【完結】彼の瞳に映るのは  

たろ

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キース編。

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 ジャスティア殿下のそばに常にいるとひたすら疲れる。
 いつも我儘と自分自慢。
「このドレスは高かった」とか「私の美しさに叶う者はいない」とか。

 ダイアナとならお互い話さずともそこに居るだけで優しい空気が流れていた。

 静かに本を読む彼女の姿を少し離れた席で、彼女のわずかな息遣いが聞こえると何故か心地よかった。

 見守っていたはずの彼女との時間はいつの間にか当たり前の時間になって、その時間はかけがえのない時間になっていた。

 俺との婚約解消の噂とダイアナの新しい相手のことを団長だけの情報では細かいところがわからず王妃様にも助けてもらうことになった。

「ジャスティアが……どこから話を聞いたのかしら…貴方達を脅していたなんて」
 そして彼女が違法薬物の売買の手先にさせられていることも伝えると顔を青くした。

「このままではあの子は……知らないとはいえあの子は犯罪者に……」

「まだ確定がされてはおりませんこの話は陛下もご存知です」

「陛下はなんと?」

「……もしもの時は切り捨てる覚悟でございます」

「だめ、あの子はわたしの大切な娘、わたしは何があっても助けたい。わたしの今の地位なんて捨ててもいいわ、あの子を見捨てることなんて出来ないわ」

 いつも余裕のある王妃様がなりふり構わず俺に助けを求めてきた。

「ジャスティア殿下のことは大きな問題にならないようになんとか動くつもりです。でもダイアナのことは俺ではどうも出来ません。どうか前公爵のこと調べてください」

「そうね、ダイアナのことはわたしの方が調べられるわ。いくらか伝手もあるから。ジャスティアがこれ以上馬鹿なことをしないように見張ってちょうだい、ダイアナのことはわたしが動くから」

 


そしてお互い情報交換をしていたら

「キース、ダイアナは嫁がされるのではなく売られるようよ、前公爵はダイアナを隣国の鉱山を持っている男に鉱山と引き換えに売るつもりらしいの。売買契約も交わされたと情報を影が掴んできたわ」

「売る?」

「ええ、契約は今月中よ」

「ジャスティア殿下に影は?」

「つけていないわ。影をつけると言うことは嘘や誤魔化すことができなくなる。ジャスティアには貴方たち数人の護衛だけが頼りなの、キースが今いなくても団長達にお願いしているから大丈夫よ、ダイアナを助けなさい。何かあったらダイアナの父親を頼りなさい」

「ダイアナの父は敵では?」

「……味方よ、アレは馬鹿な父親なんだけどダイアナのためなら命をかけてくれるはずよ」

「信じていいのですか?」

「エレファと同じくらい愛しているはずよ」
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