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王城にて⑥ ダイアナ編
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キース様に助けられてわたしは王妃様の部屋の近くの客間に通された。
普段通りわたし専用の部屋があるのだからそこに居ればいいのでは?と侍女さんに聞いた。
「安全な場所にいてちょうだい」と王妃様がかなり心配されているのでと言われ客間に通された。
わたしが通された部屋は王妃様の部屋の近くだけあって近衛兵が常に見張として立っている場所なので安心して部屋にいることができた。
二度も攫われてしまってちょっとした物音にも敏感になっているみたい。
「きゃっ」
扉をノックする音にも過敏に反応してしまった。
「ダイアナ様、わたし達が交代で隣の部屋におりますので安心してお過ごしください」
一人で部屋にいるのが怖くてビクビクしながら過ごしていると、よく顔を合わせている王妃様付きの侍女さんたちが代わる代わる部屋に顔を出してくれた。
公爵家の侍女長に裏切られて連れ去られたけどここにいる侍女さん達は安心しても大丈夫。わたしは疑心暗鬼になっているのかつい疑って相手を見てしまっているみたい。
わたしの部屋から荷物を持ってきてくれたので、落ち着いて過ごすことができた。
キース様は、助けてくれてからわたしに会いに来ることはなかなか出来ないようだ。
侍女さん達曰く王妃様も含めお祖父様の事件のことでかなり忙しそうだと言っていた。
セリーヌ殿下がたまに遊びにきてくれた。
「ダイアナ、遊びましょう」
12歳になられたセリーヌ殿下は王妃様に似ていて可愛らしくそして賢い方。
遊ぼうと言ってくるのだけど実際はたくさんの本を持ってきてその本について質問をしてくる。
「ダイアナはこの内容をどう思う?わたしね、粘土質の土からでは作物が出来にくいと聞いて外国から本を取り寄せてみたの」
セリーヌ殿下はこの国の農業にとても関心があるようだ。
「北の大地は粘土質だと聞きました。ねんどは砂粒よりももっと細かい粒でできていますよね?これはもともとは火山の爆発などでできた溶岩や火山灰なのです。 それが長い間かかってその一部分が風にふかれどんどん細かくなり、雨や川、海などに流されて集められ、だんだんとつみかさなってできたもので過去に沼地があって干上がった場所が多い北の大地もそのため粘土質の土地になってしまいました」
わたしが答えると「どうしてダイアナは知っているの?」と聞いてきた。
「わたしも学生の間暇さえあれば本を読んでおりました。それしかわたしにはすることがなかったからです」
と言ってもわたしも興味のある本しか読んでいない。たまたま殿下と同じところに興味があったので答えられた。
「粘土質の土は籾殻や腐葉土、堆肥を混ぜると柔らかくなると聞いたことがあります。実際には試したことはありませんが」
わたしはほとんど本の知識しかない。土を触ることも外出をして回ることもあまりなかった。
でもそれはセリーヌ殿下も同じ。身分が高い人こそ自由に動き回ることはできない。犯罪に巻き込まれる可能性もあるし動くとなればたくさんの護衛が必要になる。
贅沢な生活は保証されてもそれと引き換えに自由は奪われてしまう。
殿下も生まれてこのかた王城から外に出たのは数えるくらいだろう。
わたしなんかよりさらに窮屈な生活を強いられている。だからわたしに会いにきてくれるのだろう、そして本人が今興味のある話題を振ってくる。
「殿下……わたしはさほど知識が豊かではありません。出来ればわたしが答えられる質問をお願い致します」
殿下に苦笑しながらそう言うと
「あら?今のところ答えてくれているわ」
と、手を抜いてはくれないようだ。
殿下のおかげで不安に過ごしている日々のはずなのに気が紛れて助かっている。
お茶をしたり侍女さん達も交えてお話ししたりしながら時間は過ぎていった。
キース様はたまに部屋を訪ねてきては
「ダイアナ、大丈夫?」と言いながら花を下さる。
「少しだけど」と言ってケーキを持ってきてくれたり「可愛かったから」とブローチや小物入れなどプレゼントを持ってきてくれる。
「落ち着いたら街に買い物に行こう。ダイアナが安心して過ごせるようにするからね、あと少し待ってて」と疲れているのにそれを隠して優しく笑いながら言ってくれる。
そんなキース様に「寂しい」なんて我儘は言えない。
「いつもありがとうございます」
ほんの少しでもキース様が時間を作って会いにきてくれることが一番嬉しい。
侍女さん達は
「あのキース様が笑うなんて」とかなり驚いていた。
普段のキース様は仕事柄笑顔を振り撒くことはない。
特に周りからキャーキャー言われ過ぎて本人も嫌気がさしているのか、周りからの僻みや嫉みのせいでうんざりしているのか、人前で笑うことが減ったらしい。アシュア様が心配して話してくれた。
でもわたしの前ではふと笑ったり優しく話しかけてくださる。もちろん偽とは言え婚約者だから当たり前なのかもしれない。
今のわたしは多分キース様に依存している。本当は婚約解消をしないといけないのに、彼の優しさに甘えている。顔を見るとホッとするしいつ会いにきてくれるかわからないのにいつも心待ちにしていた。
◆ ◆ ◆
『王城にて』のところで
ひと月の間、前公爵は貴族を入れるための隔離する塔で過ごすことになった。
そこでは「わたしは帰る!」「なぜこんなところにいないといけないのか」など横柄な態度で過ごしていた。自分が犯罪者だと忘れているのか自覚すらないのか。
と付け加えています。そのため前後少し文章が書き換えられております。
前公爵を捕まえてから罪を問うまでの時間がどれくらいかかっているのか書いていないことに気がつきました。
申し訳ありません。
普段通りわたし専用の部屋があるのだからそこに居ればいいのでは?と侍女さんに聞いた。
「安全な場所にいてちょうだい」と王妃様がかなり心配されているのでと言われ客間に通された。
わたしが通された部屋は王妃様の部屋の近くだけあって近衛兵が常に見張として立っている場所なので安心して部屋にいることができた。
二度も攫われてしまってちょっとした物音にも敏感になっているみたい。
「きゃっ」
扉をノックする音にも過敏に反応してしまった。
「ダイアナ様、わたし達が交代で隣の部屋におりますので安心してお過ごしください」
一人で部屋にいるのが怖くてビクビクしながら過ごしていると、よく顔を合わせている王妃様付きの侍女さんたちが代わる代わる部屋に顔を出してくれた。
公爵家の侍女長に裏切られて連れ去られたけどここにいる侍女さん達は安心しても大丈夫。わたしは疑心暗鬼になっているのかつい疑って相手を見てしまっているみたい。
わたしの部屋から荷物を持ってきてくれたので、落ち着いて過ごすことができた。
キース様は、助けてくれてからわたしに会いに来ることはなかなか出来ないようだ。
侍女さん達曰く王妃様も含めお祖父様の事件のことでかなり忙しそうだと言っていた。
セリーヌ殿下がたまに遊びにきてくれた。
「ダイアナ、遊びましょう」
12歳になられたセリーヌ殿下は王妃様に似ていて可愛らしくそして賢い方。
遊ぼうと言ってくるのだけど実際はたくさんの本を持ってきてその本について質問をしてくる。
「ダイアナはこの内容をどう思う?わたしね、粘土質の土からでは作物が出来にくいと聞いて外国から本を取り寄せてみたの」
セリーヌ殿下はこの国の農業にとても関心があるようだ。
「北の大地は粘土質だと聞きました。ねんどは砂粒よりももっと細かい粒でできていますよね?これはもともとは火山の爆発などでできた溶岩や火山灰なのです。 それが長い間かかってその一部分が風にふかれどんどん細かくなり、雨や川、海などに流されて集められ、だんだんとつみかさなってできたもので過去に沼地があって干上がった場所が多い北の大地もそのため粘土質の土地になってしまいました」
わたしが答えると「どうしてダイアナは知っているの?」と聞いてきた。
「わたしも学生の間暇さえあれば本を読んでおりました。それしかわたしにはすることがなかったからです」
と言ってもわたしも興味のある本しか読んでいない。たまたま殿下と同じところに興味があったので答えられた。
「粘土質の土は籾殻や腐葉土、堆肥を混ぜると柔らかくなると聞いたことがあります。実際には試したことはありませんが」
わたしはほとんど本の知識しかない。土を触ることも外出をして回ることもあまりなかった。
でもそれはセリーヌ殿下も同じ。身分が高い人こそ自由に動き回ることはできない。犯罪に巻き込まれる可能性もあるし動くとなればたくさんの護衛が必要になる。
贅沢な生活は保証されてもそれと引き換えに自由は奪われてしまう。
殿下も生まれてこのかた王城から外に出たのは数えるくらいだろう。
わたしなんかよりさらに窮屈な生活を強いられている。だからわたしに会いにきてくれるのだろう、そして本人が今興味のある話題を振ってくる。
「殿下……わたしはさほど知識が豊かではありません。出来ればわたしが答えられる質問をお願い致します」
殿下に苦笑しながらそう言うと
「あら?今のところ答えてくれているわ」
と、手を抜いてはくれないようだ。
殿下のおかげで不安に過ごしている日々のはずなのに気が紛れて助かっている。
お茶をしたり侍女さん達も交えてお話ししたりしながら時間は過ぎていった。
キース様はたまに部屋を訪ねてきては
「ダイアナ、大丈夫?」と言いながら花を下さる。
「少しだけど」と言ってケーキを持ってきてくれたり「可愛かったから」とブローチや小物入れなどプレゼントを持ってきてくれる。
「落ち着いたら街に買い物に行こう。ダイアナが安心して過ごせるようにするからね、あと少し待ってて」と疲れているのにそれを隠して優しく笑いながら言ってくれる。
そんなキース様に「寂しい」なんて我儘は言えない。
「いつもありがとうございます」
ほんの少しでもキース様が時間を作って会いにきてくれることが一番嬉しい。
侍女さん達は
「あのキース様が笑うなんて」とかなり驚いていた。
普段のキース様は仕事柄笑顔を振り撒くことはない。
特に周りからキャーキャー言われ過ぎて本人も嫌気がさしているのか、周りからの僻みや嫉みのせいでうんざりしているのか、人前で笑うことが減ったらしい。アシュア様が心配して話してくれた。
でもわたしの前ではふと笑ったり優しく話しかけてくださる。もちろん偽とは言え婚約者だから当たり前なのかもしれない。
今のわたしは多分キース様に依存している。本当は婚約解消をしないといけないのに、彼の優しさに甘えている。顔を見るとホッとするしいつ会いにきてくれるかわからないのにいつも心待ちにしていた。
◆ ◆ ◆
『王城にて』のところで
ひと月の間、前公爵は貴族を入れるための隔離する塔で過ごすことになった。
そこでは「わたしは帰る!」「なぜこんなところにいないといけないのか」など横柄な態度で過ごしていた。自分が犯罪者だと忘れているのか自覚すらないのか。
と付け加えています。そのため前後少し文章が書き換えられております。
前公爵を捕まえてから罪を問うまでの時間がどれくらいかかっているのか書いていないことに気がつきました。
申し訳ありません。
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