あなたはダンジョン出禁ですからッ! と言われた最強冒険者 おこちゃまに戻ってシェルパから出直します

サカナタシト

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出禁 第十一話  ギルドの緊急クエスト その1

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 オレとトゥインクルガールズのメンバーが、ダンジョンを出て地上に戻ったのはまもなく日没といった時間だった。
 オレが<タロス>の力で【サイノクラス】と【スケルトン】の群れを一掃した後は、四人のお姉ちゃん達だけで【スケルトン】と【ラビットウォカー】を順調に排除出来た。後から現れた【サイノクラス】も、最後は四人がかりなら何とか倒せた。
 腕力の無いアイ姉は重い即席メイスを振り回し続け途中で力尽きたが、それ以外は特に問題なく初日としては大きな問題も無く七階層を攻略した。
 帰りに魔物とエンカウントしたときは、サービスでオレが倒してやった。ちょっと魔物が多い気もしたが、久しぶりにオレも戦って気持ちよかった。
「いやあ、久ぶりに気持ちよく戦えたね」
「うむ、完勝」
「あたしたち~、七階層でもやっていけそうね~」
 リズ姉が上機嫌で仲間を振り返ると、赤姉とネー姉も笑顔で頷いた。
 まあ、四人だけだとまだ不安は大きいが、オレがいれば余裕だね。あとは徐々に武器も装備も良い物に変えていって、慣れてレベルも上げていけば大丈夫だな。
「皆はいいわよね、普通に攻撃が通じたから」
 アイ姉は一人だけは不機嫌そうだ。
 【サイノクラス】相手に細剣を壊したアイ姉は、この後武器屋に行って剣を修理するか、出来なければ新しい武器を買わなきゃいけないから頭が痛いと言っていた。
「あら、新しい武器手に入ったんでしょ。意外といいかもよ、それ……ぷ、ぷぷっ」
「うん、骨太な感じがお似合い」
「笑わないであげましょ~、アタシも我慢してるんだから~」
「あんたら性格悪いわよ。あたしにこんな重い骨が似合ってるわけないでしょ! 」
「あ、危な! 」
 魔獣の大腿骨を使った即席メイスを振り回して、アイ姉が怒る。
「でも、その骨も採集した素材だから、このあとギルドで換金しちゃうからね」
「えっ」
 オレが言うと、アイ姉がビックリした顔でオレを振り返る。
 そりゃそうでしょ、その骨だって換金すれば立派な収入になる、そうすりゃオレの取り分も増えることになるからな。
「あたしから、この“痛撃棍”を奪おうって言うの? 」
 アイ姉が魔獣の骨改め“痛撃棍”を抱きしめてオレを非難する。
 そんな事いわれても……。
「名前までつけて、気に入ってんじゃん」
「さっきまで、こんなの振り回すのも嫌だとか言ってたのに~」
「アイリスは骨が似合う」
 他の三人の姉ちゃんがジト目で見つめる。
「似合うか! でも嫌だとも言ってないわよ。今は武器もないし……」
「でもさ、その……なんだっけ“痛撃棍”だっけ? それを売ったお金でアイ姉にぴったりな、軽くてオシャレでカッコイイ、ちゃんとしたメイス“痛撃棍Ⅱ”を買った方がいいと思うんだけど」
 そんなの有るかどうかは知らないけど、骨は手放してほしい。
「オシャレでカッコイイ……あたしにぴったりな“痛撃棍Ⅱ”……ステキ」
 アイ姉は“痛撃棍Ⅱ”のネーミングに惹かれたのか、初代“痛撃棍”をゴトンと地面に落として、心ここに在らずといった感じで宙をみつめる。まだ見ぬ愛棍“痛撃棍Ⅱ”を幻視しているのだろうか。
「メイスに、オシャレでカッコイイものなんてあるのかしら? 」
「さあ? すぐに魔獣殴って血みどろ」
「それに~、あっても今日の稼ぎだけじゃ、買えないと思うけど~」
 リズ姉と赤姉がジト目でアイリスを眺め、ネー姉はしごく現実的な事を言い出す。
「そ、そうね」
 現実に引き戻されたアイ姉が、あわてて落とした骨を拾う。「JJくん、明日からもよろしくね」
 骨はまだ暫くアイ姉の愛混として活躍しそうだ。
「まあ、くわしくは素材を換金してからね」
 明日以降の事はまた後だ。オレの予想では換金額は、お姉ちゃん達のいつもの稼ぎの十倍は軽くいってるはずだ。ボーナスも出そうだし、この様子だと明日以降もオレを雇ってくれるだろう。
「ほら、もう日が暮れるよ。早く行こうよ」
 オレたち五人はホクホク顔で、ギルドへの道を進んだ。

「それじゃ~、ワタシは先に帰ってるから~」
 ギルドのダンジョン前支店に着く前にネー姉とは分かれた。
 今日はネー姉が食事当番とかで、先に帰って食事を作るそうだ。
 女四人で少し広めの部屋を借りてシェアしているらしい。そうじゃなかったら、あの安い収入では生活するのは無理だろうな。
「今日は食べられるもの作っておいてよね」
 なんか不穏なことを言ってる。聞かなかったことにしよう。
「リズ、ゴメンね、ちょっと武器屋に行って来ていい? 」
 アイ姉は壊れた武器が修理できるか、かわりの武器はいくらするのか気になって仕方ないらしい。
「いいわ、換金が終わるまで時間がかかるからゆっくり見てなさいよ」
「ん、武器は大事」
 リズ姉も赤姉も頷いたのでアイ姉が走って武器屋へと消えていった。
「リズ、換金ヨロ。アタシ薬屋行く」
 赤姉は今日消費したポーションの補充に薬局へ向かった。
 こうして、ギルドでの換金にはリズ姉とオレだけが行くことになった。

 
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