(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当

文字の大きさ
42 / 77

42話 ルータスの研究室では

しおりを挟む
一方のルータスはガゼルに連れられて自分の研究室に戻っていた。

「ルータス先生、研究室に戻りましたよ。」

ガゼルはルータスを研究室のソファーへと寝かしたのだった。

「ルータス先生、もう試合は終わりましたよ。」

だがルータスはなかなか起きてこなかった。

「よほどクリード先生の魔法がすごかったみたいですね。ルータス先生がここまで伸びてるところを見ると。」

「ふーん。」

ガゼルは少し考えた後で近くに置かれていたコップを手に取るとポットからコップに水を注いだ。

そしてそのコップの水をルータスの顔にかけたのだった。

「うあっ、冷たい」

ルータスが起き出してきた。

「やっと起きましたか。」

「ここは研究室か、なんで俺はここにいるんだ?」

「忘れたんですか、クリード先生と第二試験で対決をしてたじゃないですか。」

「そうだ第二試験でクリードのカス野郎と対決をしていたはずだ。なのになんでここにいる?」

「そんなのルータス先生がクリード先生に負けたからに決まってるじゃないですか。」

「このルータスが負けたというのか?」

「ええルータス先生、クリード先生のサンダースパークで伸びてしまったんですよ。きっと雷系の超級魔法インフィニティ・サンダーストームや上級魔法のエレクトリック・ボルテックスを使わなかったのは、使ってしまったらルータス先生が死んでしまうとクリード先生は判断したんでしょうね。だからあえて中級魔法のサンダースパークを使ったんだと思います。クリード先生はなかなかいい判断力を持っていますよね。」

「このルータスは本当に負けたのか?」

「はい、ルータス先生はクリード先生に完敗でした。魔法防御の為にマジックシールドまで張ってたのに、ルータス先生はクリード先生の中級魔法にやられてしまったんですよ。いやー本当にルータス先生の気絶した姿は最高にかっこ悪かったです。」

「ふざけやがって!!クリードのカス野郎のぶんざいで!!」

ルータスは研究室の中で荒れ狂っていたのだった。

ルータスが両腕を自分の部屋の壁を叩きつけた。

「ええい!!クソクソ!!クリードのカス野郎が!!役立たずのクリードが!!あんなカス野郎ごときがこのルータスの邪魔をしやがって!!」

「ルータス先生、たぶん実力的にはクリード先生の方がはるかに上だと思いますよ!!」

「ええいクリードのカス野郎なんかよりもこのルータスの方がよほど誠実な人間だろうが!!」

「ルータス先生の方がクリード先生よりもよっぽどクズで誠実ではないと思いますけど、もしかして冗談を言ってるんですか?」

「おいガゼル、クリードのカス野郎を持ち上げるな。あんな野郎には持ち上げるところは何もない。」

「目の前の現実すら見ようとしないルータス先生のために、わざわざ現実を教えてあげてるんじゃないですか。いいですかルータス先生はクリード先生にものの見事に完敗したんです。クリード先生の魔法で一発ノックダウンしてましたよ。いいですか一発ノックダウンです!そしてルータス先生はぶざまな姿でのびていたんです。理解してくれましたか。」

ルータスは怒りに震えてガゼルを睨みつけた。

「ガゼル!!いつも言っているだろうが!!このルータスを敬えとな!!お前からは敬意が全く感じられない。」

「これでもルータス先生を心配してるんですよ。」

「本当か?ならばこのルータスに敬意を払いながら言い直せ。このルータスを気遣う言葉をかけろ。」

「分かりましたそれじゃあ。ルータス先生、クリード先生の中級魔法で一発ノックダウンさせられてましたけど、大丈夫ですか?」

ルータスがガゼルをどなりつける。

「ガゼル!!それのどこが気を使っているんだ!!それとあんなカス野郎に先生なんて敬称をつけるんじゃない!!」

だがガゼルはひょうひょうとしていて笑みを浮かべていたのだった。

「分かりました、敬愛するルータス先生、クリードの野郎の魔法でぶざまに気絶されておりましたけど、お加減は良くなりましたか?」

「ガゼル、それのどこがこのルータスに敬意を払っていると言うんだ!!このルータスををおちょくってるようにしか見えんぞ。」

「まさか、もちろんルータス先生を心配してるに決まってますよ。さっきルータス先生を研究室まで運んだじゃないですか。それがルータス先生を心配しているって証拠になりますよ。」

「ふんそんなもん証拠になるか。他の連中にはいい顔をしているくせに、このルータスにはいつも悪態をつきやがって!!」

「いいじゃないですかルータス先生とは親しい間柄なんですから。」

「なにが親しい間柄だ。考えてみればガゼルお前みたいな心の腐った奴が人の心配するわけないか。」

「その言い方はひどいな、こうやってルータス先生を運んであげたのに。」

「ふんこのルータスを笑うために運んだんだろう。本当に心の腐った奴だよお前は。」

「ルータス先生にだけは心が腐った奴とか言われたくないな。」

ルータスはガゼルを睨みつけながら大声を張り上げた。

「いいかガゼル、お前はこの私のおかげで退学を免れているのを忘れるんじゃないぞ!!お前がやっている不法行為を見逃しているうえに、学院会議でお前が処罰されないように待ったをかけているんだからな。俺が学院会議で待ったをかけなければお前はとっくに退学なっているぞ!」

「分かっていますよルータス先生、先生が味方をしてくれて感謝してます。」

「ガゼル、改めて言っておくがお前なんかには興味はない!だがお前のバッグにはとても興味を持っているし、恩を売っておきたいと考えている。だからお前みたいな奴を使ってやってるんだぞ!!」

「お前が手駒として使えるなら使ってやるが、使えないと分かったら遠慮なく見切りをつけるからな。お前が連絡員だから切り捨てられないなんて甘く考えるんじゃないぞ!!いいかガゼルお前を生かすも殺すもこのルータス次第なんだからな!!その事を絶対に忘れるなよ!!」

「もちろん忘れていませんよルータス先生。ルータス先生と我々の利害は一致しているんですよ、それなら一緒に協力していった方が得策でしょう。」

「ふざけるな、すでにこのルータスはお前達に大きな恩を売っているんだ。今度がお前達がこのルータスに恩返しをする番だろうが!!」

「ですから、ちゃんとわかっていますからルータス先生。ルータス先生の考えはちゃんと伝えておきますからもう少しお待ちください。」

ガゼルはそう言うとルータスの研究室を後にしたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした

新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。 「ヨシュア……てめえはクビだ」 ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。 「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。 危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。 一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。 彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~

風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

処理中です...