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第3章 宿敵の家と宿敵でなくなってから
第224話 カイラスは伯父と決別する
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そして今、私は剣の切っ先をライラックの伯父上に向けている。明確な敵対行為、それに対して、ライラックの伯父上の表情に見えるのは焦りと、どうしてという感情だった。
「カイラス……貴様……」
「ライラックの伯父上……場所を変えましょう。近くでアークゲートの魔法が放たれていては、満足に戦えないでしょう」
「いけしゃあしゃあと……」
奥歯を噛みしめ、私を睨みつけるライラックの伯父上からは殺気すら感じる。こうして対面しているからこそよく分かる。この人はもう、昔のフォルス家に囚われてしまって抜け出せないと。エリザベートの甘い誘惑に、完全に堕ちてしまっていると。
「システィ」
「……ですが」
「システィ」
不意に隣から声が聞こえ、視線をほんの少し動かしてアークゲート家の二人、ユースティティア様ともう一人の女性を視界の隅に入れる。声をかけられたシスティという女性は渋っていたが、再度名前を呼ばれることで後ろ髪を引かれるような思いで頷いたように見えた。
剣をライラックの伯父上に向けたまま私は左にゆっくりと足を進める。それに合わせてライラックの伯父上もまたゆっくりと足を同じ方向へ進めた。次第にユースティティア様から距離を取り始める。しかし一方で、近くには常にもう一人の気配を感じていた。
それに声をかけることはせず、ライラックの伯父上と対峙したまま走り出す。ライラックの伯父上もまた走り出し、私達は全く同じ距離を保ったままでその場から移動した。
十分にユースティティア様から距離を取ったと確信し、足を止めればライラックの伯父上も足を止める。悔しそうに奥歯を噛みしめる姿が印象的だった。
「私を見張りに来たか」
声をかければ、右隣りに影が降り立つ。先ほどユースティティア様にシスティと呼ばれていた女性が付いてきていたようだった。彼女を視界の隅に入れて声をかければ、冷たい声が返ってくる。
「……侵入者二人をそのまま行かせるわけにはいきませんから」
「確かにその通りだ。だが、ユースティティア様の方はいいのか?」
「……目の前の敵に集中してください。手を貸します」
どうやら聞いてはいけない事だったようだ。釘を刺されてしまったが、アークゲート家の人物が手を貸してくれるのはありがたい事だ。ライラックの伯父上は強敵、私一人ではやや荷が重い。
それにしても、フォルス家とアークゲート家が手を取り合って敵と戦う、か。まるでノヴァのようだな、と思ったりした。
「なぜだカイラス……なぜ裏切った!?」
そしてライラックの伯父上は、いつまで経ってもそれを決して受け入れられはしないのだろうと悟った。いや、その事を最初から私は悟っていたのだろう。だから私はローズに声をかけても、ライラックの伯父上に声をかけることはしなかった。
共にノヴァを裏切るのをやめようと言う事すら憚れるほどに、ライラックの伯父上はレティシア様を、いやノヴァを消すことを夢見ていたからだ。
「元々裏切ったのはそちらの方です。フォルス家当主たるノヴァを亡き者にしようとしたことは立派な裏切り行為では?」
「だがそれはフォルス家の未来のためだった! お前のためでもあった! それを何度も説明し、お前も分かってくれたはずだ! なのに……なのになぜ!?」
「…………」
それは確かに何度も言われてきたこと。何度も言い聞かされてきたこと。けれどそれに対する答えは既に得ている。
「ノヴァの元でもフォルス家の未来は明るく出来ます」
「違うっ! あの出来損ないの言う未来にフォルス家はないっ!」
「名前が全てではありません。たとえ名前が変わったとしても、新しい道を歩むことは出来る。そしてそれを輝かしいものにするかどうかは私たち次第です」
フォルス家の未来については、もう決めた。新しい道の先が明るいものであることをノヴァの剣から感じ取ったからこそ、そう断言できる。無論ノヴァにだけ任せるつもりはない。私だって尽力する。それはこれまでとは違う険しい道になるかもしれないけれど、それでいいと思えるだけの魅力があり、尽力することで道の先を眩いほどに輝かせることが出来ると、輝かせてみせるとさえ思ったからだ。
それに、ライラックの伯父上の考えは嘘だ。
「……私のためと言っていますが、あなたはただノヴァを亡き者にして再びフォルスとアークゲートの距離を取りたいだけだ。あなたが恐れているのは、ただフォルスとアークゲートが融合し、元のフォルスとして戻らなくなることだけ」
この人はフォルス家に取りつかれている。父上以上に、私以上に。だからきっと。
「一つになれば、もうフォルス家は戻らなくなる。あなたは一時期、未来においてフォルスとアークゲートが再び距離を取ると考えた。けれどそれが今回のノヴァの提案で叶わないことを感じているだけだ。……ライラックの伯父上、あなたは自分の考えた未来が消えそうだから藻掻いているだけです」
「……黙れ」
「正直に述べます。今の段階ですでにフォルスとアークゲートは近づいている。例え時間をかけたところで二つの家が再び宿敵の関係になることはきっとない」
「黙れ黙れ黙れぇ!!」
狂ったように叫ぶライラックの伯父上を見て、哀れだな、という感情しか湧いてこない。
「もう、二つの家は新しい道を歩み始めたんです。元の道に戻ることは決してない。交わってしまった以上、また別れることはないんです。そんなこと、私達がさせない」
させるものか。ノヴァの剣に、新たな道の先に、輝きを見た。あの輝きを失わせることなど、許しはしない。それはきっとノヴァもレティシア様も、多くの人も同じ気持ちだ。
「黙れと言っているっ!」
けれどライラックの伯父上には届かない。
「……なにを言っても届きませんか」
分かっていた事ではあるし、届いて欲しいとも思わない。だが私も一歩間違えればこうなっていたことを考えると、少し不憫に思えた。
「……詳しい話は分かりませんが」
不意に今まで沈黙を貫いていたシスティという女性が短剣を取り出して口を開く。
「旦那様の事を出来損ないと言ったあの狼藉者の口を、今すぐに塞ぎたいと強く思います」
隣から殺気のようなものを感じて、私は思わず苦笑いしてしまった。どうやら私の弟は、アークゲートの女性に好ましく思われているらしい。あれで人たらしなところでもあるのだろう。誰に似たのやら。
「カイラスっ! お前が立ちはだかるというのならば斬り捨てるっ! その道を選んだこと、後悔させてやるぞ!」
まあ、私でもライラックの伯父上でもないのは間違いないだろう。
彼の叫びに、私はため息交じりに返した。
「……私を斬り捨てたらフォルスの後継をどうするつもりなのか、というのもありますが、今はいい」
剣を握る手に力を込めて、大きく息を吸い、そして目を開くと同時に叫ぶ。
「ライラック・フォルス、お前を反逆者として粛清する」
「出来るものなら、やってみろっ!」
「……抹殺します」
私、ライラックの伯父上、そしてシスティ殿の三者がそれぞれ思い思いに地面を蹴り、前へ出た。
「カイラス……貴様……」
「ライラックの伯父上……場所を変えましょう。近くでアークゲートの魔法が放たれていては、満足に戦えないでしょう」
「いけしゃあしゃあと……」
奥歯を噛みしめ、私を睨みつけるライラックの伯父上からは殺気すら感じる。こうして対面しているからこそよく分かる。この人はもう、昔のフォルス家に囚われてしまって抜け出せないと。エリザベートの甘い誘惑に、完全に堕ちてしまっていると。
「システィ」
「……ですが」
「システィ」
不意に隣から声が聞こえ、視線をほんの少し動かしてアークゲート家の二人、ユースティティア様ともう一人の女性を視界の隅に入れる。声をかけられたシスティという女性は渋っていたが、再度名前を呼ばれることで後ろ髪を引かれるような思いで頷いたように見えた。
剣をライラックの伯父上に向けたまま私は左にゆっくりと足を進める。それに合わせてライラックの伯父上もまたゆっくりと足を同じ方向へ進めた。次第にユースティティア様から距離を取り始める。しかし一方で、近くには常にもう一人の気配を感じていた。
それに声をかけることはせず、ライラックの伯父上と対峙したまま走り出す。ライラックの伯父上もまた走り出し、私達は全く同じ距離を保ったままでその場から移動した。
十分にユースティティア様から距離を取ったと確信し、足を止めればライラックの伯父上も足を止める。悔しそうに奥歯を噛みしめる姿が印象的だった。
「私を見張りに来たか」
声をかければ、右隣りに影が降り立つ。先ほどユースティティア様にシスティと呼ばれていた女性が付いてきていたようだった。彼女を視界の隅に入れて声をかければ、冷たい声が返ってくる。
「……侵入者二人をそのまま行かせるわけにはいきませんから」
「確かにその通りだ。だが、ユースティティア様の方はいいのか?」
「……目の前の敵に集中してください。手を貸します」
どうやら聞いてはいけない事だったようだ。釘を刺されてしまったが、アークゲート家の人物が手を貸してくれるのはありがたい事だ。ライラックの伯父上は強敵、私一人ではやや荷が重い。
それにしても、フォルス家とアークゲート家が手を取り合って敵と戦う、か。まるでノヴァのようだな、と思ったりした。
「なぜだカイラス……なぜ裏切った!?」
そしてライラックの伯父上は、いつまで経ってもそれを決して受け入れられはしないのだろうと悟った。いや、その事を最初から私は悟っていたのだろう。だから私はローズに声をかけても、ライラックの伯父上に声をかけることはしなかった。
共にノヴァを裏切るのをやめようと言う事すら憚れるほどに、ライラックの伯父上はレティシア様を、いやノヴァを消すことを夢見ていたからだ。
「元々裏切ったのはそちらの方です。フォルス家当主たるノヴァを亡き者にしようとしたことは立派な裏切り行為では?」
「だがそれはフォルス家の未来のためだった! お前のためでもあった! それを何度も説明し、お前も分かってくれたはずだ! なのに……なのになぜ!?」
「…………」
それは確かに何度も言われてきたこと。何度も言い聞かされてきたこと。けれどそれに対する答えは既に得ている。
「ノヴァの元でもフォルス家の未来は明るく出来ます」
「違うっ! あの出来損ないの言う未来にフォルス家はないっ!」
「名前が全てではありません。たとえ名前が変わったとしても、新しい道を歩むことは出来る。そしてそれを輝かしいものにするかどうかは私たち次第です」
フォルス家の未来については、もう決めた。新しい道の先が明るいものであることをノヴァの剣から感じ取ったからこそ、そう断言できる。無論ノヴァにだけ任せるつもりはない。私だって尽力する。それはこれまでとは違う険しい道になるかもしれないけれど、それでいいと思えるだけの魅力があり、尽力することで道の先を眩いほどに輝かせることが出来ると、輝かせてみせるとさえ思ったからだ。
それに、ライラックの伯父上の考えは嘘だ。
「……私のためと言っていますが、あなたはただノヴァを亡き者にして再びフォルスとアークゲートの距離を取りたいだけだ。あなたが恐れているのは、ただフォルスとアークゲートが融合し、元のフォルスとして戻らなくなることだけ」
この人はフォルス家に取りつかれている。父上以上に、私以上に。だからきっと。
「一つになれば、もうフォルス家は戻らなくなる。あなたは一時期、未来においてフォルスとアークゲートが再び距離を取ると考えた。けれどそれが今回のノヴァの提案で叶わないことを感じているだけだ。……ライラックの伯父上、あなたは自分の考えた未来が消えそうだから藻掻いているだけです」
「……黙れ」
「正直に述べます。今の段階ですでにフォルスとアークゲートは近づいている。例え時間をかけたところで二つの家が再び宿敵の関係になることはきっとない」
「黙れ黙れ黙れぇ!!」
狂ったように叫ぶライラックの伯父上を見て、哀れだな、という感情しか湧いてこない。
「もう、二つの家は新しい道を歩み始めたんです。元の道に戻ることは決してない。交わってしまった以上、また別れることはないんです。そんなこと、私達がさせない」
させるものか。ノヴァの剣に、新たな道の先に、輝きを見た。あの輝きを失わせることなど、許しはしない。それはきっとノヴァもレティシア様も、多くの人も同じ気持ちだ。
「黙れと言っているっ!」
けれどライラックの伯父上には届かない。
「……なにを言っても届きませんか」
分かっていた事ではあるし、届いて欲しいとも思わない。だが私も一歩間違えればこうなっていたことを考えると、少し不憫に思えた。
「……詳しい話は分かりませんが」
不意に今まで沈黙を貫いていたシスティという女性が短剣を取り出して口を開く。
「旦那様の事を出来損ないと言ったあの狼藉者の口を、今すぐに塞ぎたいと強く思います」
隣から殺気のようなものを感じて、私は思わず苦笑いしてしまった。どうやら私の弟は、アークゲートの女性に好ましく思われているらしい。あれで人たらしなところでもあるのだろう。誰に似たのやら。
「カイラスっ! お前が立ちはだかるというのならば斬り捨てるっ! その道を選んだこと、後悔させてやるぞ!」
まあ、私でもライラックの伯父上でもないのは間違いないだろう。
彼の叫びに、私はため息交じりに返した。
「……私を斬り捨てたらフォルスの後継をどうするつもりなのか、というのもありますが、今はいい」
剣を握る手に力を込めて、大きく息を吸い、そして目を開くと同時に叫ぶ。
「ライラック・フォルス、お前を反逆者として粛清する」
「出来るものなら、やってみろっ!」
「……抹殺します」
私、ライラックの伯父上、そしてシスティ殿の三者がそれぞれ思い思いに地面を蹴り、前へ出た。
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