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今後の事
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「クルー男爵がお見えなの?」
「はい、旦那様がお嬢様はどうされるかと聞いております」
ショーンだった。
「それはお会いするけれど、ショーンは休んでよ。疲れているでしょう? ミリーにも休んでと言ったのに」
チラリと二人を見ると微笑まれるだけだった。屋敷にいた頃のように普段通りすぎるわ。休んで欲しいのに……後でお母様から二人に休暇の話をしてもらわなきゃ、私が言っても聞いてくれないのよね。
「疲れていないので休むわけにはいきません」
「うちはブラック伯爵家だけど仕事内容に関してはホワイトだと思うのよね。旅に付き合わせてしまったから休んで欲しいのに……」
ダメ? 首を傾げてお願いして首を縦に振らなかったのよ。
「好きでしている仕事ですからお気になさらずに」
頑固だわね。
「後で文句を言ってきても聞きませんからね」
「ホワイトな職場なのですから文句の一つや二つ聞いてくださるでしょう。私達は疲れていません」
ミリーもショーンも疲れを一切見せないような笑顔で言ってきた。それなら折れるしかない。
「分かったわ。それじゃあお客様がお待ちですから行きましょう」
ショーンに案内される形で応接室へと行く。クルー男爵か久しぶりよね。
ショーンが声をかけるとすぐに扉が開かれた。
「お久しぶりです」
あ、ら。クルー男爵ってこんなお顔でしたっけ……やつれて悲壮感が漂っている。
「アリスフィア嬢、この度は誠に申し訳ありませんでした!」
え。土下座……って!
「男爵どうかお顔をあげてくださいな。わたくしはクルー男爵のそのような姿を見たいわけではありませんわ」
クルー男爵の近くへ行き頭を上げるように言いソファに腰掛けてもらった。
「娘の言う通りですよ。君のそのような姿を見たいわけではないし、謝罪は受けとる。アリスフィアも同じ気持ちだな?」
お父様を慕ってくださっている遠縁のクルー男爵。共同事業もあるようだし関係を崩すのは良くない。クルー男爵に謝って欲しいわけではないもの。
「はい。クルー男爵、わたくしの事はわたくしでなんとかしますのでお気になさらずに。それよりも男爵ですわ。お疲れでしょうしご自身の体にも気を遣って下さいませね」
「申し訳、ございません。我が家でのレイラの教育が行き届いていないばかりにたくさんの方に迷惑をかけてしまいました」
相当な額の慰謝料を提示してきて、さらに事業譲渡書まで……
「共同事業の方は伯爵様に嬢度します。私はしばらくの間、社交をやめ領地に引っ込みます。今回の件で息子に爵位を渡したいと思っております」
「そこまで……お父様、なんとかなりませんか」
男爵はきちんと仕事をされているしレイラを引き取って然るべく教師をつけていた。(一般貴族)クレマン子息に嫁ぐのなら問題は無かったと思う。ただ王族に嫁ぐとなると話は別というか……教育内容が全く違うし覚えるマナーも何もかも男爵家では担えない。
「娘もこう言っているし、そこまではしなくても良い。君も被害を受けているのだから」
養女のレイラがしでかしたとはいえ、家名に傷がついたのですもの。
「いえ、申し訳が立ちません」
「困ったね……でも何もしないというのは君の立場からしたら落ち着かないだろう。世間体もあるからね」
ここで何もしなくていい。許すというわけには行かないのが貴族社会。そうしないとこれからもし同じことをしでかした家があったとしたら、ブラック伯爵家は咎めなかった。
と言われると悪い影響が多方面に出てしまう可能性があるから。
「それなら……いただきましょうお父様」
「何を? 慰謝料かい?」
「はい。今回の件で男爵は子爵家や多大な金額を動かすことになりましたよね? ご子息に爵位を渡すといってもまだ学園を卒業したばかりではないですか。今爵位を渡されても悪い評判が残っている現状で渡されても可哀想ですわよ」
「まぁそうだね。今回のことで子息の結婚も延期となったようだし」
そんなことになっているのですね。男爵家の方々はレイラの頑張る姿を見て家族の一員としていましたのにショックでしょうね。本当に第五王子にレイラったら多方面に迷惑をかけてしょうがない人達ね……
「慰謝料は形だけにして孤児の育成をお願いしてもよろしいですか? レイラは頑張っていましたが欲が出て自分本意な形になってしまったけれど、小さい時はそうではなかったではないですか。男爵に恩を返そうと学んでいた姿は嘘ではありませんから。お父様はたくさんの孤児を社会に出し立派に勤めている元孤児達もたくさんいます。孤児を屋敷に引き取り使用人をしている家もたくさんいますが、孤児というだけで何かあったら疑われることもあり地位が低いのです。ですから孤児の育成を頼みたいのですわ。レイラで失敗したかも知れませんが孤児に心をよせることで男爵に向けられた悪意が少しでも減ると思うのです。レイラという元孤児に裏切られても寄付だけではなく育成に力を入れるとなると周りの目も変わってきます。机上論ではありますが」
私が関わってきた孤児院出身の子は期待に答えてくれている。もともとは素直でいい子達が多いのだから。
「はい、旦那様がお嬢様はどうされるかと聞いております」
ショーンだった。
「それはお会いするけれど、ショーンは休んでよ。疲れているでしょう? ミリーにも休んでと言ったのに」
チラリと二人を見ると微笑まれるだけだった。屋敷にいた頃のように普段通りすぎるわ。休んで欲しいのに……後でお母様から二人に休暇の話をしてもらわなきゃ、私が言っても聞いてくれないのよね。
「疲れていないので休むわけにはいきません」
「うちはブラック伯爵家だけど仕事内容に関してはホワイトだと思うのよね。旅に付き合わせてしまったから休んで欲しいのに……」
ダメ? 首を傾げてお願いして首を縦に振らなかったのよ。
「好きでしている仕事ですからお気になさらずに」
頑固だわね。
「後で文句を言ってきても聞きませんからね」
「ホワイトな職場なのですから文句の一つや二つ聞いてくださるでしょう。私達は疲れていません」
ミリーもショーンも疲れを一切見せないような笑顔で言ってきた。それなら折れるしかない。
「分かったわ。それじゃあお客様がお待ちですから行きましょう」
ショーンに案内される形で応接室へと行く。クルー男爵か久しぶりよね。
ショーンが声をかけるとすぐに扉が開かれた。
「お久しぶりです」
あ、ら。クルー男爵ってこんなお顔でしたっけ……やつれて悲壮感が漂っている。
「アリスフィア嬢、この度は誠に申し訳ありませんでした!」
え。土下座……って!
「男爵どうかお顔をあげてくださいな。わたくしはクルー男爵のそのような姿を見たいわけではありませんわ」
クルー男爵の近くへ行き頭を上げるように言いソファに腰掛けてもらった。
「娘の言う通りですよ。君のそのような姿を見たいわけではないし、謝罪は受けとる。アリスフィアも同じ気持ちだな?」
お父様を慕ってくださっている遠縁のクルー男爵。共同事業もあるようだし関係を崩すのは良くない。クルー男爵に謝って欲しいわけではないもの。
「はい。クルー男爵、わたくしの事はわたくしでなんとかしますのでお気になさらずに。それよりも男爵ですわ。お疲れでしょうしご自身の体にも気を遣って下さいませね」
「申し訳、ございません。我が家でのレイラの教育が行き届いていないばかりにたくさんの方に迷惑をかけてしまいました」
相当な額の慰謝料を提示してきて、さらに事業譲渡書まで……
「共同事業の方は伯爵様に嬢度します。私はしばらくの間、社交をやめ領地に引っ込みます。今回の件で息子に爵位を渡したいと思っております」
「そこまで……お父様、なんとかなりませんか」
男爵はきちんと仕事をされているしレイラを引き取って然るべく教師をつけていた。(一般貴族)クレマン子息に嫁ぐのなら問題は無かったと思う。ただ王族に嫁ぐとなると話は別というか……教育内容が全く違うし覚えるマナーも何もかも男爵家では担えない。
「娘もこう言っているし、そこまではしなくても良い。君も被害を受けているのだから」
養女のレイラがしでかしたとはいえ、家名に傷がついたのですもの。
「いえ、申し訳が立ちません」
「困ったね……でも何もしないというのは君の立場からしたら落ち着かないだろう。世間体もあるからね」
ここで何もしなくていい。許すというわけには行かないのが貴族社会。そうしないとこれからもし同じことをしでかした家があったとしたら、ブラック伯爵家は咎めなかった。
と言われると悪い影響が多方面に出てしまう可能性があるから。
「それなら……いただきましょうお父様」
「何を? 慰謝料かい?」
「はい。今回の件で男爵は子爵家や多大な金額を動かすことになりましたよね? ご子息に爵位を渡すといってもまだ学園を卒業したばかりではないですか。今爵位を渡されても悪い評判が残っている現状で渡されても可哀想ですわよ」
「まぁそうだね。今回のことで子息の結婚も延期となったようだし」
そんなことになっているのですね。男爵家の方々はレイラの頑張る姿を見て家族の一員としていましたのにショックでしょうね。本当に第五王子にレイラったら多方面に迷惑をかけてしょうがない人達ね……
「慰謝料は形だけにして孤児の育成をお願いしてもよろしいですか? レイラは頑張っていましたが欲が出て自分本意な形になってしまったけれど、小さい時はそうではなかったではないですか。男爵に恩を返そうと学んでいた姿は嘘ではありませんから。お父様はたくさんの孤児を社会に出し立派に勤めている元孤児達もたくさんいます。孤児を屋敷に引き取り使用人をしている家もたくさんいますが、孤児というだけで何かあったら疑われることもあり地位が低いのです。ですから孤児の育成を頼みたいのですわ。レイラで失敗したかも知れませんが孤児に心をよせることで男爵に向けられた悪意が少しでも減ると思うのです。レイラという元孤児に裏切られても寄付だけではなく育成に力を入れるとなると周りの目も変わってきます。机上論ではありますが」
私が関わってきた孤児院出身の子は期待に答えてくれている。もともとは素直でいい子達が多いのだから。
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