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24話
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「やあ、少しは体調は良くなったのかい?」
「…………」
信じられない!
怪我人だからお見舞いに顔を出してくれたのだろうと思ったけど、先触れもなく、一応、花の乙女の寝巻き姿の私の前に突然現れた。
「……あ……王太子殿下に………ご挨拶申し上げます」
なんでここに来るの?そんな楽しそうな顔をして!
信じられない!幼い頃はよく一緒に遊んだけど、お母様が亡くなってからはここに来ることはなくなった。
それにマリアナが婚約者候補ということもあって私から殿下に話しかけることはなかったし、彼も私には声をかけてこなかったわよね?
「そんなに畏まらなくてもいいよ。俺たち親戚だし幼馴染でもあるんだから」
ニコニコと優しい笑顔が何を考えているのかわからなくて怖い。
学校でも会えばもちろん挨拶はするけど、それ以上の関わりは、ない!!
特にダイガットやフランソア様が殿下と一緒にいる時は、会わないように避けていたもの。
取り巻き達に何言われるかわからないし、触らぬ神に祟りなしだもの。
ああ、怖い怖い。
顔が引き攣っていたのだろう。
「そんなに嫌な顔をされたら俺もショックだよ?ビアンカは俺にとって妹分だったのに、ね?」
ああ、思い出す。
殿下と幼い頃遊んだあの日々。
気持ち悪いと虫を素手で触って、私を追いかけてきた殿下。
『ビアンカ、これ可愛いだろ?』
突然池の前に連れて行かれて押されて池に落ちた記憶。
『お前、泳げるようになりたいって言ってただろ?ほら、頑張って泳いでみろ!』
一緒に花壇の花を見ていて『この花一本やるよ』とプレゼントされた。
『その花は王家の大切な特別な花です!勝手に摘むなんて!どうしてそんなことを!!』
『お前が摘んだんだろ?』
私に責任を押し付けてお母様にどれだけ叱られたか。
それから『おい、この木に登れ!』と訳もわからず無理やり木に登らされた。
自分はさっさと木から下りたけど、私は怖くて下りられなかった。
『鈍臭いな。じゃあ先に帰るわ』
私を置いて王宮へ帰って行った。
その後私は数時間木の上に居た。
やっと人が通ってくれて助けられた。
王城内の裏山でのことだった。
泣きながら王宮へ帰ってくると、『遅かったな、お前そんなに木の上がすきなんだ!』と楽しそうに私に言った。
好きなわけないじゃん!馬鹿じゃないの!
悪魔が、あの悪魔が、楽しそうな顔をして私に話しかけてきた。
背中の痛みと熱で頭がぼーっとしている私の前に悪魔が現れた。
「私………今とても体調が悪いのです」
「ああ、だからお見舞いに来てやったんだ」
「私………出来ればゆっくりと寝ていたいのです」
「ああ、気を使わなくていいよ。適当にしてるから、ね?」
「私………ね、寝ます!」
布団を顔までかけて寝たふりをする。
「………………ビアンカ」
「……………………ビアンカ」
「………………ビアン……」
「うるさい!……ですわ。私まだ体調が悪いと言いましたよね?」
「うん、だけど、俺、暇でさ」
「だったら………帰られたらいかがですか?」
「せっかく、家庭教師から逃げてきたのに?今帰ったら家庭教師に説教されるじゃん」
「うん?ううん?それ、ダメですよね?」
「だってさ、毎日毎日勉強づめなんだぜ?たまには休みも欲しいだろ?」
「私は毎日勉強と侯爵家の仕事もしておりました」
「今サボってるじゃん」
「それは………この体なので仕方なく……後数日もすればまた毎日が忙しくなります」
「馬鹿だな」
「馬鹿………」
いや、あなたには言われたくないわ!言い返せないけど………
「ほんと、馬鹿だ、ビアンカ。なぜ助けを求めない?俺はお前のなんなんだ?」
え?他人でしょう?
「…………」
信じられない!
怪我人だからお見舞いに顔を出してくれたのだろうと思ったけど、先触れもなく、一応、花の乙女の寝巻き姿の私の前に突然現れた。
「……あ……王太子殿下に………ご挨拶申し上げます」
なんでここに来るの?そんな楽しそうな顔をして!
信じられない!幼い頃はよく一緒に遊んだけど、お母様が亡くなってからはここに来ることはなくなった。
それにマリアナが婚約者候補ということもあって私から殿下に話しかけることはなかったし、彼も私には声をかけてこなかったわよね?
「そんなに畏まらなくてもいいよ。俺たち親戚だし幼馴染でもあるんだから」
ニコニコと優しい笑顔が何を考えているのかわからなくて怖い。
学校でも会えばもちろん挨拶はするけど、それ以上の関わりは、ない!!
特にダイガットやフランソア様が殿下と一緒にいる時は、会わないように避けていたもの。
取り巻き達に何言われるかわからないし、触らぬ神に祟りなしだもの。
ああ、怖い怖い。
顔が引き攣っていたのだろう。
「そんなに嫌な顔をされたら俺もショックだよ?ビアンカは俺にとって妹分だったのに、ね?」
ああ、思い出す。
殿下と幼い頃遊んだあの日々。
気持ち悪いと虫を素手で触って、私を追いかけてきた殿下。
『ビアンカ、これ可愛いだろ?』
突然池の前に連れて行かれて押されて池に落ちた記憶。
『お前、泳げるようになりたいって言ってただろ?ほら、頑張って泳いでみろ!』
一緒に花壇の花を見ていて『この花一本やるよ』とプレゼントされた。
『その花は王家の大切な特別な花です!勝手に摘むなんて!どうしてそんなことを!!』
『お前が摘んだんだろ?』
私に責任を押し付けてお母様にどれだけ叱られたか。
それから『おい、この木に登れ!』と訳もわからず無理やり木に登らされた。
自分はさっさと木から下りたけど、私は怖くて下りられなかった。
『鈍臭いな。じゃあ先に帰るわ』
私を置いて王宮へ帰って行った。
その後私は数時間木の上に居た。
やっと人が通ってくれて助けられた。
王城内の裏山でのことだった。
泣きながら王宮へ帰ってくると、『遅かったな、お前そんなに木の上がすきなんだ!』と楽しそうに私に言った。
好きなわけないじゃん!馬鹿じゃないの!
悪魔が、あの悪魔が、楽しそうな顔をして私に話しかけてきた。
背中の痛みと熱で頭がぼーっとしている私の前に悪魔が現れた。
「私………今とても体調が悪いのです」
「ああ、だからお見舞いに来てやったんだ」
「私………出来ればゆっくりと寝ていたいのです」
「ああ、気を使わなくていいよ。適当にしてるから、ね?」
「私………ね、寝ます!」
布団を顔までかけて寝たふりをする。
「………………ビアンカ」
「……………………ビアンカ」
「………………ビアン……」
「うるさい!……ですわ。私まだ体調が悪いと言いましたよね?」
「うん、だけど、俺、暇でさ」
「だったら………帰られたらいかがですか?」
「せっかく、家庭教師から逃げてきたのに?今帰ったら家庭教師に説教されるじゃん」
「うん?ううん?それ、ダメですよね?」
「だってさ、毎日毎日勉強づめなんだぜ?たまには休みも欲しいだろ?」
「私は毎日勉強と侯爵家の仕事もしておりました」
「今サボってるじゃん」
「それは………この体なので仕方なく……後数日もすればまた毎日が忙しくなります」
「馬鹿だな」
「馬鹿………」
いや、あなたには言われたくないわ!言い返せないけど………
「ほんと、馬鹿だ、ビアンカ。なぜ助けを求めない?俺はお前のなんなんだ?」
え?他人でしょう?
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