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2章、剣弩重来編
56話、ファイブ・アーティクル・ビッグ・ブリッジの死闘
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ハルアーダの領土はアーランドラ帝国内では中堅ほどの広さだ。
かつて山賊の頭目を殺してその山賊の頭となったハルアーダは自らを黒狼党と名乗った。
狼山党を名乗ったハルアーダはアーランドラ東方の地、ベゼラーダの町長と取引し、当時のベゼラーダを食い物にしていた山賊団を壊滅吸収するとベゼラーダの自警団となったのである。
隣町も同様に山賊被害にあっていたので、これもまた町長と取引し自警団となると山賊を討伐しては吸収していった。
こうして急速な肥大化を見せるハルアーダの自警団に危機感を覚えたベゼラーダ周辺の領主、クラーク男爵は自警団の長がハルアーダだと知ると直ちに討伐隊を編成した。
かつてクラーク男爵はハルアーダと争った事があった。
その経験から、ハルアーダを野放しにしてはならないと思う。
しかしこれはハルアーダにクラーク男爵を攻撃する良い口実となってしまった。
討伐隊は半日で壊滅し、クラーク男爵の住むマテンドは、転進したハルアーダによって支配される。
クラーク男爵は降伏。
彼の領土はハルアーダのものとなった。
「男爵。私はお前に以前裏切られて攻められた。それは許し難い事だ」
ハルアーダは降伏したクラーク男爵とその一族を処刑すると、配下の誰にも裏切りを許さないと厳命した。
このハルアーダの旗揚げに、サスパランド男爵デーノ、マギーの甥にしてザルバー子爵を継いだヴェンがその配下へと加わる事になる。
サスパランドをキルムにとられたデーノは小さな村の屋敷で細々とした暮らしをしていたがハルアーダの武を期待し、庇護を求めたものであった。
ハルアーダもまた、かつてデーノに助けられた事もあったから快諾したのである。
ヴェンは伯父であるマギーグィッド・“偉大なる”カールの死に様を騎士から聞き、彼の最期の言葉、「ハルアーダは真の王」という話を信じてハルアーダへの全面降伏とした。
ハルアーダは大恩あるマギーの、その甥が降伏した事を喜んだ。
このザルバー子爵のカール家は名門の家柄であった。
そのため、ヴェンがハルアーダの軍門に降ると、同じく名家の人々もハルアーダの元へとやって来たのである。
こうして得たのが土地の広さは、約、モンタアナ地方の三分の二。
ルルム地方の三分の一。
カセイ国の六分の一であった。
中堅として勢力は大きかったが、アーランドラ帝国の有力勢力より小さい。
アキームがハルアーダの配下ヴェンの治めるザルバーへ赴き、そして戻ってくるまでの時間は十分であった。
アキームはそう計算し、賊退治の武功をあげたいという気持ちのためにザルバーへと向かったのである。
ザルバーはいわゆる農業都市だ。
広い平野とクヮンラブル河の支流による灌漑は作物を育てるのに十分な栄養を与えた。
牧畜も盛んで、古の時代ではアーランドラ国の食料庫とも呼ばれた。
そのような背景もあり、豊かな大地と豊富な食糧に支えられたザルバーは人口も多い場所である。
サスパランドとザルバー。
人口の大きな二つの町を繋ぐ大橋は交通の要衝。
そのような場所に賊が構えては行商人や旅人には不都合極まりなく。
しかしハルアーダとキルムが互いに睨み合って動けない現状、行商人や旅人にとって不幸といえた。
その大橋はクヮンラブル河の崖となっている場所に掛かっている。
広くゆったり流れるクヮンラブル河が少し狭まった部分を波涛となって駆けている。
その真上を橋が掛かっていたのだ。
アキームが橋につくと、真ん中には確かに大男が立っていた。
サスパランド方向を見て立っているのでアキームに気付いていない。
食糧を詰んだ箱や樽と、大量の武器を橋の隅に積んでいる。
アキームが近付くと、彼の馬の足音で大男は振り向いた。
その顔を見たアキームはギョッとする。
逆だった髪の毛に大きな口、めくれあがった唇から鋭い牙が覗いていた。
憤怒にまみれた眼はらんらんと輝いてアキームを見据える。
アキームは彼がオーガに違いないと思った。
しかし、すぐにオーガではないと分かった。
なぜなら、「ここは通行止めだ。帰れ」と、彼がそう喋ったからだ。
オーガは喋る知能はない。
この男が喋った以上、オーガによく似たただの人なのだと分かる。
オーガに似た大男はみずみずしいリンゴをかじっていた。
アキームは馬から降りると剣を抜き、「なぜ橋を塞ぐ。人の物をとって何をしたい」と問うた。
大男はリンゴの芯を河へ投げ捨てると「戦争をするのだ」と答える。
「戦争?」
「そうだ。戦争には金が必要だし食べ物も必要だ。武器だって沢山必要なのだ」
大男は怒っていた。
この世の全てに怒っていた。
大男はかつて良い人に仕えていた。
とてもとても善人の、とてもとても良い人だ。
だが、その良い人は殺されてしまった。
良い人が死に、悪人が蔓延る。
否! 戦争で悪人が産まれるのだ。
だから、全部壊してやるのだと大男は話す。
「賊も領主も、兵士も騎士も全て俺が殺してやるのだ」
アキームは笑った。
声を上げてケラケラと笑ったので大男は怒った。
「何がおかしい!」
大男の問い掛けにアキームは「賊は君じゃないか」と笑う。
「俺は賊どもと違って悪人じゃなければ殺しはしてない!」
大男が怒鳴ってなおアキームは笑った。
「でも商人や旅人から物を奪っているのでしょう? 商品を盗られた商人はどう暮らせば良い? 君は間接的に人を殺しているのかもしれないんだ」
大男は怒り、手にしていた薙刀(グレイブ)をアキームへ振り下ろす。
しかしグレイブは木の橋を抉っただけであった。
アキームは橋の手すりに飛び乗っていた。
大男が返す刀で手すりを切り上げると、アキームは反対の手すりへと飛び乗るのだ。
「ええい羽虫のように!」
大男が怒るとアキームはイタズラな笑みを浮かべて「羽虫でさえ殺せないのかい?」と挑発した。
大男はますます怒り、グレイブを振るとアキームは橋の真ん中へと再び降り立つ。
「まあ待ってくれ。少し、話をしたいんだ」
アキームが言うと、大男は怒りの眼をギロりと向けたまま動きを止めた。
話に乗ってくれたに違いないとアキームは考え、話を続けた。
「さっき食べていたリンゴといい、食べ物はどこから手に入れたのかな?」
大男はせせら笑い、奪ったのだと答える。
しかし、アキームは納得しない。
この大男のことは相当噂となっていた。
なのに大橋を通る者がどれほどいるだろう?
つまり、奪ったものはほんの僅かで、誰かが彼に与えねば道理の通らぬ話であった。
「誰が君に食べ物を渡した?」
アキームの指摘に大男は呻いた。
というのも、その指摘は正鵠を射るものであったのだ。
この大橋にはしばしば悪人が通る。
かつては行き交う人混みに紛れ、今となっては大男によって人気がないことを利用して。
そういった悪人の中にはしばしば『人攫い』がいた。
女子供を拉致しては、大男を侮った人攫いが「大男を殺して大橋を渡ろう」と計画したのだ。
つど、この大男は人攫いを殺し、子供を近くの村へと送った。
大男に食糧を送ったのはそういった子供たちだ。
「村の畑から食べ物を盗んでは俺に渡してくるのだ」
大男は忌々しそうに呻いた。
助けた子供が盗みを働くなど、彼の本意では無いのだ。
どうやら嘘では無いようだぞ。
アキームは顎を撫でて、この大男を見た。
そして、納得したように頷くのだ。
大男はそんなアキームにグレイブを見せると、「話は終わりだ。分かったら去れ」とおめいた。
アキームは動かず、純真な眼を大男へと向けた。
「やるか?」と大男が問えば「やらない」とアキームは答える。
「では、去れ」と大男が命じれば「去らない」とアキームは答えた。
「何がしたいのだ!」と大男が怒鳴った。
「君を部下にしたい!」
アキームが答えると、大男は絶句した。
口をパクパク動かし、頭の中で少年の戯言を反芻した。
「俺を? 部下に?」
アキームは頷き、自分が見習い騎士であること、そして近いうちにきっと凄い将になるのだと伝えた。
大男は大笑いで、少年の戯言を吹き飛ばす。
「話を聞いていたか。俺は人を恨んでいる。良い人であった我が主でさえ殺してしまうような、貧すればかように悪人となる人間など嫌いだ」
アキームはさらに大笑いで返した。
「バカを言うな! 君の大好きだった『主』もその人達と同じ人間じゃないか! 『主』がいまだに良い人だと思うなら、もう少し人間を信じて見たらどうだ!」
大男は思わず気圧されてしまった。
凶相にまみれた顔を歪ませ、大きな体を仰け反らせたのだ。
この年端もいかぬ少年に大男はすっかり追い詰められたのである。
「どうだ? 俺の部下になるかい?」
アキームの問いに大男は思わず頷いてしまった。
大男もなぜ頷いてしまったのか分からない。
嫌だと拒否し、首根っこを掴んで橋から追い出すことだってできたはずなのだ。
しかし、頷いてしまった。超自然的な力に頭を押さえられたように頷いてしまったのである。
屈託のない笑顔で、小躍りしそうなアキームを大男は見ながら不思議に思っていた。
だが、一度頷いてしまうと、この少年に従うのも悪くはない気がするのだ。
「俺の名前はアキーム。君の名前は?」
アキームの問いに大男は観念の溜息を吐くと、その名を伝えた。
「俺の名はアーモだ」
かつて山賊の頭目を殺してその山賊の頭となったハルアーダは自らを黒狼党と名乗った。
狼山党を名乗ったハルアーダはアーランドラ東方の地、ベゼラーダの町長と取引し、当時のベゼラーダを食い物にしていた山賊団を壊滅吸収するとベゼラーダの自警団となったのである。
隣町も同様に山賊被害にあっていたので、これもまた町長と取引し自警団となると山賊を討伐しては吸収していった。
こうして急速な肥大化を見せるハルアーダの自警団に危機感を覚えたベゼラーダ周辺の領主、クラーク男爵は自警団の長がハルアーダだと知ると直ちに討伐隊を編成した。
かつてクラーク男爵はハルアーダと争った事があった。
その経験から、ハルアーダを野放しにしてはならないと思う。
しかしこれはハルアーダにクラーク男爵を攻撃する良い口実となってしまった。
討伐隊は半日で壊滅し、クラーク男爵の住むマテンドは、転進したハルアーダによって支配される。
クラーク男爵は降伏。
彼の領土はハルアーダのものとなった。
「男爵。私はお前に以前裏切られて攻められた。それは許し難い事だ」
ハルアーダは降伏したクラーク男爵とその一族を処刑すると、配下の誰にも裏切りを許さないと厳命した。
このハルアーダの旗揚げに、サスパランド男爵デーノ、マギーの甥にしてザルバー子爵を継いだヴェンがその配下へと加わる事になる。
サスパランドをキルムにとられたデーノは小さな村の屋敷で細々とした暮らしをしていたがハルアーダの武を期待し、庇護を求めたものであった。
ハルアーダもまた、かつてデーノに助けられた事もあったから快諾したのである。
ヴェンは伯父であるマギーグィッド・“偉大なる”カールの死に様を騎士から聞き、彼の最期の言葉、「ハルアーダは真の王」という話を信じてハルアーダへの全面降伏とした。
ハルアーダは大恩あるマギーの、その甥が降伏した事を喜んだ。
このザルバー子爵のカール家は名門の家柄であった。
そのため、ヴェンがハルアーダの軍門に降ると、同じく名家の人々もハルアーダの元へとやって来たのである。
こうして得たのが土地の広さは、約、モンタアナ地方の三分の二。
ルルム地方の三分の一。
カセイ国の六分の一であった。
中堅として勢力は大きかったが、アーランドラ帝国の有力勢力より小さい。
アキームがハルアーダの配下ヴェンの治めるザルバーへ赴き、そして戻ってくるまでの時間は十分であった。
アキームはそう計算し、賊退治の武功をあげたいという気持ちのためにザルバーへと向かったのである。
ザルバーはいわゆる農業都市だ。
広い平野とクヮンラブル河の支流による灌漑は作物を育てるのに十分な栄養を与えた。
牧畜も盛んで、古の時代ではアーランドラ国の食料庫とも呼ばれた。
そのような背景もあり、豊かな大地と豊富な食糧に支えられたザルバーは人口も多い場所である。
サスパランドとザルバー。
人口の大きな二つの町を繋ぐ大橋は交通の要衝。
そのような場所に賊が構えては行商人や旅人には不都合極まりなく。
しかしハルアーダとキルムが互いに睨み合って動けない現状、行商人や旅人にとって不幸といえた。
その大橋はクヮンラブル河の崖となっている場所に掛かっている。
広くゆったり流れるクヮンラブル河が少し狭まった部分を波涛となって駆けている。
その真上を橋が掛かっていたのだ。
アキームが橋につくと、真ん中には確かに大男が立っていた。
サスパランド方向を見て立っているのでアキームに気付いていない。
食糧を詰んだ箱や樽と、大量の武器を橋の隅に積んでいる。
アキームが近付くと、彼の馬の足音で大男は振り向いた。
その顔を見たアキームはギョッとする。
逆だった髪の毛に大きな口、めくれあがった唇から鋭い牙が覗いていた。
憤怒にまみれた眼はらんらんと輝いてアキームを見据える。
アキームは彼がオーガに違いないと思った。
しかし、すぐにオーガではないと分かった。
なぜなら、「ここは通行止めだ。帰れ」と、彼がそう喋ったからだ。
オーガは喋る知能はない。
この男が喋った以上、オーガによく似たただの人なのだと分かる。
オーガに似た大男はみずみずしいリンゴをかじっていた。
アキームは馬から降りると剣を抜き、「なぜ橋を塞ぐ。人の物をとって何をしたい」と問うた。
大男はリンゴの芯を河へ投げ捨てると「戦争をするのだ」と答える。
「戦争?」
「そうだ。戦争には金が必要だし食べ物も必要だ。武器だって沢山必要なのだ」
大男は怒っていた。
この世の全てに怒っていた。
大男はかつて良い人に仕えていた。
とてもとても善人の、とてもとても良い人だ。
だが、その良い人は殺されてしまった。
良い人が死に、悪人が蔓延る。
否! 戦争で悪人が産まれるのだ。
だから、全部壊してやるのだと大男は話す。
「賊も領主も、兵士も騎士も全て俺が殺してやるのだ」
アキームは笑った。
声を上げてケラケラと笑ったので大男は怒った。
「何がおかしい!」
大男の問い掛けにアキームは「賊は君じゃないか」と笑う。
「俺は賊どもと違って悪人じゃなければ殺しはしてない!」
大男が怒鳴ってなおアキームは笑った。
「でも商人や旅人から物を奪っているのでしょう? 商品を盗られた商人はどう暮らせば良い? 君は間接的に人を殺しているのかもしれないんだ」
大男は怒り、手にしていた薙刀(グレイブ)をアキームへ振り下ろす。
しかしグレイブは木の橋を抉っただけであった。
アキームは橋の手すりに飛び乗っていた。
大男が返す刀で手すりを切り上げると、アキームは反対の手すりへと飛び乗るのだ。
「ええい羽虫のように!」
大男が怒るとアキームはイタズラな笑みを浮かべて「羽虫でさえ殺せないのかい?」と挑発した。
大男はますます怒り、グレイブを振るとアキームは橋の真ん中へと再び降り立つ。
「まあ待ってくれ。少し、話をしたいんだ」
アキームが言うと、大男は怒りの眼をギロりと向けたまま動きを止めた。
話に乗ってくれたに違いないとアキームは考え、話を続けた。
「さっき食べていたリンゴといい、食べ物はどこから手に入れたのかな?」
大男はせせら笑い、奪ったのだと答える。
しかし、アキームは納得しない。
この大男のことは相当噂となっていた。
なのに大橋を通る者がどれほどいるだろう?
つまり、奪ったものはほんの僅かで、誰かが彼に与えねば道理の通らぬ話であった。
「誰が君に食べ物を渡した?」
アキームの指摘に大男は呻いた。
というのも、その指摘は正鵠を射るものであったのだ。
この大橋にはしばしば悪人が通る。
かつては行き交う人混みに紛れ、今となっては大男によって人気がないことを利用して。
そういった悪人の中にはしばしば『人攫い』がいた。
女子供を拉致しては、大男を侮った人攫いが「大男を殺して大橋を渡ろう」と計画したのだ。
つど、この大男は人攫いを殺し、子供を近くの村へと送った。
大男に食糧を送ったのはそういった子供たちだ。
「村の畑から食べ物を盗んでは俺に渡してくるのだ」
大男は忌々しそうに呻いた。
助けた子供が盗みを働くなど、彼の本意では無いのだ。
どうやら嘘では無いようだぞ。
アキームは顎を撫でて、この大男を見た。
そして、納得したように頷くのだ。
大男はそんなアキームにグレイブを見せると、「話は終わりだ。分かったら去れ」とおめいた。
アキームは動かず、純真な眼を大男へと向けた。
「やるか?」と大男が問えば「やらない」とアキームは答える。
「では、去れ」と大男が命じれば「去らない」とアキームは答えた。
「何がしたいのだ!」と大男が怒鳴った。
「君を部下にしたい!」
アキームが答えると、大男は絶句した。
口をパクパク動かし、頭の中で少年の戯言を反芻した。
「俺を? 部下に?」
アキームは頷き、自分が見習い騎士であること、そして近いうちにきっと凄い将になるのだと伝えた。
大男は大笑いで、少年の戯言を吹き飛ばす。
「話を聞いていたか。俺は人を恨んでいる。良い人であった我が主でさえ殺してしまうような、貧すればかように悪人となる人間など嫌いだ」
アキームはさらに大笑いで返した。
「バカを言うな! 君の大好きだった『主』もその人達と同じ人間じゃないか! 『主』がいまだに良い人だと思うなら、もう少し人間を信じて見たらどうだ!」
大男は思わず気圧されてしまった。
凶相にまみれた顔を歪ませ、大きな体を仰け反らせたのだ。
この年端もいかぬ少年に大男はすっかり追い詰められたのである。
「どうだ? 俺の部下になるかい?」
アキームの問いに大男は思わず頷いてしまった。
大男もなぜ頷いてしまったのか分からない。
嫌だと拒否し、首根っこを掴んで橋から追い出すことだってできたはずなのだ。
しかし、頷いてしまった。超自然的な力に頭を押さえられたように頷いてしまったのである。
屈託のない笑顔で、小躍りしそうなアキームを大男は見ながら不思議に思っていた。
だが、一度頷いてしまうと、この少年に従うのも悪くはない気がするのだ。
「俺の名前はアキーム。君の名前は?」
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