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運命のつがいと初恋 第1章
⑬
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最寄り駅には出口が二つ、東と西にあったが西と指示があったので西出口の道路側で待つことにした。どう考えてもタクシーより陽向の方が先に着いているはずだ。
どこのタクシー会社か聞こうかとスマホを弄っていたら目の前に黒光りしている車が止まった。車種に詳しくない陽向でも高級車と分かる。陽向は車道から離れながらまたスマホへ目を落とした。
「三田村様でしょうか?」
背後から声がかかる。振り返ると黒いスーツ姿の男がいた。ずいぶんと背が高い男だ、身体つきはプロレスラーのように分厚い。短髪に銀フレームの眼鏡、身体のわりに小顔を支える首の太さは尋常じゃなく普通のサラリーマンと思えない。
「え、ええと、はい、そうですが」
後ずさりながらぼそぼそと、聞かれたことに答える。東園が頼んだタクシーの運転手だろうか、ここで名前を呼ばれるんだ、きっとそうなんだろうけれど。
最近のタクシーは防犯上屈強そうな人員を集めているのかもしれないなと思いながら道路に目を向けるが、高級車のほかは停車していない。
ハザードランプの光を見ながらこれがタクシーかと首をかしげる。使わないからタクシー事情を知らないのだが、タクシーといえば黄色や赤など派手な塗装のイメージがある。
「あ、私は東園の秘書をしております北見と申します。この体格なので誤解されやすいのですが怪しい者ではございませんので、どうぞお乗り下さい。東園の自宅へお連れいたします」
「秘書って、ええと」
タクシーじゃなかったのか、そういえば車を、とは言っていたけれどタクシーって言葉は出ていなかったかも。
秘書という職種があるのは知っているが初めて見た。東園って、何してるんだろうと改めて思う。秘書がいる仕事って、やはり経営者なのか。
安易について行っていいのだろうか。ここで東園と待ち合わせていること、自分の氏名を知っていることを考えあわせてきっとこの人は本当に東園の秘書で、自分を迎えに来たのだろうけど。陽向は北見と名乗った男にちょっと失礼しますの気持ちを込めて頭を下げるとすぐさまスマホを取り東園に電話をかけた。
本人に確認するのが早い。
「三田村、電車は降りたか?」
ワンコールで東園が出た。
「降りたよ。いま駅なんだけど、北見さんって人の車に乗っていいんだよね」
「北見に会えたか、よかった」
「わざわざ会社の人に頼まなくても、歩いていけたのに。駅から二十分くらいだろ?」
「駄目だ。もう暗いだろ、家まで街灯が少ない場所もあるから危ない」
「は? 危ないってことあるか。まだ七時半だし」
「とにかくすぐ来てくれ」
危ない、とは。Ωだからか。満員電車は確かに毎日のように乗っていたら危ないかもしれないが、外は危ないという程ではない。
北見の視線を感じて陽向はスマホをポケットにねじ込みよろしくお願いします、と頭を下げた。
どこのタクシー会社か聞こうかとスマホを弄っていたら目の前に黒光りしている車が止まった。車種に詳しくない陽向でも高級車と分かる。陽向は車道から離れながらまたスマホへ目を落とした。
「三田村様でしょうか?」
背後から声がかかる。振り返ると黒いスーツ姿の男がいた。ずいぶんと背が高い男だ、身体つきはプロレスラーのように分厚い。短髪に銀フレームの眼鏡、身体のわりに小顔を支える首の太さは尋常じゃなく普通のサラリーマンと思えない。
「え、ええと、はい、そうですが」
後ずさりながらぼそぼそと、聞かれたことに答える。東園が頼んだタクシーの運転手だろうか、ここで名前を呼ばれるんだ、きっとそうなんだろうけれど。
最近のタクシーは防犯上屈強そうな人員を集めているのかもしれないなと思いながら道路に目を向けるが、高級車のほかは停車していない。
ハザードランプの光を見ながらこれがタクシーかと首をかしげる。使わないからタクシー事情を知らないのだが、タクシーといえば黄色や赤など派手な塗装のイメージがある。
「あ、私は東園の秘書をしております北見と申します。この体格なので誤解されやすいのですが怪しい者ではございませんので、どうぞお乗り下さい。東園の自宅へお連れいたします」
「秘書って、ええと」
タクシーじゃなかったのか、そういえば車を、とは言っていたけれどタクシーって言葉は出ていなかったかも。
秘書という職種があるのは知っているが初めて見た。東園って、何してるんだろうと改めて思う。秘書がいる仕事って、やはり経営者なのか。
安易について行っていいのだろうか。ここで東園と待ち合わせていること、自分の氏名を知っていることを考えあわせてきっとこの人は本当に東園の秘書で、自分を迎えに来たのだろうけど。陽向は北見と名乗った男にちょっと失礼しますの気持ちを込めて頭を下げるとすぐさまスマホを取り東園に電話をかけた。
本人に確認するのが早い。
「三田村、電車は降りたか?」
ワンコールで東園が出た。
「降りたよ。いま駅なんだけど、北見さんって人の車に乗っていいんだよね」
「北見に会えたか、よかった」
「わざわざ会社の人に頼まなくても、歩いていけたのに。駅から二十分くらいだろ?」
「駄目だ。もう暗いだろ、家まで街灯が少ない場所もあるから危ない」
「は? 危ないってことあるか。まだ七時半だし」
「とにかくすぐ来てくれ」
危ない、とは。Ωだからか。満員電車は確かに毎日のように乗っていたら危ないかもしれないが、外は危ないという程ではない。
北見の視線を感じて陽向はスマホをポケットにねじ込みよろしくお願いします、と頭を下げた。
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