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第19話 “好き”だけじゃ、越えられないものもあるけれど
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週が明けてすぐ、社内での雰囲気はさらにざわついていた。
あの誤送信事件から数日。
明確な処分はなかったものの、空気は変わっていた。
応援してくれる人も、明らかに距離を置く人もいた。
「悪意」があるわけじゃない。けれど「壁」はあった。
「君の肩にばかり、乗ってないか?」
休憩室でふたりになったとき、遥がそんなことを言った。
「……俺が選んだんだって、言っただろ」
そう答えたけれど、どこかで自分自身にも問いかけていた。
本当にこれでいいのか?
“恋人”であることをオープンにするということが、こんなにも多くの壁を生むなんて。
「……でもさ、堂々としたいって思ったのも、本当なんだよな」
ポツリと呟いた声に、遥は静かに頷いた。
「いつか、本当の意味で隣に立てる日が来るように、俺も変わるよ。
もっと結果を出して、自分の力でここに立てるようにする」
春翔の言葉には、迷いも不安もあった。
けれどその奥にある“覚悟”が、遥をじっと見つめていた。
「……じゃあ、俺はその隣で、未来の話でも考えておくよ」
「未来?」
遥はふっと笑って、胸ポケットから何かを取り出した。
小さな、シルバーのキーホルダーだった。
コーヒー豆の形をしたモチーフ。どこかで見覚えがあると思ったら――
付き合う前、ふたりで行ったカフェの入口に吊るされていたものと、そっくりだった。
「次の記念日、これを渡そうと思ってた。ちょっと早いけど……今の君に、渡したくなった」
手のひらに乗った小さなキーホルダーが、妙に重かった。
けれど、それは嫌な重さじゃなくて――
“いっしょに背負っていける重さ”だった。
「……ありがとな」
「“好き”だけじゃ、越えられないものもある。
でも、“好き”がなきゃ、越えようとも思えない。俺は、君となら越えていけるって思ってる」
その言葉が、胸の奥で灯りになる。
まだ不安も葛藤もあるけど――
俺は確かに、この人と“生きていく未来”を考え始めている。
あの誤送信事件から数日。
明確な処分はなかったものの、空気は変わっていた。
応援してくれる人も、明らかに距離を置く人もいた。
「悪意」があるわけじゃない。けれど「壁」はあった。
「君の肩にばかり、乗ってないか?」
休憩室でふたりになったとき、遥がそんなことを言った。
「……俺が選んだんだって、言っただろ」
そう答えたけれど、どこかで自分自身にも問いかけていた。
本当にこれでいいのか?
“恋人”であることをオープンにするということが、こんなにも多くの壁を生むなんて。
「……でもさ、堂々としたいって思ったのも、本当なんだよな」
ポツリと呟いた声に、遥は静かに頷いた。
「いつか、本当の意味で隣に立てる日が来るように、俺も変わるよ。
もっと結果を出して、自分の力でここに立てるようにする」
春翔の言葉には、迷いも不安もあった。
けれどその奥にある“覚悟”が、遥をじっと見つめていた。
「……じゃあ、俺はその隣で、未来の話でも考えておくよ」
「未来?」
遥はふっと笑って、胸ポケットから何かを取り出した。
小さな、シルバーのキーホルダーだった。
コーヒー豆の形をしたモチーフ。どこかで見覚えがあると思ったら――
付き合う前、ふたりで行ったカフェの入口に吊るされていたものと、そっくりだった。
「次の記念日、これを渡そうと思ってた。ちょっと早いけど……今の君に、渡したくなった」
手のひらに乗った小さなキーホルダーが、妙に重かった。
けれど、それは嫌な重さじゃなくて――
“いっしょに背負っていける重さ”だった。
「……ありがとな」
「“好き”だけじゃ、越えられないものもある。
でも、“好き”がなきゃ、越えようとも思えない。俺は、君となら越えていけるって思ってる」
その言葉が、胸の奥で灯りになる。
まだ不安も葛藤もあるけど――
俺は確かに、この人と“生きていく未来”を考え始めている。
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