12 / 234
第一章〜ユニオンレグヌス〜
5話✡︎ウィンダム✡︎
しおりを挟む丁度その時サイスに居るエレナが、ハッと目を覚まし慌ててベッドから飛び起き水鏡に魔力を送り覗きこんで、女神の祝福の力を高めると全身が水色に輝きだす。
そして手を握り声を出して祈り始めた。
「大いなる風の女神ウィンディア、エヴァの巫女として祈ります。
我が娘を愛して下さり嬉しく思います。
ですがまだ娘は巫女に相応しくなく命を削ってしまいます。
どうか我が娘にお与え下さった祝福をお解きください……
母として……巫女として……
切に願い祈りを捧げます……」
そう祈ると締め切った部屋の中にもかかわらず、エレナを優しい風がそっと包み込み、そっと離れていく。そして風が部屋から消えると、水鏡を見てユリナの様子を伺った。
するとユリナの髪の色が薄くなって行くのが止まった。
ユリナはうっすらと開いた目でカナを見て。
「大丈夫、少し……休みます……そのままお母さんのところに……」
そうユリナは弱々しく言うと静かに眠りについた。
カナは直ぐに数名の弓兵に指示をだし、荷馬車に横になれる空間を作り出して、ユリナを休ませた、
「ユリナ様失礼します。」
カナはそう言うとユリナのお腹に直接手をあて、口元に軽く指をあて何かを確かめる。
「良かった、まだ魔力が残ってる。」
カナがそう言うと、エレナもほっとして水色の輝きも消えて行ゆく。
そして部屋の机の引き出しをあけ、小さな小箱とりだし、その小箱を優しい瞳で見つめる
「ユリナにもこれが必要な時期が、来たのかな」
そう優しい声で呟いた。
エレナは水鏡をまた見つめユリナが寝ている様子を伺う、横にカナが付き添っている。
護衛隊は再出発したようで馬車は軽く揺れていた。
ユリナの寝顔を見て、夢を見ているのに気づいた、ただの夢では無い様子を感じた。
「?」
不思議に思い夢見の魔法を使う事にして、エレナはベッドに潜り込んで目を閉じ意識を深く落としてゆく、次にユリナの意識をイメージした。
「スクゥイ」
そう唱えた。その瞬間エレナは眠りにつき、ユリナの夢に入り込んだ。
そこはエレナの屋敷の庭、柔らかな芝生が青々としいつも通りの風景、爽やかな風が吹いていた。そんな庭の中央の噴水にユリナは座り悩んでいる。
エレナはコソコソと物陰に隠れて様子を伺った。
「うーん。あの言葉、聞いた事あるんだけどぉ……」
ユリナが悩んでいる。
(あの言葉?)
そうエレナが思った時。
「それなら本人に聞いた方が早いよ!そこに居るから」
急に幼い子供の様な声がした。
エッ!とエレナもユリナも全く同時に驚いた、そして二人とも声のした方を全く同じタイミングで見る流石親子である。
その声の主はユリナの右、手を伸ばして届く程近くにいて、ユリナの顔の高さくらいの所で、全身エメラルドグリーンの可愛らしい幼竜がパタパタパタパタと飛んでいた。
「こんにちはユリナ、僕はウィンダム風の守護竜だよ」
そうウィンダムはニコニコしながらユリナに言う。
「守護竜ってあの女神を守ってるって言う、あの神話の?」
ユリナは本当に?と思いながらウィンダムに聞き返した。
ウィンダムはニコニコしながら答える。
「そうだよ、ユリナはまだエレナがリヴァイアサンを召喚したのを見たこと無いんだ。」
ウィンダムがそう言うと。
エレナは胸元がムズムズしたのを感じ、慌てて抑える。ネックレスの宝石からリヴァイアサンが出たがってるのだ。
(ちょっと今出たら、バレちゃうでしょ)
心でリヴァイアサンに言い聞かせる。
その時ウィンダムがエレナの方をチラ見する。エレナは指を立てシーッとウィンダムにする。
「お母さんってリヴァイアサンを扱えるの?」
ユリナは質問を続ける。
ウィンダムはエレナのシーにどうしようかなぁと言う感じで言う。
(あぁ……めんどくせぇ……)
ウィンダムは内心そう思っていた。
「そうだよユリナも僕の事扱えるよでも、それは祝福を受けた事と同じ意味があるんだよ。
エレナがユリナを心配してウィンディア様にお祈りして、祝福を解いてもらったの。
でもウィンディア様に、僕はここにいるように言われたから。
ユリナが成長したら、また祝福をきっと受けれるよ」
(魔力修練…ユリナ苦手だよね~)
そう思いエレナは心で涙をながして聞いていた。
その苦手の様は、リヴァイアサンも宝石の中から見ていて汗を流す。
「成長って私に何が足りないの?」
ユリナがそれを質問した。
「魔力だよ、さっきもユリナは祝福を受けたけど、ユリナ自身の魔力が足りないから。
あの一本の矢を射って魔力が尽きちゃったんだ。
魔力が尽きても祝福を維持出来るけど、それは命を削っちゃうんだ。」
ウィンダムがそう言う。
「じゃ、魔力を維持する方法は?」
ユリナが聞く
「魔力修練だよ!」
すかさずウィンダムが答える。
ユリナの時が止まる……
「うーん他にも魔力を維持する方法はあるけど」
とウィンダムが続けようとした時、それを黙らせるようにリヴァイアサンがエレナの宝石から飛び出してウィンダムに飛びつく。
「お前は本当に口が軽いヤツだな」
リヴァイアサンが幼い声でウィンダムに文句を言う。
ウィンダムは強風を吐き出し、リヴァイアサンを吹き飛ばそうとするが、それをリヴァイアサンは高圧の水を吐き出し対峙するが……二匹とも幼竜の姿で、うちわと水鉄砲の様な戦いで迫力は無く可愛い子供のケンカでしかない。
(もう仕方ないわね……)
エレナがそう思い姿を表した。
「二人ともあっちでやりなさい」
エレナが仕方なく言うと。
「はーい」
ウィンダムとリヴァイアサンは素直な返事をして離れていく。
エレナは幼竜を見事に子供の様に扱った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
時き継幻想フララジカ
日奈 うさぎ
ファンタジー
少年はひたすら逃げた。突如変わり果てた街で、死を振り撒く異形から。そして逃げた先に待っていたのは絶望では無く、一振りの希望――魔剣――だった。 逃げた先で出会った大男からその希望を託された時、特別ではなかった少年の運命は世界の命運を懸ける程に大きくなっていく。
なれば〝ヒト〟よ知れ、少年の掴む世界の運命を。
銘無き少年は今より、現想神話を紡ぐ英雄とならん。
時き継幻想(ときつげんそう)フララジカ―――世界は緩やかに混ざり合う。
【概要】
主人公・藤咲勇が少女・田中茶奈と出会い、更に多くの人々とも心を交わして成長し、世界を救うまでに至る現代ファンタジー群像劇です。
現代を舞台にしながらも出てくる新しい現象や文化を彼等の目を通してご覧ください。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~
さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』
誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。
辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。
だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。
学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる
これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる