようになっていた。
 言いたいことが言えるのがこんなに大切な事なのかと実感させられる出来事だったが、どうやら俺はその勢いで言わなくてもいいようなことまで行ってしまったようだ。


「“まーくん”がサキュバスに何もされなかったのは良かったけど、これからはオレが寝る時には対策をしっかり立てないとダメだね。昨夜のサキュバスは引き際を心得ていたからよかったんだけど、普通のサキュバスだったら“まーくん”は今頃あっちの世界でおかしくなってたかもしれないからな。そうなってたら、八姫とか名も無き神の軍勢とかどうでも良くなってたかもしれないんだよ。実際にどうなってもいいとは思うんだけど、面倒なことに巻き込まれるのだけは勘弁してね」

 しっかりと戸締りをしていなかったのは悪いと思うのだが、それはアスモちゃんにも言えることだと思う。
 俺はこの部屋がオートロックだと勝手に思い込んでいたのが原因なのだ。
 日本とよく似ている文明レベルのこの街がオートロックではなく手動で鍵をかけなくてはいけないなんて思ってもみなかった。
 ただの言い訳にしか過ぎないが、戸締りをしていないからと言って、勝手に入ってくるのもどうかと思う。

「鍵さえしておけばあいつらは勝手に入ってこれないからね。ベランダもテラスも鍵はないけど、そっちが正式な入口じゃないから入ってくることはないだよ。本当に何もなくてよかったよ」

「指を咥えられただけで済んで良かったよ」

 どうやら俺はまた余計なことを言ってしまったようだ。
 アスモちゃんは俺の指をじっと見つめ、何かを考えているようだった。

 何を考えているかはわからないが、ベッドから出るのが怖くなったからと言ってそのままにせず、ちゃんと手を洗っておけばよかったと心から後悔していた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

処理中です...