23 / 30
お茶会
しおりを挟む「ジェフェリー、セリーナいらっしゃい」
本日のお茶会は王宮内の庭園で開かれた。
「母上、お待たせしましたか?」
「王妃様、お待たせ致しました」
二人遅れた事を詫びて礼をした。約束の時間の十分前についたが、王妃様は先に席に着いていた。
申し訳ない気持ちになりました。
王妃様はジェフェリー様と同じピンク色の髪の毛でいつ見ても若々しくてお美しいです。ジェフェリー様は王妃様に似ていらっしゃるので、笑うと優しげな顔つきになるのです。
最近知った事です。婚約して十年は無愛想でしたから、顔面に筋肉があったのだと思うとおかしくなりました。
「いいえ。用事が早く終わったから気分転換に早くきたのよ。気にしないでちょうだい。それよりジェフェリーとセリーナが並んでいると本当に絵になるわね。良かったわねジェフリー」
「はい。ありがとうございます」
「あら? 素直だこと。それに手なんて繋いで……どうしたの!」
「セリーナが躓いたらと思うと気が気でなくて……」
ぽっと頬を染めるセリーナの心境は恥ずかしくて穴があったら入りたい。という思いだった。ジェフェリー様に手を出された時にどうしようかと戸惑ったのだけれど、それを感じたのかジェフェリー様は強引に、でも優しく手を取って歩き出した。
耳まで赤いジェフェリー様はなんだか可愛くてそのまま手を繋いでいました。
「そう。良かったわ! さぁ、座って」
王妃様の向かいにジェフェリー様と並んで座りました。
「あら? 隣同士に座っちゃって。思ったより順調ね」
「えぇ。セリーナが可愛すぎて顔を見ていると言葉が詰まります。横にいてちらちら見る方が、会話が成り立ちますから」
「そういう理由……まぁ良いわ。それより市民の噂についてだけど、」
「腹立たしい! あのゴシップですか!」
「なんのことですの?」
「セリーナの耳に入れるのは嫌だけど嘘はつきたくないから隠さずに言う。私がセリーナと婚約を解消して、あのジュリアナとか言う娘と結婚するとかなんとかで、平民から王妃になった例はないから身分差の愛とか言われていた。あり得ない話だ!」
「……そうでしたの」
「なぁに、セリーナその顔」
王妃様が何かを察した様でした。婚約破棄をして自由にさせて差し上げたいと相談をしたことがありましたもの。
「私もジェフェリー様はジュリアナ様のことをお好きなのだと思っていましたから、」
「……そうだよな。セリーナの事を好きなのに冷たい態度を取っていたから」
しゅんと小さくなり肩を落とすジェフェリー様は人が変わった様に、喜怒哀楽を表現しますわね。
「噂の元はたちました。裁判に持ち込まなくとも勝敗は見えてましたし、ゴシップ誌へは名誉毀損で慰謝料の請求、ゴシップ誌は事実無根であったと謝罪文を出させました。それにより廃刊になったのよ」
「まぁ、そうでしたのね……」
「フロス商会の動きを見ていたら、面白い事がありましたのよ? ご存知?」
「いいえ、存じ上げません」
「フロス商会はランディ侯爵家へ業者の立ち入りを禁じたらしいわね」
「なんですって! それは喧嘩を売っているのですか?」
ジェフェリー様が立ち上がりました
「そう取られても仕方がないわ、セリーナ逆恨みされてるわね」
「だから業者が替わったんですね。屋敷のみんなに迷惑をかけてしまって……」
「ランディ侯爵はああ見えて怒ってらっしゃるから、これからどうなることかしらね」
「お父様が……」
******
「これはまずい……!!」
フロス商会の一角で頭を悩ますジュリアナの父
「どういう事だ!」
ばんっ! と机を叩き部下に怒鳴りつける
「はぁ、それがですね。何件かの貴族宅がうちとの取引をやめて他と取引を始めました。きっかけはランディ侯爵家でした……」
「その取引先はどこだ! 圧力をかけてやろうか!」
「それが、元貴族の方がやっている商会でして着実に客を得ていますし、バッグが大きいのでそれはきびし、いや! 出来かねます」
「貴様! 逆らう気か!? クビにするぞ!」
「……それではお世話になりました。こんなやり方をしても誰も得をしません。娘さんが大事なのはわかりますが、私にも家族がいます。沈みかけの船ならばおりなければなりません」
「覚えておくがいい。この件が片付いたらお前の一家は露頭に迷うだろう」
「それは脅しと捉えてもよろしいですか?」
「生意気な口を聞くな! ジュリアナの勘違いのせいでゴシップ誌の編集長はうちを恨んでいるし、高位貴族の邸宅への出入りも出来なくなった! 全てはランディ侯爵家のせいだ!! あの令嬢を王妃にしてたまるか!」
自分の娘が勘違いして騒いだのに、何故か矛先がランディ侯爵令嬢に変わった……。
この先この商会に未来はないと悟った。クビになったのは良い機会だったのかもしれない。
頭を下げ、退職願を出しこの場を去った。
138
あなたにおすすめの小説
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
【完結】貴方の望み通りに・・・
kana
恋愛
どんなに貴方を望んでも
どんなに貴方を見つめても
どんなに貴方を思っても
だから、
もう貴方を望まない
もう貴方を見つめない
もう貴方のことは忘れる
さようなら
本日、私の妹のことが好きな婚約者と結婚いたしました
音芽 心
恋愛
私は今日、幼い頃から大好きだった人と結婚式を挙げる。
____私の妹のことが昔から好きな婚約者と、だ。
だから私は決めている。
この白い結婚を一年で終わらせて、彼を解放してあげることを。
彼の気持ちを直接聞いたことはないけれど……きっとその方が、彼も喜ぶだろうから。
……これは、恋を諦めていた令嬢が、本当の幸せを掴むまでの物語。
皇太子から愛されない名ばかりの婚約者と蔑まれる公爵令嬢、いい加減面倒臭くなって皇太子から意図的に距離をとったらあっちから迫ってきた。なんで?
下菊みこと
恋愛
つれない婚約者と距離を置いたら、今度は縋られたお話。
主人公は、婚約者との関係に長年悩んでいた。そしてようやく諦めがついて距離を置く。彼女と婚約者のこれからはどうなっていくのだろうか。
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました
Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、
あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。
ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。
けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。
『我慢するしかない』
『彼女といると疲れる』
私はルパート様に嫌われていたの?
本当は厭わしく思っていたの?
だから私は決めました。
あなたを忘れようと…
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる