『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道

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第18話「竜の素材」

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上空のレッドワイバーンが大きく息を吸い込んだ。  喉の奥が赤熱し、周囲の大気が歪むほどの熱量が膨れ上がる。

「来るぞ! サラ、絶対に逸らすな!」 
「分かってる! 全部置いていきなさい!」

 サラが『絶対防御の大盾』を斜めに構え、腰を落とす。  直後、轟音と共に灼熱のブレスが吐き出された。  それはただの炎ではない。岩をも溶かすマグマのような奔流だ。

 ドゴォォォォォッ!

 炎の滝がサラの盾に直撃する。  俺たちはサラの背後に身を隠す。左右に炎が溢れ、地面のアスファルトがドロドロに溶けていく。  だが、サラは叫び声を上げながらも耐えていた。  盾の赤い宝石が激しく明滅し、炎のエネルギーを相殺している。

「あっちぃぃぃ! ちょっと、これ盾越しでも熱いわよ! 眉毛焦げそう!」 
「耐えろ! 終わったら高級化粧水をやる!」 
「絶対よ! 約束だからね!」

 サラが意地を見せる。  ブレスが止んだ瞬間、周囲は焦熱地獄と化していたが、俺たちは無傷だ。  レッドワイバーンは上空で旋回し、仕留め損なったことに苛立つように咆哮した。

「硬いな……。普通の攻撃じゃ届かないし、あのブレスを連発されたらジリ貧だ」

 俺は手元の『飛竜の槍』を握り直す。  投擲すれば届くが、奴は速い。中途半端な投擲では回避されるか、硬い鱗に弾かれる可能性がある。  確実に『赤い点』――奴の喉の奥にある魔力核を貫く必要がある。

「チャンスは一回だ。奴がもう一度ブレスを吐く瞬間、口を開けた時を狙う」

 俺は指示を飛ばす。

「リーナ、奴の目を狙って牽制しろ。ブレスの予備動作に入ったら合図だ」 
「はい!」 
「ミオ、お前は俺の足場になれ」 
「は? 足場?」 
「高く跳ぶ必要がある。肩を貸せ」

 ミオは一瞬きょとんとしたが、すぐにニッと笑った。   

「分かった。しっかり踏めよ!」

 レッドワイバーンが再び降下してくる。  サラが盾を鳴らして挑発する。  奴が大きく口を開け、二発目のブレスを装填し始めた。

「今です!」

 リーナが叫び、矢を放つ。  矢はブレスの熱風で軌道を逸らされるが、奴の注意を一瞬だけ引くことには成功した。  その隙に、俺は走る。

 ミオが姿勢を低くして両手を組む。  俺は全力疾走の勢いのまま、その手に足をかけた。   

「いっけえぇぇぇッ!」

 ミオが全身のバネを使って俺を跳ね上げる。  同時に俺も【神速の脚】を発動し、爆発的な跳躍を見せた。  体が砲弾のように空へ打ち出される。

 視界が急上昇する。  驚愕に見開かれたレッドワイバーンの眼球と、視線が交錯した。  そして、その開かれた口の奥、炎が渦巻く中心に、輝く『赤い点』が見えた。

「もらった」

 俺は空中で体を捻り、『飛竜の槍』を振りかぶる。  距離はゼロ。外しようがない。

「貫けッ!」

 俺は槍を、灼熱の喉奥へと突き込んだ。  ズドォォン!!  肉を貫く感触と同時に、槍から放たれた衝撃波が奴の体内を駆け巡る。  ブレスが逆流し、レッドワイバーンの首が内側から破裂した。

 俺は空中で反動を利用して着地体勢を取る。  背後で、巨体が地面に激突する音が響いた。

 ドサァッ……。

 振り返ると、レッドワイバーンは既に光の粒子となり始めていた。  そして、その中心に、燃えるような赤色の防具が残された。

「……ふぅ。大物だったな」

 俺は槍を回収する(自動で手元には戻らない距離だったので、地面に落ちていた)。  そして、ドロップ品を拾い上げる。

【火竜の革鎧】 
【レアリティ:SSR】 
【防御力:600】 
【効果:火属性ダメージ無効(大)、耐熱結界、筋力補正+10%】

 素晴らしい性能だ。  『火属性ダメージ無効(大)』と『耐熱結界』。  これがあれば、灼熱の環境下でも涼しい顔で歩ける。

「すごい……あんなデカい竜を一撃なんて」

 サラたちが駆け寄ってくる。  俺は手に入れた鎧を、自分の体にあてがった。サイズは自動調整され、俺の体にぴったりとフィットする。  軽くて動きやすい上に、守られている安心感が段違いだ。

「似合ってるじゃない。赤い鎧なんて、主役っぽい」 
「これで次の目的地が決まったな」

 俺は街道の先、遠くに見える山脈を指差した。  そこには、常時噴煙を上げている火山がある。

「火山ダンジョンだ」 
「ええっ!? あそこ、熱すぎて人が入れないって有名ですよ?」 
「この鎧があれば、俺は入れる。そして、あそこには俺が最強になるために必要な『武器』がある」

 サラが呆れたように笑う。 

「あんた、どこまで強欲なのよ」 
「欲しいものは全部手に入れる。それが俺の流儀だ」

 俺は拳を握る。  火山ダンジョンの最奥に眠るであろう、炎の魔剣。  それを手に入れれば、俺の火力は完成する。

「行くぞ。休んでいる暇はない」

 俺たちは勝利の余韻もそこそこに、次なる狩場へと足を進めた。 
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