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第七話:レオンハルト、あなたの番よ
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刺客の遺体は、神託庁の地下に移された。
「確認できたのは三人。
すべて、“王太子付き近衛隊”の紋章を持っていた」
ユリウスの報告に、私はため息をひとつついた。
「……もう、“偶然”だなんて言わせないわね」
刺客のひとりは、死ぬ間際にこう言った。
『王太子殿下の命令だ。あんたの存在が、都合が悪いんだとよ』
民の歓声、信者の祈り、そして神託の奇跡――
すべてを得ても、王太子は私を「消そう」としている。
「エリス様。王家に楯突くのは……」
「分かってるわ。愚かだってことくらい」
私は立ち上がる。
その一歩ごとに、法衣の裾が静かに揺れる。
「でも私は、“生かされた”のよ。
だったら今度は、生きるために戦ってもいいはずでしょう?」
ユリウスは少し目を見開き、それから真剣な表情で頭を下げた。
「……ならば、剣を抜くのは私の役目です」
「それ、さっきも言ってたわよ。
“命を懸けて守る”とか、“誰より信じてる”とか――」
私はわざと軽くからかうように微笑む。
「……もしかして、私に惚れた?」
「――はい」
即答だった。
一瞬、空気が止まる。
「……え?」
「信仰でも、忠誠でもない。
私はあなたという“人”に心を奪われたんです。
それがどれほど不敬でも、私は、もう誤魔化せない」
その言葉に、私の胸の奥がかすかに熱くなる。
けれど私は、静かに視線をそらした。
「……ばかね」
ユリウスは、ただ黙って微笑んだ。
その夜。
私は神託庁の高窓から王宮を見つめながら、つぶやく。
「――次は、あなたの番よ。レオンハルト。
この私を“処刑台”に立たせた、その罪を……そっくり返してあげる」
闇に沈む王宮は、まだその脅威に気づいていない。
けれど、“聖女エリス”はもう止まらない。
それは、神の意志でも、復讐でもない。
ただ一人の女が、自分の人生を取り戻すための、静かで燃える戦いだった。
「確認できたのは三人。
すべて、“王太子付き近衛隊”の紋章を持っていた」
ユリウスの報告に、私はため息をひとつついた。
「……もう、“偶然”だなんて言わせないわね」
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『王太子殿下の命令だ。あんたの存在が、都合が悪いんだとよ』
民の歓声、信者の祈り、そして神託の奇跡――
すべてを得ても、王太子は私を「消そう」としている。
「エリス様。王家に楯突くのは……」
「分かってるわ。愚かだってことくらい」
私は立ち上がる。
その一歩ごとに、法衣の裾が静かに揺れる。
「でも私は、“生かされた”のよ。
だったら今度は、生きるために戦ってもいいはずでしょう?」
ユリウスは少し目を見開き、それから真剣な表情で頭を下げた。
「……ならば、剣を抜くのは私の役目です」
「それ、さっきも言ってたわよ。
“命を懸けて守る”とか、“誰より信じてる”とか――」
私はわざと軽くからかうように微笑む。
「……もしかして、私に惚れた?」
「――はい」
即答だった。
一瞬、空気が止まる。
「……え?」
「信仰でも、忠誠でもない。
私はあなたという“人”に心を奪われたんです。
それがどれほど不敬でも、私は、もう誤魔化せない」
その言葉に、私の胸の奥がかすかに熱くなる。
けれど私は、静かに視線をそらした。
「……ばかね」
ユリウスは、ただ黙って微笑んだ。
その夜。
私は神託庁の高窓から王宮を見つめながら、つぶやく。
「――次は、あなたの番よ。レオンハルト。
この私を“処刑台”に立たせた、その罪を……そっくり返してあげる」
闇に沈む王宮は、まだその脅威に気づいていない。
けれど、“聖女エリス”はもう止まらない。
それは、神の意志でも、復讐でもない。
ただ一人の女が、自分の人生を取り戻すための、静かで燃える戦いだった。
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