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第12話
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(シュレア様の予想通り…ですか。メーフィユ侯爵令嬢とやらと一緒ですね。ん?…あれは……。)
ヴィレルに向かわせた場所は、ザーディヌ殿下の自室でした。
私は知っています、彼の本当の姿を…。
たとえ仕事を真面目にしていようとも、自室へと戻れば関係ないのです。
誰にも見られていないと思っているのでしょう。
「待たせてしまったな。」
「いえ…、お仕事なのでしょう?」
「ああ。シュレアが補佐としての仕事しかしないと言ってな。私が仕事しなくてはならなくなったのだ。」
「シュレア様とは仲が良いようには見えませんが、婚約を破棄したりなどしないのですか~?」
「しないぞ。彼女は正妻として、私の仕事を代わりにしてもらうつもりだからな。そうすれば、君とずっと一緒に居られるだろう?」
「まぁ、殿下ったら~うふふっ♡」
「あははっ!」
全てをヴィレルに持たせた魔道具にて聞いていました。
その魔道具は声を届けるだけでなく、録音も出来ます。
「………腹が立つわね…。」
何が「うふふ」「あはは」ですか。
婚約者を放っておき、仕事すら代わりにしてもらおうと?
図々しいにも程があります。
【ヴィレル、戻ってきて。】
【もうよろしいのですか?】
【ええ。】
【分かりました。では今戻ります。】
帰ってきたヴィレルから魔道具を受け取りました。
時間がかなりあるので、平民達が住まう町へと出かけることにしました。
公爵家を出た後のことを、今のうちに決めておこうと思ったからです。
週に1回、多い時は2回手伝いに行っている店へと向かいました。
「あっ、レアさん!」
「ルー!久しぶりね。」
「レアさんこそ、最近は来ていなかったから何かあったのかと心配していたのですよ!」
「ごめんなさいね。少し色々あって…。売上はどう?」
「レアさんの言う通りにしていたら、朝とお昼はいつも通り大変です!」
「えぇと……それは売上が上がっているということでいいの…?」
「はい!嬉しい悲鳴というやつですよ!」
「それは良かったわ。」
2年程前からこの町に来て老夫婦を手伝っていたのですが、店じまいすると聞き、そのまま買い取ったのです。
正確には、譲り受けたのですが…。
店内を少し改装し、カフェを開きました。
町で出会った、両親を亡くして妹を一人で養っているというルーエリを従業員に誘ったのです。
カフェを始めた頃は、私が貯めていたお金で賄っていました。
しかしすぐにその必要はなくなります。
午前9時~10時30分と午後12時~2時までの2回、メニューの中から特定の組み合わせを注文すると、少し安くなるということを始めた途端、一気に儲かるようになったのです。
そしてルーエリが昔食べていたという、彼女が母から教わった異国の食べ物、『サンドイッチ』なるもの。
パンの間に具を挟んで食べるのですが、これがとても美味しかったのです。
鼻歌交じりに朝ごはんとしてルーエリが作っていたことに、驚きの声を上げたのを今でも覚えています…。
そしてこの料理は朝とお昼に丁度良いのです。
このカフェの看板メニューとなっていました。
「ルー。あと数日したら、私はこっちに専念するわね。」
「えぇっ!そうなんですか?!」
「嫌なの…?」
「いいえ!真逆ですよ!とっても嬉しいです!」
「おっ、レア姉さん来てたんだ。」
「シゼフ、久しぶり。姉さんはやめてと言っているでしょう。」
「いいじゃないか。姉さんの方が年上なんだからさ。」
その言葉に、一発殴りを入れました。
「いてっ。殴ることはないだろ?!」
「うるさいわよ。」
「……レア姉さん、なんかスッキリした?」
「それ私も思ってました!」
「…かもしれないわね。まぁまだ片付いていないけれど。さて、無駄話してる暇はないわ。今日は助っ人も連れて来たから。」
「助っ人…?わっ!?」
「全然気が付かなかった……。」
私の後ろに控えていたヴィレルです。
『影獣』なので、影が薄いのかも……いや、影獣は影から出来ているので影は濃い?
なんだかよく分からなくなりそうです…。
とりあえず、存在感が薄いということですね。
「はじめまして、ヴィレルと申します。」
「はじめまして!私はルーエリ。ルーって呼んでくださいね!それで、こっちはシゼフ。」
「よろしく!」
シゼフはこの店の前の持ち主、老夫婦の孫です。
ルーエリは15歳、シゼフは16歳になります。
彼には店の経営を私の代わりにしてもらっていて、軽い感じなのでとても話しやすいです。
私はルーエリとシゼフに、貴族であることを話していません。
いつも魔法にて髪を茶色に変えています。
全くの別人に見えるでしょう。
2人には家庭の事情であまり来れないと言っており、はじめの店の資金も、知り合いから借りたことにしています。
借りた分はもう全て返したと伝えましたが。
ヴィレルも私の知り合いということにしました。
『影獣』は戦闘が得意なので、用心棒も兼ねています。
そのうちクロも紹介しなければ、拗ねてしまいそうです…。
それぞれ自己紹介を終え、日が沈む頃まで働きました。
「お疲れ様。明日からまた数日、店に来れなくなるわ。」
「分かりました。でも次に来る時からは、こちらに専念するのですよね?」
「ええ。約束するわ。じゃあまた。」
「はい!」
そうして、公爵家へと戻りました。
すると私付きではない使用人が、こちらまで来ました。
何か用でしょうか。
「お嬢様。公爵様がお呼びです。今すぐ書斎へ向かわれてください。」
「分かったわ。」
帰ってきてすぐに、お父様の書斎へと向かうことになりました。
重要な話なのでしょう。
内容はザーディヌ殿下に関することで間違いなさそうですね。
「シア……、ザーディヌ殿下との婚約破棄が決まった。」
「!……3日間待ってほしいとの話ではなかったのですか?」
「そうなんだが…。先程、陛下の遣いの者から手紙が渡されてな。『婚約破棄について話がある。明日の朝、余の書斎まで来るように。』……と書かれていた。」
「何故呼び出しを受けただけで、婚約破棄が決まったと分かるのですか?」
「指定日より早く話の場を設けた。このことだけで、何を考えているかなんてすぐに分かる。」
「なるほど…。」
幼なじみであるが故に、互いのことはよく理解している……理解し過ぎているのでしょう。
お父様は少し、寂しそうな表情をされています。
当然ですね…。
これで私が公爵家を去ることが決定したのですから。
「シア。最後…とは言いたくないんだが……、家族で夕食を食べないか?」
「…喜んで…!ですがお父様、お母様やリュゼには話しているのですか?」
「いいや…まだ話していない。」
「そうですか…。」
リュゼとは、リュゼーア・セルエリット、つまり私の弟のことです。
2つ下であり、次期公爵家当主でもあります。
私にとって唯一の姉弟で、勉強に魔法、剣術など全てが完璧です。
「珍しく全員揃ってなのね。」
お母様は不思議そうにお父様にそう言いました。
普段の食事はバラバラな時間なので、その疑問は当然と言えます。
「ああ…。今日は重要な話があってな。」
「重要な話?最近姉さんと何か話していることは知っていましたけど…。」
「端的に言おう。シアとザーディヌ殿下の婚約は破棄される。」
「「……え…?」」
そのような反応になりますよね…。
ずっと私がザーディヌ殿下に尽くしていたことを知っているお母様と弟にとって、急に婚約破棄が決まったと言われては、驚く他ありません……。
お父様は全ての経緯を、お母様とリュゼーアに話して聞かせました。
「ごめんね…気付いてあげられなくて……っ。」
「お、お母様…。まだ婚約破棄が確定というわけでは…。あの、お母様…?」
お母様が泣いてしまいました…。
慰めの言葉も聞こえていないようです。
ある意味一番大変でした…。
その後は食事をとりながら会話を楽しみました。
そして翌日--
「セルエリット公、シュレア、よく来てくれた。そしてザーディヌ、お前には失望したぞ--
ヴィレルに向かわせた場所は、ザーディヌ殿下の自室でした。
私は知っています、彼の本当の姿を…。
たとえ仕事を真面目にしていようとも、自室へと戻れば関係ないのです。
誰にも見られていないと思っているのでしょう。
「待たせてしまったな。」
「いえ…、お仕事なのでしょう?」
「ああ。シュレアが補佐としての仕事しかしないと言ってな。私が仕事しなくてはならなくなったのだ。」
「シュレア様とは仲が良いようには見えませんが、婚約を破棄したりなどしないのですか~?」
「しないぞ。彼女は正妻として、私の仕事を代わりにしてもらうつもりだからな。そうすれば、君とずっと一緒に居られるだろう?」
「まぁ、殿下ったら~うふふっ♡」
「あははっ!」
全てをヴィレルに持たせた魔道具にて聞いていました。
その魔道具は声を届けるだけでなく、録音も出来ます。
「………腹が立つわね…。」
何が「うふふ」「あはは」ですか。
婚約者を放っておき、仕事すら代わりにしてもらおうと?
図々しいにも程があります。
【ヴィレル、戻ってきて。】
【もうよろしいのですか?】
【ええ。】
【分かりました。では今戻ります。】
帰ってきたヴィレルから魔道具を受け取りました。
時間がかなりあるので、平民達が住まう町へと出かけることにしました。
公爵家を出た後のことを、今のうちに決めておこうと思ったからです。
週に1回、多い時は2回手伝いに行っている店へと向かいました。
「あっ、レアさん!」
「ルー!久しぶりね。」
「レアさんこそ、最近は来ていなかったから何かあったのかと心配していたのですよ!」
「ごめんなさいね。少し色々あって…。売上はどう?」
「レアさんの言う通りにしていたら、朝とお昼はいつも通り大変です!」
「えぇと……それは売上が上がっているということでいいの…?」
「はい!嬉しい悲鳴というやつですよ!」
「それは良かったわ。」
2年程前からこの町に来て老夫婦を手伝っていたのですが、店じまいすると聞き、そのまま買い取ったのです。
正確には、譲り受けたのですが…。
店内を少し改装し、カフェを開きました。
町で出会った、両親を亡くして妹を一人で養っているというルーエリを従業員に誘ったのです。
カフェを始めた頃は、私が貯めていたお金で賄っていました。
しかしすぐにその必要はなくなります。
午前9時~10時30分と午後12時~2時までの2回、メニューの中から特定の組み合わせを注文すると、少し安くなるということを始めた途端、一気に儲かるようになったのです。
そしてルーエリが昔食べていたという、彼女が母から教わった異国の食べ物、『サンドイッチ』なるもの。
パンの間に具を挟んで食べるのですが、これがとても美味しかったのです。
鼻歌交じりに朝ごはんとしてルーエリが作っていたことに、驚きの声を上げたのを今でも覚えています…。
そしてこの料理は朝とお昼に丁度良いのです。
このカフェの看板メニューとなっていました。
「ルー。あと数日したら、私はこっちに専念するわね。」
「えぇっ!そうなんですか?!」
「嫌なの…?」
「いいえ!真逆ですよ!とっても嬉しいです!」
「おっ、レア姉さん来てたんだ。」
「シゼフ、久しぶり。姉さんはやめてと言っているでしょう。」
「いいじゃないか。姉さんの方が年上なんだからさ。」
その言葉に、一発殴りを入れました。
「いてっ。殴ることはないだろ?!」
「うるさいわよ。」
「……レア姉さん、なんかスッキリした?」
「それ私も思ってました!」
「…かもしれないわね。まぁまだ片付いていないけれど。さて、無駄話してる暇はないわ。今日は助っ人も連れて来たから。」
「助っ人…?わっ!?」
「全然気が付かなかった……。」
私の後ろに控えていたヴィレルです。
『影獣』なので、影が薄いのかも……いや、影獣は影から出来ているので影は濃い?
なんだかよく分からなくなりそうです…。
とりあえず、存在感が薄いということですね。
「はじめまして、ヴィレルと申します。」
「はじめまして!私はルーエリ。ルーって呼んでくださいね!それで、こっちはシゼフ。」
「よろしく!」
シゼフはこの店の前の持ち主、老夫婦の孫です。
ルーエリは15歳、シゼフは16歳になります。
彼には店の経営を私の代わりにしてもらっていて、軽い感じなのでとても話しやすいです。
私はルーエリとシゼフに、貴族であることを話していません。
いつも魔法にて髪を茶色に変えています。
全くの別人に見えるでしょう。
2人には家庭の事情であまり来れないと言っており、はじめの店の資金も、知り合いから借りたことにしています。
借りた分はもう全て返したと伝えましたが。
ヴィレルも私の知り合いということにしました。
『影獣』は戦闘が得意なので、用心棒も兼ねています。
そのうちクロも紹介しなければ、拗ねてしまいそうです…。
それぞれ自己紹介を終え、日が沈む頃まで働きました。
「お疲れ様。明日からまた数日、店に来れなくなるわ。」
「分かりました。でも次に来る時からは、こちらに専念するのですよね?」
「ええ。約束するわ。じゃあまた。」
「はい!」
そうして、公爵家へと戻りました。
すると私付きではない使用人が、こちらまで来ました。
何か用でしょうか。
「お嬢様。公爵様がお呼びです。今すぐ書斎へ向かわれてください。」
「分かったわ。」
帰ってきてすぐに、お父様の書斎へと向かうことになりました。
重要な話なのでしょう。
内容はザーディヌ殿下に関することで間違いなさそうですね。
「シア……、ザーディヌ殿下との婚約破棄が決まった。」
「!……3日間待ってほしいとの話ではなかったのですか?」
「そうなんだが…。先程、陛下の遣いの者から手紙が渡されてな。『婚約破棄について話がある。明日の朝、余の書斎まで来るように。』……と書かれていた。」
「何故呼び出しを受けただけで、婚約破棄が決まったと分かるのですか?」
「指定日より早く話の場を設けた。このことだけで、何を考えているかなんてすぐに分かる。」
「なるほど…。」
幼なじみであるが故に、互いのことはよく理解している……理解し過ぎているのでしょう。
お父様は少し、寂しそうな表情をされています。
当然ですね…。
これで私が公爵家を去ることが決定したのですから。
「シア。最後…とは言いたくないんだが……、家族で夕食を食べないか?」
「…喜んで…!ですがお父様、お母様やリュゼには話しているのですか?」
「いいや…まだ話していない。」
「そうですか…。」
リュゼとは、リュゼーア・セルエリット、つまり私の弟のことです。
2つ下であり、次期公爵家当主でもあります。
私にとって唯一の姉弟で、勉強に魔法、剣術など全てが完璧です。
「珍しく全員揃ってなのね。」
お母様は不思議そうにお父様にそう言いました。
普段の食事はバラバラな時間なので、その疑問は当然と言えます。
「ああ…。今日は重要な話があってな。」
「重要な話?最近姉さんと何か話していることは知っていましたけど…。」
「端的に言おう。シアとザーディヌ殿下の婚約は破棄される。」
「「……え…?」」
そのような反応になりますよね…。
ずっと私がザーディヌ殿下に尽くしていたことを知っているお母様と弟にとって、急に婚約破棄が決まったと言われては、驚く他ありません……。
お父様は全ての経緯を、お母様とリュゼーアに話して聞かせました。
「ごめんね…気付いてあげられなくて……っ。」
「お、お母様…。まだ婚約破棄が確定というわけでは…。あの、お母様…?」
お母様が泣いてしまいました…。
慰めの言葉も聞こえていないようです。
ある意味一番大変でした…。
その後は食事をとりながら会話を楽しみました。
そして翌日--
「セルエリット公、シュレア、よく来てくれた。そしてザーディヌ、お前には失望したぞ--
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