君に二度、恋をした。

春夜夢

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第18話 誰にどう思われても、俺はお前を選ぶ

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きっかけは、たった一通の――誤送信されたメールだった。

 

 送信先を間違えた、というのはよくある話。
 でも、内容が内容だった。

 

 《昨日はありがとう。君が隣にいてくれて、心から嬉しかった。
  春翔――愛してる》

 

 遥が俺に送ったはずのメールは、よりにもよって社内グループ全体メールに誤送信されていた。

 

 「……嘘だろ」

 

 その日の昼。
 社内は騒然としていた。

 

 「え、春翔くんって堂本さんと……?」
 「いや、でも“愛してる”とかって……まさかね?」
 「ってことは、あの噂、本当だったんだ……!」

 

 視線が、痛いほどに突き刺さる。

 遥はすぐに対応を始め、上層部に説明し、誤送信である旨を全体に詫びる文面を出した。
 だが、“誤送信”が“真実”であることを、みんなもう知ってしまっていた。

 

 「ごめん、春翔……俺のミスだ」

 「……いいよ、もう。怒っても仕方ないし」

 

 そう言ったけれど――
 正直、逃げ出したいほどだった。

 

 いつも通りに振る舞おうとしても、周りの視線は変わっていた。
 「可哀想な被害者」と見る人もいれば、
 「コネで出世を狙ってる」なんて、陰口も聞こえてきた。

 

 (俺は、こんな形で“関係”を知られたかったわけじゃない)

 

 そう思った瞬間、自分の中に本音があったことに気づいた。

 ――俺は、誇れる形で、隣に立ちたかったんだ。

 

 その夜、遥が迎えに来てくれた。

 いつものように優しい顔で、
 でも、どこか申し訳なさそうな目で。

 

 「……本当にごめん。君がどんな思いしてるか、想像つくから」

 

 俺は、少しだけ、唇を噛んでから言った。

 

 「……俺は、“被害者”じゃない」

 「え?」

 

 「選んだのは俺だ。お前の隣に立つって決めたのは、俺の意思だ。
  だから、誰にどう思われても――俺は、お前を選ぶ」

 

 遥の目が、驚きと誇りで満ちる。

 

 「……春翔、お前ってほんと、強いよな」

 「違うよ。……お前が隣にいてくれるから、強くなれるだけだ」

 

 その言葉に、遥が抱きしめてきた。
 いつもより、少しだけ強く。
 まるで、俺を“誇らしくて仕方ない”というように。

 

 「ありがとう。……お前がいてくれて、本当に良かった」
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