おっす、わしロマ爺。ぴっちぴちの新米教皇~もう辞めさせとくれっ!?~

月白ヤトヒコ

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神様が帰って来るまで、この世界を壊さずに保つことが、一応俺が俺に課している使命だ。

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 まあ、色々と不可抗力過ぎる。仕方ない。

 で、俺が砕けた大陸周辺の修復作業に手間取っている間。いじけたポンコツがまた色々とやらかしやがって、苛々した俺は、「これ以上壊すな! 大人しくしてろ! このポンコツがっ!?」と兄弟を怒鳴り付けた。「うわ~ん! 兄弟のバカ~っ!? もう我、お前のこと知らんからっ!?」と、スタンピードのよく起こる土地で不貞寝を始めた。偶に思い出し怒り(神様にマジ切れされたことや俺に怒られたこと)の八つ当たりで、スタンピードを蹴散らせるからというのが、場所の決め手になったらしい。

 まあ、世界を破壊しなけりゃ、魔獣蹴散らすくらい別にどうでもいいし。と、ポンコツの不貞寝を放っておくことにした。

 そこにアルメリアの先祖がやって来て、「大陸(世界)を無駄に壊すな! 罪を犯してない生物を無駄に虐殺するな!」という、俺の言葉に従った? 結果。初代国王と盟約を交わして、不貞寝を続けることにしたらしい。

 それがやがて、神竜の微睡む地と称されるようになった。

 ちなみに、神様はまだこの世界に帰って来ていない。複数の世界から召喚されたヒト達を元の世界に帰したり、愛し子を攫われた別世界の神様へ平身低頭で謝ったりしているのだろう。それに、余所の世界とうちの世界とは時間軸が異なるっぽいし。お詫び行脚が終わるまでは帰れないのだろう。

 神様が帰って来るまで、この世界を壊さずに保つことが、一応俺が俺に課している使命だ。

 自分で言うのもなんだが、俺ってかなり苦労人じゃね? ま、ヒトじゃねぇけど。

 つか、神様いなくなって結構年月経つから神様の気配や祝福が年々減ってんだよなー。で、その減って行っている祝福の力を増幅して意識的に扱えるヒト種が、この世界では聖人……男なら聖者、女なら聖女と称されているワケだ。

「で、アルメリアはこれからどうするんだ?」

 今のところ、あのポンコツ兄弟を制御できる手段の一つである人間の聖女へと問い掛ける。

「なにが?」

 嫌そうな表情と声で返すアルメリア。

「や、俺はスタンピードがどうにかできればそれでいい。で、なるべくならアルメリアの動向は把握しておきたい。あと、ぶっちゃけ命を落とされると困る。まあ、一番いいのは、このまま教会で保護されてくれることだな」
「うむ。アルメリアちゃんがここに居たいなら、好きなだけ居るといい」
「そうですね。アルメリア嬢が心配ですし……これからのことを決めるまでは、しばらく教会併設の孤児院で暮らすのは如何でしょうか? アルメリア嬢は……その、失礼とは思いますが、少々世間知らずなところがありますので」

 聖者のじいさんと、そのお付き? の眼鏡のにーさんが言うと、

「孤児院……はい、質問です!」

 アルメリアは少し難しい表情で手を挙げた。

「なんでしょうか?」
「ここの孤児院って、成人間際でも入れるんですか?」
「え?」

 眼鏡のにーさんが一瞬固まって、驚いたようにアルメリアを見下ろす。

「ああ、アルメリア。こう見えて、そろそろ十八くらいだから」
「はい? え? アルメリア嬢が、十八歳、ですってっ!? どう多く見積もっても十三、四くらいにしか見えませんがっ!?」
『そりゃ、欠食娘だからな! 発育不良は仕方ないぜ!』

 はははと笑う風の精霊。

「まあ、栄養状態が悪い環境で育ったから仕方ないんじゃないか? あと、魔力高い奴は栄養不良が長く続くと、無意識に成長を遅らせたりすることもあるし」
「え? マジ? ならわたし、もっと身長伸びる可能性あるってことっ!?」

 おおっ、アルメリアから始めて俺に向けられる嬉しそうな顔。

「ああ、ワンチャンありだな。っつっても、今から遅い成長期が来るにしても、ちゃんと栄養摂取して睡眠も取らないと大分難しいと思うがな」
『野宿で狩りして漂流する人間より、定住してる人間のがメシには食いっぱぐれない印象だな』
「成る程ー」

 風のの言葉にふむふむと頷くアルメリア。

「娘っ子」
「はい、なんですか? トムさん」
「お前、大分腕が立つらしいな?」
「え~? どうでしょう?」
「連携されると厄介な犬系魔獣の群れを単独で殲滅できると豪語してたじゃねぇかよ。動ける治癒術師は貴重だ。娘っ子、教会の傭兵団に入らねぇか?」
「トマス様っ、なんてことを仰るのですかっ!?」

 じいさん騎士の提案に大声を上げる眼鏡のにーさん。

「ああん?」
「アルメリア嬢に傭兵なんて危険な真似はさせられません! そんなことをするくらいならば、アルメリア嬢を他宗の聖女として教会で特別保護します! 猊下も、宜しいですねっ?」
「はあっ!? 聖女とか、絶対嫌なんですけどっ!?」

 にーさんの言葉に、ブチ切れるアルメリア。

「また聖女って役職与えられて馬車馬より酷い環境で働かされるなんて冗談じゃない! そんなこと勝手に決められるくらいなら、そこらの男適当に引っ掛けて聖女なんぞやめてやるからっ!?」
「ちょっ、アルメリア嬢っ? なにを言うのですかっ!? 猊下、アルメリア嬢に思い留まるよう説得してください!」
「う~む……クレメンスや、今のはアルメリア嬢の意向を確認せずに勝手に決めようとしたお主が悪いぞ」
「そ、それは……その、アルメリア嬢。申し訳ありませんでした。ただ、わたしはあなたに過酷な労働を強いたり、強制的に働かせようとしたワケではありません。あなたのように、虐待を受けていた子を保護したいという思いが先走ってしまいました」

 じいさん聖者の言葉に、素直にアルメリアに謝罪する眼鏡のにーさん。

「うむ。しかし、アルメリアちゃんや。自分を傷付けるようなことはしてはいかんぞ」
「そうだぞ、アルメリア。どうせ、処女とか捨てたところで多分意味ねぇから」
「え?」
「は? 意味無いって、どういうこと?」
「? だって、聖人ってな、気質成分強めの体質みたいなもんだろ。処女や童貞を自分から捨てたところで、聖女や聖者でなくなるワケでもなし。まあ、強姦とか? 無理矢理殺戮させられたりとか? 自分の意に添わない酷いことを強要されたら、祝福が使えなくなるかもだけどなー」
『ま、ぶっちゃけ、娼婦の中にも聖女はいるからな』


――――――――

 天秤「これ以上壊すな! 大人しくしてろ! このポンコツがっ!?」(º言º)

 神罰竜「うわ~ん! 兄弟のバカ~っ!? もう我、お前のこと知らんからっ!?」。゜ヽ(゜`Д´゜)ノ゜。

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