おっす、わしロマ爺。ぴっちぴちの新米教皇~もう辞めさせとくれっ!?~

月白ヤトヒコ

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こうして、わたしは猊下のお付きになったのですが・・・

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 こうして、ロマンシス様が真に教皇猊下に相応しいことが証明されたのです。

 そして王太子ゲスナーは……禁術に近しく、色情狂いになったり性病に罹ると言った危険な副作用を伴うが故に廃れた、房中術系統の回復魔術を行使するシスター・カスリンを自国に寄越した責任を教会に問い、国際問題とする、と脅すようなことを言って自国へ帰られましたが――――

 普通に無理ですね。

 冷静に考えて、です。王太子ゲスナーは、房中術で不特定多数の男性と関係を持っていた身持ちの悪いシスター・カスリンと関係を持っていた上、そのシスター・カスリンを王太子妃に望んでいたのです。

 どう考えても、通称下の病の危険性を心配されるはず。更に言うと、シスター・カスリンを我が聖女と言って寵愛し、傾倒していたことは明らか。

 王太子ゲスナーには以前の婚約者がいたはずですし。その方がどうなったのかは知りませんが……最悪、シスター・カスリンの産んだ子に王家を差し出すため、王家乗っ取りに加担したと見做される可能性だってあるのです。

 元とは言え、末端の貴族子息であったわたしでも、このくらいのことは予想できるのです。逆を言えば、このくらいのことすら判らなくなるくらい、王太子ゲスナーはシスター・カスリンに傾倒していたということです。

 王太子ゲスナーの国がまともであれば、シスター・カスリンとの結婚を認めるよう、教会に出向いた時点で、ゲスナー殿下の王太子位は剥奪されていることでしょう。

 周辺諸国へ訴えるなど、自国と己が恥を晒して吹聴して歩くようなもの。なんだったら、もう王族ですらないのかもしれません。引き連れていた一行諸共、国に帰ると捕縛されていたり……など、するかもしれませんね。

 まあ、他国のことですし。どうなるかなど、その国の偉い方がお決めになることですが。

 教会に害が出るようなことにならなければいいのです。

 というか……ロマンシス様は、あのような愚かでアンポンタンな花畑王族が色情狂いなどになり、国を乱すことを予見されて、元教皇候補であった俗物の手の者を各国からの回収をお命じになられたのですね。

 なんたる慧眼でしょう!

 こうして、地獄のような後始末の日々は一段落したのでした。

 神聖魔術の行使。及び、ここ数週間の疲労が一気に限界に達したのか、ロマンシス教皇猊下は後のことをその場にいた者に任せ、寝室で爆睡されています。

 ロマンシス様が爆睡されている間に、我が国の国王陛下から勅使が遣わされ、ロマンシス教皇猊下からのお返事を迫られました。

 猊下はただ今、非常にお疲れのご様子なので、お返事は明日まで待ってください。と、どうにか陛下の勅使にお帰り願い、毛布に包まり爆睡されている猊下から毛布を引っ剥がし、国王陛下へのお返事をされるよう頼んだのですが――――

 まさか、猊下が国王陛下の大叔父で、且つ元侯爵家の血筋という驚きの事実が明かされました。そして、国王陛下のご用事がまさかのお菓子の催促とは……

 少々呆れながらも、ふと……猊下が国王陛下の血縁であると知っている方は、かなり少ないのでは? と思い至り、みだりに口にしないと心に誓いました。

 そして・・・疲労困憊で倒れそうな方から順に休養し、比較的回復の早い若い人達が集まり、猊下のお付きや侍従、護衛をどうするかという相談がなされました。

 結果。集った若い人は、誰一人やりたがらないという事態に。

 曰く、「あんな鬼ジジイに付き合うの無理」「軍隊の訓練の方がましってどういうこと?」「お付きになったら、絶対過労死する……」「ヤだ、教皇怖い、あのおじいちゃん教皇怖い……」「ジジババ怖い」「まだ死にたくないんだっ!?」「俺、還俗しようかな……」などなど。

 全くお話にならなかったですね。

 なんとも失礼な話です。ロマンシス教皇猊下は、本物の大聖者であらせられるのですよ? それも、他宗教との戦争や周辺諸国の情勢悪化を、心身共にあれだけぼろぼろになりながらも食い止めた、素晴らしいお方です。

 お仕えすることを光栄に思うどころか、本気で恐怖するなど。失礼極まりない!

 ということで、ロマンシス教皇猊下のお付きとして立候補したわたしが、当面の間は一人で猊下のお世話をすることに決まりました。

 では、早速……猊下が冷たくなられていないかご確認を。なにせ、あの修羅場の最中、猊下も何度か心臓が止まってしまいましたからね。

 合い鍵を使い、猊下が呼吸していることを確かめ、安心致しました。

 それから、猊下が一日半も寝続けてとても心配になりましたが。無事に起きてくださってほっと致しました。

 こうして、わたしは猊下のお付きになったのですが・・・これから先も、猊下の言動の数々。そして、猊下の隠しておられた真の実力の数々に振り回されることになるのです。


✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧


 なんか、割とハッスルした僧兵(軍人)モードなロマ爺の自業自得感が……でも、ロマ爺が張り切ったから、無事に戦争回避できました。ꉂ(ˊᗜˋ*)

 ロマ爺「ち、違うんじゃ! わしはただ、戦争回避に必死だっただけなんじゃよ! 無実じゃ! 普段はあんなマッチョな思考はしとらんのじゃ! 信じとくれ!」ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿

 きこりのトム爺……魔獣殺し、黒血の聖騎士ダークブラッド・パラディントマス。魔獣のスタンピードで住んでいた地域が壊滅。家族や近隣住民の殆どが殺されたことで魔獣を憎み、血の滲む努力で教会の魔獣討伐専門部隊に入隊。

 国ではなく、教会の魔獣討伐部隊に入隊したのは、請われれば周辺諸国や貧しい地域など、場所を問わず赴くから。

 常に最前線でハルバートを振るい、魔獣を叩き斬り、魔獣の血が乾く間もなく鎧にこびり付き、鬼気迫る形相から魔獣殺し、黒血の聖騎士などの異名を付けられる。

 ロマ爺とは、魔獣討伐部隊所属の若かりし頃よりの付き合いで同い年。

 後方支援部隊(補給物資を届けに、普通に最前線まで行くよ)のシスとは食糧配給を巡り、

 トマス「もっと食い物寄越せ! 足りねぇんだよっ!? ブチ殺すぞコラァっ!!」L(゜皿゜メ)」

 シス「ふざけるな! これ以上減ったら、次の食糧補給までたないって言ってるだろっ!? 部隊全員を餓死させる気かっ!?」(っ`Д´)っ・:∴

 と、拳や攻撃魔術で語り合い、実力を認め合った仲。

 現在は、林の近くの番小屋に勝手に棲み付き、薪割りをして暮らしている寡黙なおじいちゃん……と思われている。現役時代より衰えてはいるが、ちょームキムキ。偶に一人でこっそり魔獣を倒しに行ってる脳筋ジジイ。

 魔獣討伐ヒャッハー! と張り切り過ぎて、修羅場終了後は筋肉痛で寝込んでいる。

 ちなみに、若かりし頃のシス君は餓えた蛮族騎士|(トマスとか)から食糧を守ってくれる食糧庫の守護者ガーディアンなんて呼ばれていたり……(((*≧艸≦)ププッ

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