5 / 5
あら、お父様。わたくし、元婚約者なんてどうでも宜しくてよ?
しおりを挟む―-✃―――-✃―――-✃―-―-
「ふむ……砂漠の国へ無期限の留学、か」
確か、彼の国の国王は好色で有名。それも、美形であれば男女問わないという。
後宮に、出身地を問わず多種多様な人種の美男美女を侍らせていると聞くが――――
おそらくは、娘の婚約を押し切った連中の報復なのだろう。判る者にしか判らない報復。
もしくは……不要となった王族のスペアの再利用、と言ったところか。きっと、彼の国王へ高値で売り付けたのだろう。返品不要な元王族、として。
まあ、元々恋した女を複数人で囲い、高級娼婦として押し上げようとしていた連中だ。若いのに、大層歪んだ性癖をしていると戦慄したものだが……
そんな彼らであれば、砂漠の後宮でも存外楽しく過ごせるのかもしれないな? きっと、国許では顔を顰められる性癖も、向こうでは恥じる必要もない。なんなら、歓迎されることもあるだろう。
我が家の跡取りにすると公言した娘に、元婚約者がどうなったか聞きたいかと問うも……
「あら、お父様。わたくし、元婚約者なんてどうでも宜しくてよ? そんな興味の欠片も湧かない連中の話を聞くより、蚊の生態研究の論文を書いていた方がよっぽど有意義ですわ」
という、なんとも言えない返答が返された。
そうか、元婚約者は娘にとって蚊以下のどうでもいい存在になったのか……
後に、娘は本当に蚊についての論文を発表し、蚊の媒介する伝染病の予防策を広めた功労者として有名になった。
やはり、我が愛する娘は素晴らしい。我が家門は娘の功績で益々繁栄することだろう。
ただ、その分娘の婿を選ぶのに難航しそうではあるが。
今度こそ、娘のことを尊重し、心から大事に思ってくれる男を選ばねば!
――おしまい――
✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧
読んでくださり、ありがとうございました。
まさかの、『恥ずかしい』シリーズ? 第三弾。視点変更は得意なのですが、前の二作を読んでない人にもわかるようにと書くのが難しかったです。(*゜∀゜)=3
なので、視点は違うけど、前半が【だって~】と結構被ってますね。
実は、書いてる奴が元婚約者共に興味が無かったので、続きを書くとは自分でも思ってなかったんですよねー。ꉂ(ˊᗜˋ*)
でも、別作品【王子様の元恋人、なんてバッドステータスにも程があるだろ。】の不敬な某側近君が、書いてる奴の脳内で囁きやがった。
某側近君「あ、俺。中途半端に地位のある困った王侯貴族の、いい引き取り先があるの知ってまーす。美形なら、砂漠地帯某国の後宮に高く売れますぜ」(*`艸´)ヒソヒソ
なので、元婚約者共は【だって~】のあとがきでの最初の予想と違って、侍っていたお嬢さん共々砂漠の国のハーレムにドナドナされてしまった。もしかしたら、【王子様の~】のゲス王子もハーレムにいたりするかも? 元婚約者の新たな決意は、滞在先の後宮に着いて早々ドブに捨てられることに……
きっと、ネコが沢山いる後宮で可愛がられることでしょう。ちなみに、移動中に数週間掛けて断種的なお薬を盛られる予定。( ◜◡◝ )
なんでいきなり男色家疑惑? と思った方。アレっすわ。男同士で堂々とイチャイチャできねーから、真ん中に女の子置いて、女の子にタッチする振りしてお友達同士で手ぇ握ったりしてんだろ? 的な、目線ですね。多分、言い出したのは鼻血吹きながらお花畑共をガン見してた腐女子。(そんなキャラ描写してないけど)ꉂ(ˊᗜˋ*)
よかったな。特殊性癖持ちの集団に仲間入りできるから、これでもう恥ずかしくないだろう? と思っているパパンに全部持って行かれた感。(((*≧艸≦)ププッ
あと、なんか娘ちゃんがマジで蚊の論文発表しちゃった。
娘ちゃん「うふふ、実はわたくし。婚約者がいた頃から彼と顔を合わせている無駄な時間の間、偶々飛んでいた蚊を見て、その生態について考えてみることにしましたの。それが実を結びましたわ♪」ζ*'ヮ')ζ
感想で頂いた(他サイトのも込み)脳内ボイス。
お嬢様……娘ちゃん。早○沙織さん。○ルさんorシャイな虎さん?
【王子様の~】でも【これでもう~】でも、本編には未登場だというのに……砂漠の国の後宮を持つ国王が平○大輔さんですと? なんかエロい某ド変態鬼車掌さん! 伊○誠? イっちゃってる演技が上手過ぎて変態っ振りが突き抜けてるぜ!←誉めてます!(*>∀<*)
感想を頂けるのでしたら、お手柔らかにお願いします。
1,749
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(11件)
あなたにおすすめの小説
元婚約者は戻らない
基本二度寝
恋愛
侯爵家の子息カルバンは実行した。
人前で伯爵令嬢ナユリーナに、婚約破棄を告げてやった。
カルバンから破棄した婚約は、ナユリーナに瑕疵がつく。
そうなれば、彼女はもうまともな縁談は望めない。
見目は良いが気の強いナユリーナ。
彼女を愛人として拾ってやれば、カルバンに感謝して大人しい女になるはずだと考えた。
二話完結+余談
比べないでください
わらびもち
恋愛
「ビクトリアはこうだった」
「ビクトリアならそんなことは言わない」
前の婚約者、ビクトリア様と比べて私のことを否定する王太子殿下。
もう、うんざりです。
そんなにビクトリア様がいいなら私と婚約解消なさってください――――……
結婚するので姉様は出ていってもらえますか?
基本二度寝
恋愛
聖女の誕生に国全体が沸き立った。
気を良くした国王は貴族に前祝いと様々な物を与えた。
そして底辺貴族の我が男爵家にも贈り物を下さった。
家族で仲良く住むようにと賜ったのは古い神殿を改装した石造りの屋敷は小さな城のようでもあった。
そして妹の婚約まで決まった。
特別仲が悪いと思っていなかった妹から向けられた言葉は。
※番外編追加するかもしれません。しないかもしれません。
※えろが追加される場合はr−18に変更します。
完結 貴方が忘れたと言うのなら私も全て忘却しましょう
音爽(ネソウ)
恋愛
商談に出立した恋人で婚約者、だが出向いた地で事故が発生。
幸い大怪我は負わなかったが頭を強打したせいで記憶を失ったという。
事故前はあれほど愛しいと言っていた容姿までバカにしてくる恋人に深く傷つく。
しかし、それはすべて大嘘だった。商談の失敗を隠蔽し、愛人を侍らせる為に偽りを語ったのだ。
己の事も婚約者の事も忘れ去った振りをして彼は甲斐甲斐しく世話をする愛人に愛を囁く。
修復不可能と判断した恋人は別れを決断した。
私はあなたの正妻にはなりません。どうぞ愛する人とお幸せに。
火野村志紀
恋愛
王家の血を引くラクール公爵家。両家の取り決めにより、男爵令嬢のアリシアは、ラクール公爵子息のダミアンと婚約した。
しかし、この国では一夫多妻制が認められている。ある伯爵令嬢に一目惚れしたダミアンは、彼女とも結婚すると言い出した。公爵の忠告に聞く耳を持たず、ダミアンは伯爵令嬢を正妻として迎える。そしてアリシアは、側室という扱いを受けることになった。
数年後、公爵が病で亡くなり、生前書き残していた遺言書が開封された。そこに書かれていたのは、ダミアンにとって信じられない内容だった。
なにをおっしゃいますやら
基本二度寝
恋愛
本日、五年通った学び舎を卒業する。
エリクシア侯爵令嬢は、己をエスコートする男を見上げた。
微笑んで見せれば、男は目線を逸らす。
エブリシアは苦笑した。
今日までなのだから。
今日、エブリシアは婚約解消する事が決まっているのだから。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
いつまでも変わらない愛情を与えてもらえるのだと思っていた
奏千歌
恋愛
[ディエム家の双子姉妹]
どうして、こんな事になってしまったのか。
妻から向けられる愛情を、どうして疎ましいと思ってしまっていたのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ありがとうございました✨三部作、最高でした面白かったー