あなたはダンジョン出禁ですからッ! と言われた最強冒険者 おこちゃまに戻ってシェルパから出直します

サカナタシト

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出禁 第十一話 ギルドの緊急クエスト その4

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第十一話  ギルドの緊急クエスト その4

「それじゃこれ、約束の報酬よ」
 ギルドを出た所で、リズ姉はオレに今日の稼ぎを五人で割った額、つまりリズ姉やアイ姉たちと同じだけの金額をくれた。
「こんなにいいの?」
 一人でダンジョンに潜っていた頃よりは少ないが、それでも久しぶりにまともな収入だった。
「まあね、十倍以上稼げたらボーナスあげる約束だったし、色々アドバイスもらったし。それに【サイノクラス】はJJくんが倒したでしょ。これでも少ないくらいだけど。私たちも懐は厳しいから。特にアイリスは武器壊したばかりし、だからこれで勘弁してね」
 他のメンバーに相談しなくてもいいのか聞いたが、絶対大丈夫と太鼓判を押された。
「それで、弓やあの不思議な眼鏡のレンタル料金はいくらなのかしら」
 こうまでしてもらったらオレも気分がいい。
 本気で、あれで金を稼ごうなんて思っていなかったので、「レンタル料金はなしでいい」と言うとメッチャ喜ばれた。
「それよりもさリズ姉、今日はお試しでシェルパやったけどどうだった? 出来ればこのまま明日も――」
 出来れば明日も以降もしばらく、少なくともマッドキャタピラの特需期間は一緒に潜りたい、そう思ってオレはちょっとドキドキしながらリズ姉に聞いた。
 他の冒険者と比べると金払いもいいし、素直にこちらのアドバイスを聞くし、明るくて変にスレていない所もいい。
 ずっと一緒だと、中身三十三歳のオッサンのオレ自身気後れするが、大人の姿に戻るまでの短期間だったら何とかなるかな。
 このパーティは逃がしたくない。今後はもっとサービスしてもいいかな。
「そうね、私的には良かったと思うけど……」
 そうだよね良かったよね……ん、けど?
「他のメンバーにも聞いてみないと。明日以降の事はこれから帰って相談するわ」
「そ、そうだよね、リズ姉一人じゃ決めらんないよね。まだたった一日一緒に仕事しただけだし、ははは」
「だってウチのパーティ名“トゥインクルガールズ(煌く少女達)”だから。男の子が入ると名前変わっちゃうし」
 そっちかよ! なんでそんな名前にしたかな。ちょっとショックだった。ほとんど決まりだと思っていたのに。
 シェルパでパーティーメンバじゃないから、男の子でも許してくれないかな。
 やや不満なオレを残して、リズ姉は仲間の待つホームへと帰っていった。一緒に潜る場合は、今日と同じ時間にギルドの掲示板の所で、と約束して。
 まあ、今日の感触なら明日以降も一緒に潜ってくれるだろ。
 もう少し仲良くなれば、オレの持ってる【マッドキャタピラ】の素材も一緒に換金してもらえるかもしれないし。
 うむ、ちょっと未来が開けた感じがする。
 一抹の不安があるとすればあのヒャッハー達の件だが、リズ姉も嫌ってるようだし今日初めて中層序盤の七階層にデビューしたばかりのリズ姉たちが、中層後半の十階層以降に行くわけないし、まあ大丈夫だろ。
 その時のオレは、そんなのん気なことを考えていた。なんでもっと強引に一緒にやろうと言わなかったのか。
 オレはこのことを後々すっごく後悔するのだが、その時は当然それを知る由もなかった。

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