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第9話 もちろん、お受けします
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お父様に呼び出されて、私は執務室に来ていた。大事な話があるようだけど。
「オリヴィア、お前に縁談の話が来ている」
「あら、そうなのですか。お相手は、どなたでしょう?」
部屋に入ると早速、本題に入るお父様。王子との婚約がダメになった私なんかに、こんなに早く縁談話が来るとは予想していなかった。相手は、どんな人なのかしら。気になる。
額にしわを寄せたお父様が、相手の名前を教えてくれた。
「エルヴェシウス公爵家の当主だ」
「なるほど、アンドリック様ですか。それでしたら、お受けいたします」
名前を聞いて、思い出す。何度かパーティーで見かけたことのあるお方ね。年齢は、私よりも10歳ぐらい上だったと思う。それぐらいの年齢差なら、断る理由にはならない。
なので、その申し出を快諾する。
そもそも、16歳を超えてから婚約破棄されてしまったような女が上級貴族の方に婚約を申し込まれることは少ない。色々と妥協して、ようやく相手を見つけられるかどうか、というような行き遅れである。
それが幸運にも、私を求めてくれる人が居てくれたんだ。ありがたいと思う。
「……本当に、いいのか?」
「もちろん、いいですよ」
私があっさりと返事をしたので、戸惑っている様子のお父様。どうしてでしょう。とても良い話だと私は思うんだけど。この縁談話を持ってきたのも、お父様なのに。
「嫌なら嫌と言ってくれてもいいんだぞ? 無理強いする気はないからな」
「嫌なことなんてありませんよ。むしろ、とても嬉しいことですわ。私にはもったいないお話ですもの」
「そ、そうか……。でも、本当に」
「大丈夫ですよ。今回の申し出、喜んでお受けいたします」
なぜか、消極的なお父様は何度も繰り返し確認してくる。本当に、この話を進めても良いのかどうかを。
なので、私は何度も頷いた。それでいいんですよ、と。この婚約は、家のためにもなる有益な話だから。お断りするなんて、もったいない。
「だが、エルヴェシウス公爵家の当主といえば、あまり良い噂を聞かない。数多くの家に縁談を持ちかけて、全て断られいてるようだし。それで、いい年齢になった今もパートナーが決まっていない。そんな男を相手にするのは、どうなんだ……」
「周りの評価は、あまり当てにならないと思いますよ。私は何度か、お話したことがあります。その時、悪い印象は感じませんでした」
良い噂を聞かない、というのも別に問題ないと思う。エルヴェシウス公爵家の当主に関する噂は、私も聞いたことがあった。主に、見た目についていじっている噂を。普通の人より体が大きくて重たそうとか、肥満体質とか。それをもっと酷い言葉で、馬鹿にしたものを。
女癖が悪いとか、酒癖が悪いとか、金遣いが荒いとか。そのような悪い噂は聞いたことがない。ということは、心配することもない。
「……そうか。まぁ、お前がそこまで言うのなら。申し出を受けることにしよう」
「はい。そのように、お願いします」
ようやくお父様も納得してくれたのか、縁談の話を進める方向でまとまった。後は、具体的な話を詰めていくだけね。
こうして、私の新たな婚約相手が決まった。
エルヴェシウス公爵家の現当主であるアンドリック様。
マルク王子から婚約を破棄を告げられてから、半年後の出来事であった。
「オリヴィア、お前に縁談の話が来ている」
「あら、そうなのですか。お相手は、どなたでしょう?」
部屋に入ると早速、本題に入るお父様。王子との婚約がダメになった私なんかに、こんなに早く縁談話が来るとは予想していなかった。相手は、どんな人なのかしら。気になる。
額にしわを寄せたお父様が、相手の名前を教えてくれた。
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「なるほど、アンドリック様ですか。それでしたら、お受けいたします」
名前を聞いて、思い出す。何度かパーティーで見かけたことのあるお方ね。年齢は、私よりも10歳ぐらい上だったと思う。それぐらいの年齢差なら、断る理由にはならない。
なので、その申し出を快諾する。
そもそも、16歳を超えてから婚約破棄されてしまったような女が上級貴族の方に婚約を申し込まれることは少ない。色々と妥協して、ようやく相手を見つけられるかどうか、というような行き遅れである。
それが幸運にも、私を求めてくれる人が居てくれたんだ。ありがたいと思う。
「……本当に、いいのか?」
「もちろん、いいですよ」
私があっさりと返事をしたので、戸惑っている様子のお父様。どうしてでしょう。とても良い話だと私は思うんだけど。この縁談話を持ってきたのも、お父様なのに。
「嫌なら嫌と言ってくれてもいいんだぞ? 無理強いする気はないからな」
「嫌なことなんてありませんよ。むしろ、とても嬉しいことですわ。私にはもったいないお話ですもの」
「そ、そうか……。でも、本当に」
「大丈夫ですよ。今回の申し出、喜んでお受けいたします」
なぜか、消極的なお父様は何度も繰り返し確認してくる。本当に、この話を進めても良いのかどうかを。
なので、私は何度も頷いた。それでいいんですよ、と。この婚約は、家のためにもなる有益な話だから。お断りするなんて、もったいない。
「だが、エルヴェシウス公爵家の当主といえば、あまり良い噂を聞かない。数多くの家に縁談を持ちかけて、全て断られいてるようだし。それで、いい年齢になった今もパートナーが決まっていない。そんな男を相手にするのは、どうなんだ……」
「周りの評価は、あまり当てにならないと思いますよ。私は何度か、お話したことがあります。その時、悪い印象は感じませんでした」
良い噂を聞かない、というのも別に問題ないと思う。エルヴェシウス公爵家の当主に関する噂は、私も聞いたことがあった。主に、見た目についていじっている噂を。普通の人より体が大きくて重たそうとか、肥満体質とか。それをもっと酷い言葉で、馬鹿にしたものを。
女癖が悪いとか、酒癖が悪いとか、金遣いが荒いとか。そのような悪い噂は聞いたことがない。ということは、心配することもない。
「……そうか。まぁ、お前がそこまで言うのなら。申し出を受けることにしよう」
「はい。そのように、お願いします」
ようやくお父様も納得してくれたのか、縁談の話を進める方向でまとまった。後は、具体的な話を詰めていくだけね。
こうして、私の新たな婚約相手が決まった。
エルヴェシウス公爵家の現当主であるアンドリック様。
マルク王子から婚約を破棄を告げられてから、半年後の出来事であった。
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