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第八話:裁きの始まりは、式典から
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その日は、国中が湧いていた。
神託庁主催「聖女就任・祝福式典」。
天より神託を受けた“エリス・アルメリア”が、正式に聖女として国民の前に姿を現す――
そんな名目の、国規模の大イベント。
「まさか、あの“処刑されるはずだった令嬢”が聖女に……」
「でも、美しいし神々しいし、なんだか納得してしまう」
広場に集まった民衆は、口々に私の名をささやいた。
称賛と噂と、興味と。
けれど、私はどこも見ていない。
今日の標的は、ただ一人。
「……来たわね」
広間の奥、王族専用の来賓席。
そこに座るのは、レオンハルト王太子。
金の装束、威厳ある笑み。
処刑台のときと変わらない、その顔。
式典の開始と共に、私の名が呼ばれる。
「――聖女、エリス・アルメリア殿。
神託庁より、正式なる聖女任命の辞令が下されます」
神託庁の代表が私に手を差し出す。
それを受け取りながら、私は一歩、前に出た。
会場が静まり返る。
いまなら、誰もが私の声に耳を傾ける。
「……私は、聖女としてこの国の導きを担うことを、誓います」
そこまでは、形式通り。
けれど――
「同時に、この場をお借りして。
王家より命を狙われたこと、ならびに王太子レオンハルト殿下から受けた数々の冤罪について、ここに告発いたします」
騒然。
民衆がどよめき、王家の護衛が動き出す。
「黙れ! 貴様、何を――!」
レオンが立ち上がる。
だが私は、ゆっくりと神託の証――聖印を掲げた。
「神は見ていました。
処刑台で、私を貶め、殺そうとしたその愚かな選択を。
私は“聖女”として、王太子殿下に“償いの機会”を与えます」
「貴様ァ……!」
レオンが叫ぶその前に、
私の護衛――ユリウスが剣を抜き、私の前に立つ。
「騎士として、聖女を害する者はすべて敵と見なします」
空気が裂けるような静寂。
私は、王太子を見据えて微笑んだ。
「逃げないでね、レオンハルト。
今度は、私が“あなたの罪”を暴く番よ」
神託庁主催「聖女就任・祝福式典」。
天より神託を受けた“エリス・アルメリア”が、正式に聖女として国民の前に姿を現す――
そんな名目の、国規模の大イベント。
「まさか、あの“処刑されるはずだった令嬢”が聖女に……」
「でも、美しいし神々しいし、なんだか納得してしまう」
広場に集まった民衆は、口々に私の名をささやいた。
称賛と噂と、興味と。
けれど、私はどこも見ていない。
今日の標的は、ただ一人。
「……来たわね」
広間の奥、王族専用の来賓席。
そこに座るのは、レオンハルト王太子。
金の装束、威厳ある笑み。
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式典の開始と共に、私の名が呼ばれる。
「――聖女、エリス・アルメリア殿。
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神託庁の代表が私に手を差し出す。
それを受け取りながら、私は一歩、前に出た。
会場が静まり返る。
いまなら、誰もが私の声に耳を傾ける。
「……私は、聖女としてこの国の導きを担うことを、誓います」
そこまでは、形式通り。
けれど――
「同時に、この場をお借りして。
王家より命を狙われたこと、ならびに王太子レオンハルト殿下から受けた数々の冤罪について、ここに告発いたします」
騒然。
民衆がどよめき、王家の護衛が動き出す。
「黙れ! 貴様、何を――!」
レオンが立ち上がる。
だが私は、ゆっくりと神託の証――聖印を掲げた。
「神は見ていました。
処刑台で、私を貶め、殺そうとしたその愚かな選択を。
私は“聖女”として、王太子殿下に“償いの機会”を与えます」
「貴様ァ……!」
レオンが叫ぶその前に、
私の護衛――ユリウスが剣を抜き、私の前に立つ。
「騎士として、聖女を害する者はすべて敵と見なします」
空気が裂けるような静寂。
私は、王太子を見据えて微笑んだ。
「逃げないでね、レオンハルト。
今度は、私が“あなたの罪”を暴く番よ」
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