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(まだ)離縁しません
中編 12
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「姉上と義兄上の様子を見ていておかしいと思ったんです。それに学校で聞く噂はあまり良くなかったんです」
「学校で噂?」
ーーえ?わたし達の噂が出回っているの?
「だから今日会いにきたんです」
アルバードは一瞬躊躇って、大きく息を吐き深呼吸して話し始めた。
「フラン様はかなり我儘がひどくて継母である姉上に泣き叫んだり暴れたりしていると訊きました。さらにいつも『くそババア』と言われていると」
「誰がそんな噂を?」
わたしは驚いた。だって半分は当たっているんだもの。でもそれは最初の方、今は素直で可愛くて愛らしくて、我儘なフランも可愛くしか思えないんだもの。
「伯爵家に出入りする業者は他の貴族のところにも行かれますよ?それに叔父さんの耳にも入っています」
「でもそれは業者としてはどうなのかしら?取引している家のことを他家に話すなんて信用問題に関わると思うわ」
「そうですね、そこは別問題として考えてください。それに対して対処されるのは義兄上ですから」
「そうだね、すぐに調べよう。他にも噂があるのかい?」
「この前夜会にご夫婦で出られましたよね?」
「そうだな」「ええ、出たわ」
「失礼ですが義兄上はまだ離縁されたシェリーゼ様を愛しているのではないですか?」
「は?」
旦那様の声がちょっと怖い。
「夜会でシェリーゼ様を熱い視線で見つめていたと噂になっています、しかも姉上が隣にいるにも関わらず、元妻であるシェリーゼ様のことしか見ていなかったと」
「…………うん?あ、あの時のこと?旦那様がシェリーゼ様の妊娠に気がついて………」
「姉上、やはり隣にいて気がついていたんですね。辛かったでしょう?」
「わたしが辛い⁈」
「だって、義兄上にいいように利用されているんでしょう?愛する元妻は本当に好きだった恋人と結ばれて今は妊娠までしている。忘れられなくて姉上をいいように利用しているんでしょう?義兄上、酷すぎます!」
「アル!おまえ、いらない!」
大人達の会話の途中、下から聞こえてきたのはフランだった。
フランは目にいっぱい涙をためて悔しそうにしていた。
「とうさまは、アンナのことすきなの!ぼくも、あんながすき!おまえ、なんにもしらないくせに!かえれ!」
アルバードの足をぽこぽこと小さな手で必死に叩く。
「わかった、わかったから、フラン様に聞かせる話じゃなかった。ごめん」
「アルのばかぁ!とうさまはアンナがすきなの!かあさまは、もう、ぼくのじゃない!ばかぁ!」
フランがわんわん泣き出した。
「ごめん、フラン。フランのお母様はフランのことが大好きなのよ?ただ、ごめんね。難しい話になるけど、フランのお母様は一緒には暮らせないけど、フランのことも大好きなの。だから会いたい時はいつでも会いに行っていいの」
「あいにいって、いいの?おこんない?」
「怒る訳ないじゃない。いつでも会いに行っていいの。我慢なんてする必要ないのよ?」
「でも、とうさまとアンナが……いやなきもちになるって……」
「ちょっと、誰がそんなこと言ったの?アルバード、あなた?」
「僕は言ってません!ずっと姉上のそばにいたでしょう!いつそんな酷いこと言ったんですか!」
「だって今フランの前で馬鹿な噂を話したじゃない!」
「それは……だって、まるで偽りの結婚をしたみたいにしか見えなかったんです!二人はどう見ても夫婦に見えないし、フランは姉上のこと、母親というより、友達みたいに慕っているし」
「ちがうもん!とうさまとアンナはすきなの!さっきからいってる!」
ーーうーん、それは勘違いなんだけど。
隣で旦那様が困った顔をしてるわ。
アルバードは生真面目だから契約結婚の話を聞いたら、興奮して何言い出すかわからないわ。
それもアルバードの学費のために結婚したなんて知ったら絶対許してもらえない。
「姉上は本当に義兄上を愛しているんですか?」
ーーえっ?そんなことここで聞くの?
チラリと旦那様を見るとにこやかに微笑む。
「わたし……旦那様のこと……あ、あ、愛して……」
小さな聞こえない声で「イマセン」と答えた。
「えっ?」「やっぱり」
旦那様とアルバードの顔が真逆。
旦那様はショックを受けていて、アルバードは納得した顔をしていた。
そしてフランは全く聞き取れていなかったので「アンナは、とうさまがすき。だから、ぼくのこともすきなの」という自論をぶつぶつ言っていた。
うん、フラン。ごめんなさい。
わたしフランはとっても可愛くて愛してるけど、旦那様に恋愛感情はない。
だって旦那様とは伯爵家の仕事のことで話すことはあるけど、あくまで旦那様と契約妻という仕事での関わりしかないもの。
フランはわたしにとっては我が子というより、癒される天使で母としてではなくひたすら可愛いフランとしか見ていない。
あ、それからフランにわたしと旦那様がシェリーゼ様に対して嫌な気持ちになるなんて言ったのは伯爵家の使用人だった。
シェリーゼ様を敬愛している使用人がフランにあることないこと言って傷つけていた。
フランがわたしと仲良くしていることをよく思わない使用人が幼いフランを傷つけていた。
許さない!すぐに紹介状も渡さずに追い出してやった。路頭に迷え!ふんっ!!
旦那様はいつの間にか部屋から出て行った。
アルバードとわたしは着替えを。
もちろんフランはわたしの着替え中もずっとわたしから離れなかった。
服を掴むか足にくっついて離れない。
もうひたすら天使がわたしのストーカーと化した。可愛すぎる。ほっぺを真っ赤にして「アンナ」と言われて仕舞えば、もう全て許せる!
その日は一緒に湯浴みをして一緒のベッドで手を繋いで眠った。
アルバードは完全にフランに嫌われてちょっと寂しそう。
だけど「姉上、義兄上とは愛はなくてもフラン様がいて幸せそうなので今は許します」となんだか父親のような顔をして帰って行った。
あと2年半したら離縁することはアルバードにはやはり伝えるのはやめようと思った。
そして、なんだかんだとわたしの契約結婚は白い結婚のままもうすぐ3年を迎えようとした。
わたしはもうすぐフランとさよならしないといけなくなる。
「学校で噂?」
ーーえ?わたし達の噂が出回っているの?
「だから今日会いにきたんです」
アルバードは一瞬躊躇って、大きく息を吐き深呼吸して話し始めた。
「フラン様はかなり我儘がひどくて継母である姉上に泣き叫んだり暴れたりしていると訊きました。さらにいつも『くそババア』と言われていると」
「誰がそんな噂を?」
わたしは驚いた。だって半分は当たっているんだもの。でもそれは最初の方、今は素直で可愛くて愛らしくて、我儘なフランも可愛くしか思えないんだもの。
「伯爵家に出入りする業者は他の貴族のところにも行かれますよ?それに叔父さんの耳にも入っています」
「でもそれは業者としてはどうなのかしら?取引している家のことを他家に話すなんて信用問題に関わると思うわ」
「そうですね、そこは別問題として考えてください。それに対して対処されるのは義兄上ですから」
「そうだね、すぐに調べよう。他にも噂があるのかい?」
「この前夜会にご夫婦で出られましたよね?」
「そうだな」「ええ、出たわ」
「失礼ですが義兄上はまだ離縁されたシェリーゼ様を愛しているのではないですか?」
「は?」
旦那様の声がちょっと怖い。
「夜会でシェリーゼ様を熱い視線で見つめていたと噂になっています、しかも姉上が隣にいるにも関わらず、元妻であるシェリーゼ様のことしか見ていなかったと」
「…………うん?あ、あの時のこと?旦那様がシェリーゼ様の妊娠に気がついて………」
「姉上、やはり隣にいて気がついていたんですね。辛かったでしょう?」
「わたしが辛い⁈」
「だって、義兄上にいいように利用されているんでしょう?愛する元妻は本当に好きだった恋人と結ばれて今は妊娠までしている。忘れられなくて姉上をいいように利用しているんでしょう?義兄上、酷すぎます!」
「アル!おまえ、いらない!」
大人達の会話の途中、下から聞こえてきたのはフランだった。
フランは目にいっぱい涙をためて悔しそうにしていた。
「とうさまは、アンナのことすきなの!ぼくも、あんながすき!おまえ、なんにもしらないくせに!かえれ!」
アルバードの足をぽこぽこと小さな手で必死に叩く。
「わかった、わかったから、フラン様に聞かせる話じゃなかった。ごめん」
「アルのばかぁ!とうさまはアンナがすきなの!かあさまは、もう、ぼくのじゃない!ばかぁ!」
フランがわんわん泣き出した。
「ごめん、フラン。フランのお母様はフランのことが大好きなのよ?ただ、ごめんね。難しい話になるけど、フランのお母様は一緒には暮らせないけど、フランのことも大好きなの。だから会いたい時はいつでも会いに行っていいの」
「あいにいって、いいの?おこんない?」
「怒る訳ないじゃない。いつでも会いに行っていいの。我慢なんてする必要ないのよ?」
「でも、とうさまとアンナが……いやなきもちになるって……」
「ちょっと、誰がそんなこと言ったの?アルバード、あなた?」
「僕は言ってません!ずっと姉上のそばにいたでしょう!いつそんな酷いこと言ったんですか!」
「だって今フランの前で馬鹿な噂を話したじゃない!」
「それは……だって、まるで偽りの結婚をしたみたいにしか見えなかったんです!二人はどう見ても夫婦に見えないし、フランは姉上のこと、母親というより、友達みたいに慕っているし」
「ちがうもん!とうさまとアンナはすきなの!さっきからいってる!」
ーーうーん、それは勘違いなんだけど。
隣で旦那様が困った顔をしてるわ。
アルバードは生真面目だから契約結婚の話を聞いたら、興奮して何言い出すかわからないわ。
それもアルバードの学費のために結婚したなんて知ったら絶対許してもらえない。
「姉上は本当に義兄上を愛しているんですか?」
ーーえっ?そんなことここで聞くの?
チラリと旦那様を見るとにこやかに微笑む。
「わたし……旦那様のこと……あ、あ、愛して……」
小さな聞こえない声で「イマセン」と答えた。
「えっ?」「やっぱり」
旦那様とアルバードの顔が真逆。
旦那様はショックを受けていて、アルバードは納得した顔をしていた。
そしてフランは全く聞き取れていなかったので「アンナは、とうさまがすき。だから、ぼくのこともすきなの」という自論をぶつぶつ言っていた。
うん、フラン。ごめんなさい。
わたしフランはとっても可愛くて愛してるけど、旦那様に恋愛感情はない。
だって旦那様とは伯爵家の仕事のことで話すことはあるけど、あくまで旦那様と契約妻という仕事での関わりしかないもの。
フランはわたしにとっては我が子というより、癒される天使で母としてではなくひたすら可愛いフランとしか見ていない。
あ、それからフランにわたしと旦那様がシェリーゼ様に対して嫌な気持ちになるなんて言ったのは伯爵家の使用人だった。
シェリーゼ様を敬愛している使用人がフランにあることないこと言って傷つけていた。
フランがわたしと仲良くしていることをよく思わない使用人が幼いフランを傷つけていた。
許さない!すぐに紹介状も渡さずに追い出してやった。路頭に迷え!ふんっ!!
旦那様はいつの間にか部屋から出て行った。
アルバードとわたしは着替えを。
もちろんフランはわたしの着替え中もずっとわたしから離れなかった。
服を掴むか足にくっついて離れない。
もうひたすら天使がわたしのストーカーと化した。可愛すぎる。ほっぺを真っ赤にして「アンナ」と言われて仕舞えば、もう全て許せる!
その日は一緒に湯浴みをして一緒のベッドで手を繋いで眠った。
アルバードは完全にフランに嫌われてちょっと寂しそう。
だけど「姉上、義兄上とは愛はなくてもフラン様がいて幸せそうなので今は許します」となんだか父親のような顔をして帰って行った。
あと2年半したら離縁することはアルバードにはやはり伝えるのはやめようと思った。
そして、なんだかんだとわたしの契約結婚は白い結婚のままもうすぐ3年を迎えようとした。
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